雑記とかドラマ【相棒】の魅力とか!

2022年はドラマ「相棒」関連の記事が中心です。

【相棒20第5話「光射す」ネタバレ&感想】10年近く引きこもる50代の息子を想う80代母親の哀しい話!

2000年にスタートしたドラマ【相棒】の新シーズン【相棒20】が、2021年秋から放送されています。

 

水谷豊さん扮する杉下右京と反町隆史さんが演じる冠城亘(かぶらぎわたる)が、警視庁のたった2人の特命係として事件を解決に導きます。

 

2021年11月10日放送の【相棒20第5話「光射す」】はどんな話なのでしょうか。

 

今回はゲストに【相棒1第7話「殺しのカクテル」】でアキコ・マンセル役を演じた草村礼子さんが別役で登場するようです。

 

本編視聴後にストーリー(ネタバレ)と感想などを記述します。

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(画像はテレビ朝日から引用)

【相棒20第5話「光射す」】はどんな話?

【相棒20第5話「光射す」】

2021年11月10日放送

どんな話?

【相棒】公式サイトより引用

角田(山西惇)は、水木(伊藤洋三郎)という顔見知りの元刑事が、落ち込んでいる姿を見掛ける。

水木は、2か月前から行方不明になっている大学生の娘を探すため、警察官でありながらネットで情報提供を呼び掛け、問題になった人物。しかも、寄せられた情報は冷やかしばかりで、本人は騒動の責任を取って辞職していた。

そんな中、警備員の男が、施錠されたアパートの自室で首を吊って死んでいるのが発見される。状況的には自殺だったが、外傷がある上、室内の指紋が不自然に拭き取られていたことから、“密室殺人”も疑われた。

そして、この事件の一部始終を見ていたのは、なんと飼っていた“亀”だった!

事件に興味を持った右京(水谷豊)と亘(反町隆史)が聞き込みをすると、隣に住む三宅富士子(草村礼子)という老婦人には、部屋から出ない息子がいると判明。日中、部屋にいるその男性が、何か聞いている可能性もあるが、話を聞くことさえできない。

翌日、捜査を続けていた右京と亘は、現場付近で怪しげな男を発見。捕まえて事情を聞くと、男は水木の元部下の刑事で、警備員の男が亡くなった部屋を、非公式に家宅捜索していたと語る。

そんな無茶をしたのは、問題の部屋に女性が監禁されているというネットの書き込みがあったからだというが…!?

【テレ朝POST】より引用

古いアパートの一室で、住人の警備員・紅林啓一郎(西野太盛)が首をつって死んでいるのが見つかった。

遺体には何者かに殴打されたような生々しい傷が残っており、単なる自殺とは思えなかった。しかも、玄関や窓は内側から施錠されていたため、もし他殺ならば“密室殺人”にほかならなかった。

事件を聞きつけた特命係の杉下右京(水谷豊)、冠城亘(反町隆史)は臨場。紅林は1匹の亀を飼っており、目撃者はその亀だけだった!また、壁が薄いのか、隣室から咳きこむ声が聞こえるのにも気づく。

隣室には80歳の女性・三宅富士子(草村礼子)が息子・卓司(矢崎まなぶ)と住んでおり、部屋から出てこない息子のため、富士子は今なお働き詰めの日々を送っているようだった。富士子は、紅林とは生活時間帯が逆なため顔を合わせたこともないと話す。

そんな中、右京たちは意外な事実を知る。なんと、所轄署の刑事だった水木洋輔(伊藤洋三郎)が、一週間前、紅林の部屋を独断で家宅捜索していたことがわかったのだ。

2カ月前に失踪した娘・沙也加(近藤くれは)を探していた水木がそんな無茶をしたのは、インターネット上で娘が紅林の部屋に監禁されているという書き込みを発見したからというが…!?

主な出演者とスタッフ

出演者

杉下右京(すぎしたうきょう)=水谷豊
冠城亘(かぶらぎわたる)=反町隆史

小出茉梨(こいでまり)=森口瑤子

伊丹憲一(いたみけんいち)=川原和久
芹沢慶二(せりざわけいじ)=山中崇史
角田六郎(かくたろくろう)=山西惇
青木年男(あおきとしお)=浅利陽介

出雲麗音(いずもれおん)=篠原ゆき子

三宅富士子(みやけふじこ)=草村礼子

水木洋輔(みずきようすけ)=伊藤洋三郎

紅林啓一郎(くればやしけいいちろう)=西野太盛

三宅卓司(みやけたくじ)=矢崎まなぶ

水木沙也加(みずきさやか)=近藤くれは

ほか

スタッフ

脚本=池上純哉

監督=守下敏行

音楽=池頼広

エグゼクティブプロデューサー=桑田潔

チーフプロデューサー=佐藤涼一

プロデューサー=髙野渉、西平敦郎、土田真通
ほか

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その後どうなった?(ネタバレ?)

第1発見者で紅林の勤務先の同僚である桂木雪乃が、事件当日の昼に紅林の家の近所の公園にある防犯カメラに映っていた。雪乃は紅林と恋愛関係にあった。

 

雪乃によると、紅林とは2か月以上前に別れたという。事件当日は合鍵を返すために紅林の家を訪れた。紅林の家のドアにあるポストは密閉されていたため、雪乃は窓の桟のところに鍵を置いて帰った。

 

密室トリックを解くカギは、かつての交際相手が返しにきた合鍵だった。

見守りカメラで監視されていたのは亀ではなく…

ネットの匿名掲示板に書き込まれた情報には紅林の音楽の趣味や職業についても触れられていた。投稿したのは隣人の卓司だろうと見当をつけた右京と亘は町工場で働く富士子を訪ね、10年近くも家に引きこもる卓司に取り次いでくれるよう頼むが断られ「拳銃でもなんでも突きつけてあの子を逮捕すりゃいいだろ」と言われてしまう。

 

右京たちは卓司を訪ねるが卓司は応答せず、辞去しようとすると、管理人を伴った内川と出くわす。内川は沙也加の捜索を続けていて、もう一度、紅林の家を見にきたのだ。

 

紅林の家には、板の間の上に板の間の模様をしたカーペットが敷かれていた。紅林は床下収納があることを隠していたのだ。床下収納の蓋を開けると、そこには沙也加の血痕が残っていた。紅林の家の見守りカメラは亀ではなく、沙也加を監視していたのだ。

捜査一課は殺人容疑で水木の逮捕状を申請するが…

水木が警察に呼ばれ伊丹たちに取り調べられる。水木が紅林を殺害し、沙也加を救出したのではないかというのだ。現場近くの公園の防犯カメラに、紅林が死亡した日の深夜、女性を背負って通りを歩く人物が映っていた。それは沙也加を背負った水木なのか?

 

しかし、司法解剖の結果、紅林は殺害の線が消え、自殺とみられることが判明する。また、水木にはアリバイがあり、女性を背負った人物は水木ではなかった。

 

沙也加を連れ去ることができたのは、紅林の家に雪乃が合鍵を返しに来た人物に限られる。とすると、沙也加を連れ出したのは隣人の卓司なのか?

 

何者かが土を掘り返して鍵と紫外線ライトを埋めている。

町工場では、よろよろ歩く富士子が運んでいた荷物を落として部品をばらまいてしまう。

富士子が昼食のために家に戻ると、右京、亘、そして水木が待ち構えていた。

事件の真相は…

沙也加の監禁に気づいたのは卓司だ。しかし、家に引きこもる卓司は通報して面倒に巻きこまれるのを避けて、匿名掲示板に書き込みそっと知らせた。

 

その情報をもとに水木は紅林の部屋を家宅捜索し、床下収納には気づかなかったが、掲示板に書き込みをした人物を捜して卓司にたどり着いた。

 

水木に卓司への捜査協力を頼まれた富士子はそれを断るが、我が子を救い出したい水木の親心を富士子は無視できない。富士子もまた、引きこもりの息子を救い出そうと必死に闘ってきたからだ。手がかりもなく光を見いだせない水木の心を富士子は誰よりも理解できた。

 

家宅捜索をしても見つからなかった場所…同じ構造の部屋に住む富士子は床下収納の存在に気づく。それが、雪乃が合鍵を返すタイミングと重なった。

 

富士子は紅林が勤務している夜間に紅林の部屋に侵入したが、見守りカメラを設置している紅林にすぐ通報が入り、帰ってきた紅林に見つかってしまう。

 

富士子はとっさに紫外線ライトで紅林を殴って気絶させ、沙也加を連れ出した。監禁の発覚を恐れた紅林は首を吊って自殺する。

 

公園近くの通りで女性を背負って歩いていた人物は富士子だった。富士子は町工場の近くまで沙也加を背負って連れていったのだ。

 

水木は富士子の連絡を受けて工場に駆けつけたが、そこには2か月もの監禁生活を経て変わり果てた沙也加の姿があった。紅林はすでに自殺している。水木は、監禁じたいを無かったことにしようと考えた。

 

水木は沙也加を不法滞在者やホームレスを支援する非公認の団体の医療施設で静養できるよう手配した。

 

水木は現場の指紋や足跡をすべて拭き取り、富士子が紅林を殴打した凶器を処分した。

子を想う親の気持ちが通じた?

子供が不幸なのは、自分が至らなかったからではないか。だから、まわりになんと言われようが、子供のためになることなら、どんな苦労だって甘んじて受けてやりたい。子供を思う水木と富士子が協力していた…

 

富士子は住居侵入と傷害、水木は犯人隠避と証拠隠滅の容疑で逮捕される。覆面パトカーに富士子が乗り込もうとすると、扉が開く音がする。卓司が部屋を出てきたのだ。

 

パトカーに乗り込み「出してください」と頼み、息子とは会話をせずに警察に向かう富士子。

 

右京と亘は笑顔で卓司に声をかける。そこには穏やかな陽光が射し込んでいた。

感想など

親の逮捕という大きな代償の果てに射した光を今後に生かすために、子は具体的にはどうしたらいいのか。本編終了後の「これから」を深く考えさせられる内容でした。

光が見えない真っ暗闇の世界で

水木洋輔は、行方がわからなくなっている大学生の娘を必死に探しています。警察官でありながらネットで情報提供を呼びかけたことが問題になり、退職を余儀なくされました。

 

「光が見えない」……どうにもこうにも真っ暗闇で、出口が見えない状態でした。

 

ある日、ネットの匿名掲示板で、娘が紅林啓一郎の部屋に監禁されているという書き込みを発見した水木は、独断で紅林の部屋を家宅捜索します。

 

娘は見つかりませんでした。情報提供してくれたのは隣に住む引きこもりの三宅卓司ではないだろうか。

 

水木は卓司に捜査協力してほしい旨を母親の三宅富士子に伝えます。

 

親が子を想う気持ちは同じ。三宅富士子には、水木の気持ちが痛いほどわかりました。

 

自分の息子は40代の頃から、もう10年近くも引きこもりの生活をして、外に出ていません。富士子は、子供が不幸なのは自分が至らなかったからではないかと心を痛めていました。

 

周囲の人ににどう見られようが、子供のためになることなら、どんな苦労だって甘んじて受けてやりたいと思ううちに、年齢は80を過ぎてしまいました。

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中高年の引きこもり「8050問題」とは

若者の問題として捉えられていた「引きこもり」は、中高年にも増えています。そのため、80代の親が50代の引きこもりの子の生活を支える「8050問題」と呼ばれる状況が生まれています。

 

内閣府による2019年の調査によると40歳〜64歳の引きこもり状態にある人は、約61万人。長期間の引きこもり問題は解決が至難であり、高齢化傾向は今後も続くと見られています。

 

【相棒】では2012年2月に放送された【相棒10第12話「アンテナ」】で、若者の引きこもり問題がテーマとなりました。

 

この回では、16歳で時が止まった25歳の息子を持つ父親が、苦しい胸中を告白します。

 

「先が見えないんです。見えているのは親のほうが先に死ぬってことだけ。そうなったらあいつは……」

 

この父親は、息子が犯罪者として逮捕されるかもしれない現実に「もしそうなったら終わるのかな。9年続いたこの地獄も……」と呟きました。

 

そして今回、50代の引きこもりの息子を持つ三宅富士子も「あの子は私が死んでお金がなくならない限り、出てこないだろう」と嘆きました。そして「拳銃でもなんでも突きつけてあの子を逮捕すりゃいいだろ」と語気を強めます。

 

引きこもり当事者の年齢が変わっても、親の悩みは共通していました。年齢が高いぶん「8050問題」は深刻なようです。

 

結局、どちらの回も息子は犯罪者では無かったのですが、「アンテナ」との違いは、親の富士子が事件の犯人として逮捕されたことです。

母親の勇気ある「住居侵入」

富士子は「8050問題」の当事者でありながら、息子との関係をどうすることもできず町工場で働く生活を続ける一方で、水木の娘が隣の紅林の家に監禁されていることを察知し、救出を試みます。

 

隣家に「住居侵入」し、水木の娘を救出しようとした時に、紅林に襲われた時にとっさに「傷害」を起こし、2つの罪で警察に同行を求められます。

 

そこまでしても、水木の子を想う親の気持ちに協力したかったのです。

 

そして、事件の一連の真相を聞いて心を動かされたのが、富士子の息子である三宅卓司でした。

 

卓司は、母親が覆面パトカーに乗りこむ寸前に、部屋の扉を開けて外に出ます。親が子を想う気持ちが、卓司に伝わったようです。

 

富士子を乗せたパトカーが去り、立ちすくむ卓司に、右京さんがやさしく語りかけます。

 

「よかったですね。外に出られて。穏やかで、いい天気ですよ」

光が射したきっかけは自分の善意

卓司は親の気持ちに動かされて外に出たのですが、その親を動かせるきっかけは、卓司自身の行動にありました。

 

水木の娘が紅林の家に監禁されていると、ネットの匿名掲示板に書き込んだこと。

 

自分が事件に巻き込まれるのはイヤだけど、卓司の善意は、犯罪行為を許すことができなかったのです。

 

それにより水木が動かされ、水木の心に富士子が動かされました。

 

卓司が外に出ることができたのは、自分が引き寄せた結果です。

チャンスを「これから」に生かすには

親が我が子を想う気持ちが引きこもりの息子に伝わった時、息子は扉を開けて外に出る決意をしました。

 

光射す世界への船出。

 

しかしそれはようやく訪れたチャンスのひとつに過ぎません。親の逮捕という大きな代償の果てに射した光を今後に生かすために、子は具体的にはどうしたらいいのか。

 

親が先に死んだらどうするんだっていう問題は誰よりももわかってるし、その不安が大きすぎて現実と向き合えなかった……そんな自分が、人生に価値を見出して前向きに生きるようになるまでは、想像以上の時間がかかるでしょう。

 

引きこもり状態から脱するには、福祉などの力を借りる必要があります。そのためには、引きこもりの人にとっての難関である「人付き合い」をしなければなりません。

 

それでも、光射す場所を選んでいけるかどうか。再び真っ暗闇に戻ってしまうのか。

 

本編終了後の「これから」を深く考えさせられる内容となりました。

 

【相棒16】以来、久々の登場となった池上純哉さんの脚本によるヒューマンドラマ回、最高でした!

【相棒20第4話「贈る言葉」ネタバレ&感想】陣川警部補が新郎に贈った熱いスピーチの内容とは!?

2000年にスタートしたドラマ【相棒】の新シーズン【相棒20】が、2021年秋から放送されています。

 

水谷豊さん扮する杉下右京と反町隆史さんが演じる冠城亘(かぶらぎわたる)が、警視庁のたった2人の特命係として事件を解決に導きます。

 

2021年11月3日放送の【相棒20第4話「贈る言葉」】はどんな話なのでしょうか。

 

今回はゲストに「特命係・第三の男」として大人気の陣川公平(じんかわこうへい)警部補が登場。陣川さんはどんな人物なのか、超ざっくり紹介し、本編視聴後にストーリー(ネタバレ)と感想などを記述します。f:id:setosan1015:20211103193917p:image

(画像はテレビ朝日より引用)

超ざっくり!陣川公平警部補ってどんな人?

【相棒20第4話「贈る言葉」】には「特命係・第三の男」こと陣川公平(じんかわこうへい)警部補が登場します。

 

原田龍二さんが演じるその役どころは、警視庁に所属する警部補です。事件の捜査に首をつっこんで、惚れた女を守ろうと勝手に突き進み、右京さんたちに助けてもらって事件を解決するものの、恋は叶わず…という愛すべきお約束。

 

2004年放送の【相棒3第6話「第三の男」】で初登場し、捜査一課の経理担当から島流しされて、通算7代目相棒の亀山薫とともに右京さんの8代目相棒として、特命係に籍を置きました。

 

重いテーマを扱うストーリーも少なくない【相棒】シリーズで、陣川さん登場回はコミカルで気楽に視聴できるため、登場頻度は1~2シリーズに1度ほどですが、人気の高いキャラクターです。

 

陣川警部補と右京さんたちのこれまでの関係や、陣川さんのキャラクターなどを、超ざっくり振り返ってみます。

捜査一課の経理から島流しで特命係へ

【相棒3第6話「第三の男」】2004年放送

ダンボール箱を抱えて元気に「おはようございます!」と特命係の部屋にやってきた陣川公平警部補。お辞儀した瞬間にダンボールの中の物をばら撒くお約束。これが陣川警部補、初登場のシーンでした。

 

☆階級は警部補なので巡査部長の亀山薫より上

☆捜査一課で経理をしていたが一般市民を2度と誤認逮捕してしまい特命係に左遷

☆自宅の壁は指名手配犯のポスターだらけ

☆簿記1級の資格を持っている

☆すぐ悪酔いする

☆大阪の寝屋川出身

☆事件の真実はほろ苦く、陣川さんの恋は叶わず

思いこみ失恋系お約束キャラとして定着

【相棒6-2「陣川警部補の災難」】2007年

☆殺人容疑で拘束され伊丹刑事らトリオ・ザ・捜一に取り調べを受ける

☆痴漢事件の犯人を捕まえようとして痴漢と間違えられる

☆亀山薫にブチ切れられて「陣川!」と怒鳴られる

【相棒7第18話「悪意の行方」】2009年

☆右京さんの相棒が不在の時期で、陣川さんが実質右京さんの相棒に?

☆泥酔して右京さんを「杉さん」と呼び憮然とさせる

【相棒9第5話「運命の女性」】2010年

☆同級生からの呼び名は「警視庁くん」

☆結婚式のブーケをもらってきてしまう

☆神戸尊に先輩面で「ソンくん」と呼ぶ。

☆引き出物袋を駅前のタクシー乗り場に置き忘れる

☆空き巣に遭う

【相棒9第17話「陣川警部補の活躍」】2011年

☆この回は珍しくマドンナが登場せず、男性を助けようと意気込む

☆内村刑事部長から握手され警視総監賞も検討される

☆近くのコンビニの店長にも人望が厚い

☆押収品を壊して鑑識の米沢さんにブチ切れられる

【相棒10第17話「陣川、父親になる」】2012年

☆好きになった女性のお腹の子に語りかける

☆勇気をもって父親の申し出→やんわり断られる

☆お腹の子の本当の父親に「きみが逃げ続けるなら、ぼくが父親になります!」このシーンめっちゃかっこいい

☆子供が産まれたら「公次」と名付ける予定だった

【相棒11第13話「幸福な王子」】2013年

☆甲斐享に不機嫌そうな態度をとる

☆(その理由は…)神戸尊が特命係を去ってからずっと右京さんがスカウトしてくれるのを待っていた

【相棒12第11話「デイドリーム」】2014年

☆動物園から逃げた虎を捕獲しようとして逆に襲われて殉職する夢を見た

☆オンライン夢診断の際に捜査一課の人間だとバラしてしまった

【相棒13第17話「妹よ」】2015年

☆子供の頃、妹の美奈子を探すうちに自分が迷子になって警察に一斉捜索をかけられた

☆美奈子の高校受験で雪の日に合格祈願のお参りに行き、自分が肺炎になって死にかけた

☆美奈子が陣川さんのことを警視庁一の刑事だと思い込んでいると陣川さんが思い込んでいる

プロポーズした女性が殺害され復讐鬼になる話も

ここまではコミカルな役割を担当し続けていた陣川さんが、2016年放送の【相棒14第12話「陣川という名の犬」】では、プロポーズした女性が殺害されてしまい、復讐の鬼と化して殺人犯になりかけてしまいます。

 

大河内監察官に対して「殺した奴を殺すことがなんで問題なんですか?」と言い放ち、右京さんに「目を覚ましなさい!」と一喝されました。

 

この事件の後、海外研修でロンドンに行っていた陣川さんが帰ってきたのは2018年放送の【相棒16第11話「ダメージ・グッズ」】で、成長したシリアスな役柄となって事件の解決に貢献しました。捜査二課への配属も決定します。

 

2020年放送の【相棒18第16話「けむり〜陣川警部補の有給休暇」】では、マドンナに恋する「お約束キャラクター」に戻ります。

 

失恋して酔いつぶれた陣川さんは右京さんを「お杉さん」呼ばわりして、またまた右京さんを憮然とさせていました。

 

↓陣川警部補についてもっと詳しくまとめた記事はこちら↓

【相棒20第4話「贈る言葉」】はどんな話?

【相棒20第4話「贈る言葉」】

2021年11月3日放送

どんな話?

【相棒】公式サイトより引用

陣川(原田龍二)は、高校時代からの友人で、現在はゲームクリエイターとして活躍している鴫野大輔(黒田大輔)から結婚式のスピーチを依頼され、大張り切り。

しかし、内容が今ひとつのため、鴫野が長年世話になっているというスピーチライターの宮森由佳(瀬戸カトリーヌ)を紹介される。

興味を持った右京が、陣川に同行し、由佳から話を聞いていると、陣川の携帯に鴫野から連絡が。突然、殺人事件の容疑が掛けられ、警察から事情聴取を受けているという。

助けを求められた陣川は、右京と亘(反町隆史)をともなって急行。殺されたのは鴫野の下で働いていた元社員の男性で、死の直前、『お前を絶対に許さない。全てを公にして謝罪しろ』というメールを鴫野に送っていたという。

内容から、ゲーム開発に関して、鴫野に恨みを持っていたと思われるが、鴫野自身は容疑を全面否認。それを信じた陣川は、右京と亘を巻き込み、独自の捜査を始める。

ところが、その矢先、鴫野犯人説を裏づける、決定的な証拠が発見されて…!?

【テレ朝POST】より引用

特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は、捜査二課刑事・陣川公平(原田龍二)のスピーチ練習につきあわされていた。

陣川は、高校時代からの友人である世界的ゲームクリエイター・鴫野大輔(黒田大輔)の結婚式でスピーチ役を頼まれていたのだが、張り切りすぎて空回り…。

あまりの出来栄えに右京たちは不安を抱くが、陣川によると、同じく心配した鴫野からスピーチライター・宮森由佳(瀬戸カトリーヌ)を紹介されたという。

由佳は長年、鴫野の新作発表会見のプレゼンテーションを担当してきただけでなく、政局を動かした伝説の選挙演説を手がけたこともある凄腕ライターだった。原稿を作成するだけでなく、聴衆の心を揺さぶる演出をも考えるプロフェッショナルで、なりゆきから陣川のスピーチ特訓に付き添った右京は彼女の仕事ぶりに感心する。

そんな中、突然、鴫野から陣川に連絡が入り、なんと殺人容疑がふりかかったという。

昨夜、鴫野の元部下・相島潤平(金子鈴幸)が何者かに撲殺されたのだが、相島は死の間際、鴫野に「お前を絶対許さない。すべてを公にして謝罪しろ」という脅迫メールを送りつけていたのだ。

しかし、当の鴫野は、スマートフォンはどこかに置き忘れたためメールは見ていない、事件当夜は考え事をしながら歩き回っていてどこにいたか覚えていない、など曖昧な証言ばかり。

それでも親友を信じる陣川は「俺が犯人を捕まえてやる」と張り切るが、現場から鴫野の犯行を示唆する証拠が見つかり…!?

はたして友情を信じる陣川は報われるのか――事件に秘められていたあまりに意外な真実とは…!?

主な出演者とスタッフ

出演者

杉下右京(すぎしたうきょう)=水谷豊
冠城亘(かぶらぎわたる)=反町隆史

小出茉梨(こいでまり)=森口瑤子

伊丹憲一(いたみけんいち)=川原和久
芹沢慶二(せりざわけいじ)=山中崇史
角田六郎(かくたろくろう)=山西惇

出雲麗音(いずもれおん)=篠原ゆき子

陣川公平(じんかわこうへい)=原田龍二

宮森由佳(みやもりゆか)=瀬戸カトリーヌ

鴫野大輔(しぎのだいすけ)=黒田大輔

江口稔(えぐちみのる)=安藤彰則

中村亜里沙(なかむらありさ)=長谷川葉生

相島潤平(あいじまじゅんぺい)=金子鈴幸

ほか

スタッフ

脚本=神森万里江

監督=橋本一

音楽=池頼広

エグゼクティブプロデューサー=桑田潔

チーフプロデューサー=佐藤涼一

プロデューサー=髙野渉、西平敦郎、土田真通
ほか

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その後どうなった?(ネタバレ)

現場に残されていた「証拠」は、鴫野の指紋がついたワイヤレスイヤフォンの片方だった。

 

事件のことは何も知らないと、犯行を認めない鴫野。

 

事件の日、鴫野はスマホをなくし、何時間もどこかを歩きさまよっていたという。社長の江口によると、鴫野はじっとしていると閃かないので、6~7時間ほど歩き回ることもあり、靴を頻繁に買い替えていたらしい。

相島潤平が鴫野大輔を許せなかった理由は?

右京は「DEAD WARRIOR4」の進行が遅れている理由にこだわり、鴫野に訊ねる。鴫野は「妥協したくないから」だと言うが、だとしたら「なぜ4だけが遅れるのか」「なぜ急に相島が鴫野を恨むようになったか」がわからないと言う。

 

鴫野の部屋。鴫野と婚約者の中村亜里沙が写る半年前の写真を眺めながら亜里沙に事情聴取する右京。亜里沙は「鴫野が自由を求めて会社から独立しようとしていた」と右京に話す。社長の江口は「お前じゃなきゃダメなんだ」と鴫野を止めたが、すでに鴫野の気持ちは離れていたようだ。

 

相島は由佳に再就職の相談をしていた。その事を右京が由佳に訊ねると、由佳は「鴫野の独立の話は本人から聞いたわけではないが、言動から伝わっていた」と言う。

 

相島は由佳が作る鴫野のスピーチ原稿のメモを盗み見て、鴫野の独立話を知ったのだろうか。そして、許せないと思って脅迫したところを鴫野に殺された?

鴫野が〇〇に殺されそうになる!

江口が弁護士の高井戸を伴って、伊丹刑事たちに鴫野を解放しろと詰め寄り、鴫野は帰される。伊丹が「特命係じゃないでしょうね。イヤフォンのことを話したのは…」と右京にイヤミを放つと、右京は思案顔。

 

陣川の聞き込みにより、会社の清掃員が、事件当日にトイレで鴫野のスマホを発見したことと、持ち主を知っているという人物にスマホを渡したことが判明した。その人物とは、江口だった。

 

江口が別荘に隔離した鴫野を殺害しようとしているところを、陣川、亘、右京が救出。右京たちは亜里沙から心当たりの場所を聞いてかけつけたのだ。

 

相島を殺害したのも江口だった。相島が鴫野のことを公表するのを封じるためだった。江口のスーツから印刷された鴫野名義の遺書が発見されたため、江口が鴫野に罪を着せようとしていたことが確認され、江口は観念。

 

「見ていたはずの鴫野がなぜ警察に話さないのか不気味で」と話す江口に「俺は何も見ていない」と返す鴫野。江口は「じゃあ、イヤフォンのことは?」と訊く。江口には「現場に鴫野のイヤフォンが落ちていた。おまえの犯行はすべて見られている」という内容の匿名メールが来ていたのだ。

 

警察は関係者にイヤフォンのことを「イヤフォン」ではなく「遺留品」としか伝えていないのだが…。

すべてを操っていた大悪人は…

由佳の事務所を訪問する右京たち。右京は「相島は由佳のメモを盗み見などしていなかった。言葉で人をあやつるプロである由佳が相島に話して焚きつけたのだ」と話す。

 

鴫野は亜里沙と独立の話を始めてから、スピーチ原稿を素直に読まなくなっていた。右京が由佳と初対面の時に読ませてもらった鴫野のスピーチ原稿と実際のスピーチでは、鴫野の「もっと自由に」というアドリブワードが増えていた。

 

鴫野は、会社だけでなく由佳からも独立したがっていた…。由佳は相島を焚きつけて脅迫メールを送るところまで誘導し、犯行現場で江口が相島を殺害するのを見届けると、相島の遺体の傍らに鴫野のイヤフォンを置き、江口に匿名メールを送った。

 

由佳のオフィスが入るビルの管理事務所に2週間前にイヤフォンの落とし物があり、由佳が受け取っていた。また、江口へのメールの送信者も特定済みであり、殺害現場のイヤフォンのことを知っているのは由佳しかいないことから、由佳は犯行を認めた。

 

理由は「面白くなかったから」。由佳にとって、鴫野は初めて会った時は自分の思いすら言葉にできない人だった。話す内容や話し方、表情などすべてを教えてきたのに、鴫野は亜里沙と会ってから変わった。亜里沙の意見を聞くようになったのが許せなかった。カリスマゲームクリエイターの鴫野大輔を作ったのはこの私なのに…。

 

そんな由佳を「思い上がりにも甚だしい」と断罪する右京。

鴫野が誰にも話せなかった秘密とは?

右京は鴫野に「独立の話はカムフラージュではないか?」と推理をぶつける。鴫野は独立したいのではなく、ゲームクリエイターをやめたいと思っていた…。


右京が亜里沙の部屋で見た写真に写る半年前の鴫野のスニーカーと、現在の鴫野のスニーカーを見比べると、靴底がすり減っていない。歩き回ることをやめていたのだ。

 

「もう作れない」とは、クリエイターのプライドで口が裂けても言えない…。鴫野は「4作目で、画期的なアイデアも出なかった」と苦しい胸中を打ち明ける。

 

陣川は「バカだなあ、おまえは」と鴫野をなぐさめる。

 

「壁にぶつかった時には、選択肢は他にもある。あきらめるな。『未来は予測するものではなく、作り出すものだ』だろ?」と、鴫野が作り出したゲーム「DEAD WARRIOR4」のキャッチコピーを使って元気づける陣川。

 

鴫野のそばに亜里沙が来る。陣川は右京たちとともに、2人を暖かい視線で見つめた。

感想など

今回はマドンナへの片想いこそなかったものの、大切な人を想うまっすぐな気持ちで突っ走る陣川さんの魅力がたっぷり詰まった、陣川警部補シリーズ屈指の名作になりました。

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結婚式のスピーチはむずかしい

友人に結婚式のスピーチを頼まれたら、慣れていない人なら誰でも、どんなことを話せば良いのか困惑してしまうものでしょう。

 

陣川警部補が、高校時代の同級生である鴫野大輔にスピーチを頼まれて、練りに練った末にまとめたのは「3本の薔薇」による例えでした。

 

「結婚生活には3本のバラが大切です。1本目のバラはバランスのとれた生活。仕事と家庭の両立が大事ということであります。2本目のバラは、バラエティーに富んだ生活。毎日同じ生活の繰り返しではなく、時には食事に行ったり、旅行に行ったりしてみてください。3本目が、バラバラの生活。夫婦といえどもそれそれが自分の時間を持つということが、家庭に綺麗なバラを咲かせ続ける秘訣であります…」

 

《こてまり》で酔っ払ってスピーチの練習をする陣川さんは、右京さんに「非常に独創的で印象的」と一定の評価を受けながらも「さらに練り直すことをおすすめします」とアドバイスされました。

 

亘に「お祝いの席で『バラバラ』はちょっと…」とたしなめられてしまいますが、陣川さんなりの「うまいこと言ってやろう」という心意気は伝わってきます。それが陣川さんのいいところ。

 

新郎の鴫野(しぎの)大輔にプロのスピーチライターを紹介されて、スピーチのコツを教えてもらうところから改めてスタートする陣川さんは「スピーチはマイクの前に立ってから始まるのではありません」と、式の司会に呼ばれた時点からの心得を学んでいきます。

 

相手にどのような印象を与え、どのように心を動かすのか。そのための脚本、演出、演技を考えるというスピーチライターの仕事を「そこまでして作られるものなんですねー」と拍手で称える右京さん。

 

陣川さんの「熱いハート」とスピーチライターの「プロフェッショナル」ががっちり噛み合えば最高のスピーチができ上がるはず…でしたが、このスピーチライターは、とんでもない奴でした。

プロフェッショナルが破壊者になる時

宮森由佳はスピーチライター。野党が政権を奪った際の門倉首相の選挙演説を担当した凄腕です。鴫野とは8年前に新作ゲームの発表会見におけるスピーチを手がけて以来の付き合いだとか。

 

スピーチライターになるためにはとくに資格は必要ありませんが、話者の魅力を最大限に引き出すためには、ライティングスキルだけでなくコミニケーション能力や最新の情報へのアンテナなど、さまざまな腕前が試されます。

 

右京さんいわく「国民を戦争に向かわせることだってできる」ほどの職業。その破壊力に酔いしれてしまったのか、由佳は自尊心にまみれてしまいました。

 

鴫野は婚約者の中村亜里沙と出会ってから変わり始め、スピーチではアドリブが増え、どんどん許せなくなっていく…

 

世界的なカリスマゲームクリエイターを作ったのは私なのに。私がいないと何もできないくせに。

 

スピーチのプロは、人の命を奪うことに躊躇もなくなるモンスターになってしまいました。宮森由佳の行き過ぎたプライドには同情する余地もありません。

カリスマの誰にも言えないプライド

一方で、鴫野にもプライドがまとわりついていました。彼も世界的なカリスマゲームクリエイターという、プロフェッショナルな職業を背負っています。

 

「DEAD WARRIOR」シリーズは爆発的な人気に支えられて4作目が待望されていますが、その発売は延期になります。

 

もう、新しい画期的なアイデアが浮かんでこねー!

 

その行き詰まりは「ゲームクリエイターをやめたい」と苦しむほどでした。鴫野のスピーチで「もっと自由に」というアドリブワードが増えたのは、スピーチ内容のポジティブさとは裏腹な、ネガティブな気持ちが影響していたようです。

 

でも「もう作れない」は口が裂けても言えません。悩みつつ何も進まないうちに、殺人事件が起きてしまいました。

陣川警部補が贈った最高のスピーチ

「DEAD WARRIOR」の世界に例えるなら、鴫野は主人公側でいられましたが、由佳はゾンビ側に転んでしまったというところでしょうか。

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陣川さんや右京さんたちの活躍で、ゾンビは倒されました。由佳が心から罪を償って、もう一度まっとうなスピーチライターを目指してくれることを願います。

 

さて、クリエイターとして行き詰まった男は、これからどうやって生きていけばよいのでしょうか。

 

泥にまみれた友人の心に射し込むのは、陣川さんの温かいハートが紡いだ「贈る言葉」でした。

 

「バカだなあ、おまえは。なんか壁にぶつかった時にはさ、逃げる逃げないだけじゃない。選択肢はもっとほかにたくさんある。勝手に悲観的になってあきらめるなよ。だって、おまえの作ってるゲームはそうゆうゲームだろ。『未来は予測するものではなく、作り出すもの』」

 

「DEAD WARRIOR4」のゲームテーマを引用した、友人の傷ついた心にどこまでも寄り添う最高のスピーチです。

 

高校時代と変わらない陣川さんのやさしさに触れた鴫野は「相変わらずだな」と洩らし、笑顔になります。その傍らに、婚約者の亜里沙が現れて。

 

事件の影響もあり、派手な式は出来そうもありませんが、鴫野にとっては忘れられない素敵な思い出になったことでしょう。

陣川警部補が【相棒】に欠かせない理由

【相棒】には、山本むつみさんの脚本による「平成の毒婦」こと遠峰小夜子や、徳永富彦さんによる「右京さんの倫敦時代の相棒」こと南井十など、ひとりの脚本家が造詣する名物キャラクターが数多くいます。

 

しかし、陣川さんはその逆。2004年に初登場した「第三の男」を砂本量さんが手がけて以来、戸田山雅司さん、櫻井武晴さん、太田愛さん、守口悠介さん、徳永富彦さん、高橋悠也さん、金井寛さん、真野勝成さん、根本ノンジさんと、陣川さんは歴代のメイン脚本家陣に語られてきました。

 

そして今回、現在のメイン脚本家のひとりである神森万里江さんによって、陣川さんがまたひとつ成長しました。

 

陣川さんが冒頭で唱えた3本のバラの話。

 

バランスがとれていて、それでいてバラエティーに富んでいて、でもバラバラであることが咲かせ続けることの秘訣…

 

それって【相棒】における陣川さん回そのものじゃん!

 

キャラクターとストーリーのバランスがとれていて、でもエピソードごとに内容がバラエティーに富んでいて、脚本家によって語られ方がバラバラでもあるのが面白い…

 

陣川さんが【相棒】シリーズに欠かせない理由が、よーくわかる作品となりました。

【相棒20第3話「復活~最終決戦」ネタバレ&感想】よみがえる「死者」たち。小野田官房長もまさかの復活??

2000年にスタートしたドラマ【相棒】の新シーズン【相棒20】が、2021年秋から放送されています。

 

水谷豊さん扮する杉下右京と反町隆史さんが演じる冠城亘(かぶらぎわたる)が、警視庁のたった2人の特命係として事件を解決に導きます。

 

2021年10月27日放送の【相棒20第3話「復活〜最終決戦」】はどんな話なのでしょうか。

 

今回のゲスト登場人物たちは過去回でどう動いたのか、超ざっくり紹介し、本編視聴後に第3話のストーリー(ネタバレ)と感想などを記述します。

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(この記事の画像はテレビ朝日から引用)

超ざっくり!【相棒20】第2話につながる過去のストーリーはどんな流れだった?

【相棒20第1話~第3話「復活」】では、内閣官房長官・鶴田翁助(つるた・おうすけ)と特命係の対決が過熱します。

 

鶴田、内閣情報調査室の栗橋東一郎や柾庸子、IT長者の加西周明、元弁護士の中郷都々子らが、これまでどのようにストーリーに絡んできたのか、振り返ります。

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【相棒18最終話「ディープフェイク・エクスペリメント」】

2020年3月放送

鶴田翁助(つるたおうすけ=相島一之さん)、栗橋東一郎(くりはしとういちろう=陰山泰さん)、柾庸子(まさきようこ=遠山景織子さん)が初登場

元東亜ダイナミクス社長の桂川宗佐が、自宅寝室で殺害される事件が発生。

 

殺害犯である研究者・鬼石美奈代のディープフェイク技術を利用していた内閣官房長官の鶴田や内閣情報調査室の栗橋、庸子らは美奈代が犯人であると知られると具合が悪いため、美奈代を遠い場所にかくまっていました。

 

美奈代は逮捕されたものの、庸子は事情聴取されただけで釈放されます。内村刑事部長いわく「触らぬ神に祟りなし」。右京さんの追及は、悪の本丸までは届きませんでした。

【相棒19第1話〜第2話「プレゼンス」】

2020年10月放送

加西周明(かさいしゅうめい=石丸幹二さん)が初登場

白バイ隊員だった出雲麗音(いずもれおん=篠原ゆき子さん)を朱音静が襲撃した事件や、万津幸矢がビルの壁をよじ登って転落死した事件を主導したのは、IT長者でVR国家「ネオ・ジパング」のボスである加西周明でした。

 

加西は連行されるも、衣笠藤治(きぬがさとうじ=杉本哲太さん)副総監の鶴の一声によって、逮捕されずに釈放されます。

 

甲斐峯秋(かいみねあき=石坂浩二さん)によると、かなり上の人間の意向が働いたとか。警視総監や警察庁長官より、もっと上の…

【相棒19第19話〜最終話「暗殺者への招待」】

2021年3月放送

中郷都々子(なかざとつづこ=織田梨沙さん)が初登場

衣笠副総監に加西不逮捕の圧力をかけたのは鶴田でした。(「鶴の一声」は「鶴田の一声」のこと??)

 

弁護士の中郷都々子は事務所の代表である三門安吾の指示を受け、加西周明が罪を逃れるために用意した大金の横領に関与。しかし特命係に悪事を暴かれて、都々子は事務所に辞表を出します。

 

その後、加西は内調の柾庸子が雇った殺し屋に殺害されてしまいました。鶴田が加西逮捕を妨害したのは、加西を守るためではなく、抹殺するためです。

 

加西とつながりのある鶴田にとって、自分の思いつきで何でも言ってのける加西は、すでにコントロールのできない邪魔な存在になっていたようです。

 

鶴田の愛人とみられる庸子は、今回の件は自分の一存だと供述します。

 

鶴田の部屋で亘は「我々はケンカを売りに来ているので」と鶴田を挑発し、右京さんも「我々は必ずあなたの悪事を暴いてみせます」と宣戦布告。

 

鶴田は栗橋に「杉下右京、冠城亘。消し去りたいねえ、あの二人。警視庁からじゃないよ」と電話で伝えます。

【相棒20第1話「復活〜口封じの死」】

2021年10月13日放送

「こてまり」を訪れた鶴田が、柾庸子が拘置所で自殺したことを右京と亘に告げます。

 

庸子の死に納得できないのは、幼なじみの都々子。都々子は父・三門安吾の事務所から加西周明の「切り札」である鍵を盗み出し、特命係に調査を依頼します。しかし鶴田らのディープフェイク技術による策略で鍵の窃盗犯として逮捕されてしまうのは亘。鍵は警視庁から鶴田に渡ります。

 

栗橋がスポーツジムで汗を流している謎の女に電話で「決行してくれ。君のタイミングでかまわない」と伝え、女は満面の笑みを浮かべます。

 

亘は拘置所の独房で仮病を使って大騒ぎし、夜中に仮病を使って東京拘置所医務部病院に運ばれ、医務室から脱走するも、すぐに捕まってしまいます。連行される際に、入院患者の青年が「いい加減にしろよ。先週の夜に続いて今夜もか。まーた自殺騒ぎかよ。うっせーわ!」と叫ぶのを聞きました。

 

先週の夜…柾庸子が自殺した日…庸子は病院に運ばれていた…遺体の写真を見る限り、庸子は蘇生の見込みがなかったと思われる…そんな状況で看護師があわただしく走ったりしない…走るという行為は自殺を図ったがまだ息がある段階で運び込まれてこそだ…命をつなぎとめるのに一刻を争うから騒ぎにもなる…そうなると、遺体の写真とは矛盾が生じる…

 

右京と亘が都々子のマンションに行くと、都々子は自室のベッドで、手にナイフを持ち、手首から血を流して、息絶えていた!

【相棒20第2話「復活〜死者の反撃」】

2021年10月20日放送

右京たちが到達した加西周明の持ちビルの一室に、PCやVRゴーグルが並ぶ部屋があり、右京がPCを操作すると「加西周明の館」という画面が開きます。

 

また、そのビルで男を若い確保。庸子の死の際に「法務省のサノ」を名乗って庸子の叔父である七平や担当検事の階真(きざはしまこと)に接触したという鷲見三乘(すみみのる)という人物でした。26歳の元刑事で、現在は内調からの仕事の依頼を受けていたと思われます。

 

その頃、マリーナでスポーツジムにいた謎の女の死体が発見されました。遺体の身元確認に呼ばれたのは栗橋。右京が遺体を確認すると、女は加西周明を殺した「太った殺し屋の女」で、整形と肉体改造で姿を変えていました。

 

鶴田と衣笠副総監は社美彌子と交渉し、右京の鍵泥棒の件で甲斐峯秋を破滅に追いこまない条件として、鷲見の返却を要求、鷲見は釈放されます。

 

鷲見の後ろには栗橋、そして鶴田がいる…。


青木が、加西周明の持ちビルにあったパソコンにバックドアを仕掛けていました。特命係の部屋でVRゴーグルを装着しヴァーチャル世界の「加西周明の館」に忍者姿で入っていく右京、亘、青木!

 

さあ、どうなる、最終決戦!

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第3話「復活~最終決戦」はどんな話?

【相棒20第3話「復活~最終決戦」】

2021年10月27日放送

どんな話?

【相棒20】公式サイト版より引用

右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、青木(浅利陽介)をともなって、加西周明(石丸幹二)が生前、準備していた仮想現実の世界に足を踏み入れる。そこに、官房長官・鶴田翁助(相島一之)の“弱点”が隠されていると踏んだ右京たちは、加西のアバターに案内されるまま歩を進めるが…。

いっぽう、元内閣情報官の栗橋(陰山泰)は、柾庸子(遠山景織子)の一件をめぐって捜査一課から厳しい追及を受けていたが、関与が疑われる鶴田をかばってか、完全黙秘を貫いていた。

同じ頃、警視庁では、異例の事態が起きていた。広報課長を務める美彌子(仲間由紀恵)に辞令が下り、思わぬポストに異動することになったのだ。背後には鶴田の手引きや美彌子の思惑があるとみられるが、真相は不明。

そんな中、鶴田は加西が握っていたと思われる、自身の“弱点”を潰しに掛かるが…!?

【テレ朝ポスト】版より引用

特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は、サイバーセキュリティ対策本部の青木年男(浅利陽介)がひそかに仕込んでおいた入り口から、IT長者・加西周明(石丸幹二)が遺したVR(バーチャルリアリティー)空間に入り込むことに成功。

“加西周明の館”と名づけられたそのVR空間にはナビゲーター役の執事がおり、アバターとなった3人は案内に従って歩を進めていく。ところが、突如、視界が暗転! 3人は、加西が張りめぐらせていた罠に突き落とされてしまい…!?

その頃、捜査一課の取り調べを受けていた内閣情報官・栗橋東一郎(陰山泰)は、柾庸子(遠山景織子)の自殺に関することのみ、頑なに黙秘を貫いていた。

関与していたことは確実であるにもかかわらず固く口を閉ざす彼の様子に、右京は庸子の一件こそ、すべての“黒幕”内閣官房長官・鶴田翁助(相島一之)のウィークポイントに違いないと確信する。

しかし、栗橋を切り捨てた鶴田は、彼にかわる内閣情報官のポストに驚愕の人事を発表! 自らの権力をこれみよがしに誇示する。

その矢先、ついに“加西周明の館”の存在にたどり着いた鶴田が、VR空間に出現する! だが、鶴田はそこで予想だにしない光景に遭遇することに――!?

はたして特命係は“権力の権化”鶴田翁助を追い詰めることができるのか!?

主な出演者とスタッフ

出演者

杉下右京(すぎしたうきょう)=水谷豊
冠城亘(かぶらぎわたる)=反町隆史

小出茉梨(こいでまり)=森口瑤子

伊丹憲一(いたみけんいち)=川原和久
芹沢慶二(せりざわけいじ)=山中崇史
角田六郎(かくたろくろう)=山西惇
青木年男(あおきとしお)=浅利陽介

出雲麗音(いずもれおん)=篠原ゆき子

大河内春樹(おおこうちはるき)=神保悟志

益子桑栄(ましこそうえい)=田中隆三

内村莞爾(うちむらかんじ)=片桐竜次

中園照生(なかぞのてるお)=小野了

衣笠藤治(きぬがさとうじ)=杉本哲太

社美彌子(やしろみやこ)=仲間由紀恵

甲斐峯秋(かいみねあき)=石坂浩二

鶴田翁助(つるたおうすけ)=相島一之

中郷都々子(なかざとつづこ)=織田梨沙

鷲見三乘(すみみのる)=味方良介

栗橋東一郎(くりはしとういちろう)=陰山泰

階真(きざはしまこと)=辻本祐樹

三門安吾(みかどあんご)=山田明郷

柾庸子(まさきようこ)=遠山景織子

加西周明(かさいしゅうめい)=石丸幹二

[役名なし]=岸部一徳

ほか

スタッフ

脚本=輿水泰弘

監督=橋本一

音楽=池頼広

エグゼクティブプロデューサー=桑田潔

チーフプロデューサー=佐藤涼一

プロデューサー=髙野渉、西平敦郎、土田真通
ほか

その後どうなった?(ネタバレ)

加西周明の幽霊ビルでVRゴーグルを装着した鶴田と三門安吾はVR世界にある「加西周明の館」を訪れる。

加西周明の館に生きていた柾庸子が現れ告発

館のダイニングルームで鶴田たちの前に現れたのは、黒いドレス姿の柾庸子と、殺害された時の服装の加西。さらに右京と亘も階段をおりてくる。

 

加西は小野田官房長が作成したプログラムの名前まで持ち出して鶴田の悪行をあぶりだし始める…加西として語る人物の正体は右京が変身したもので、右京に化けていたのは青木。亘と庸子は本物。

 

庸子は死んでいなかったのだ。

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庸子に加西殺しの命令をしたのは栗橋。栗橋に命令したのは鶴田で、理由は「光ファイバーケーブルに盗聴器を仕掛けて国民の会話を監視していることを加西に知られたから」。

 

柾庸子の自殺はフェイクで、殺人の罪を被るのと引き換えに命を保証されていた。

 

庸子は内調が仕込んだ刑務官に飲まされたカプセルにより仮死状態にされ、拘置所病院に移送された後、独居房と同じような部屋で自殺遺体の真似ごとをして写真を撮り、遺体安置所に移動して、遺体として叔父の七平と面会した。その後、ホテルに移動して新しい戸籍謄本とパスポートを受け取り、パリに高飛びしていた。

 

鶴田と三門は「加西周明の館」を消滅させ、青木が保存していたバックアップもハッキングして破壊した。

中郷都々子の部屋が冷やされていた理由

内閣官房長官の執務室で真相の続きを鶴田につきつける右京たち。中郷都々子殺しの犯人は殺し屋だが、都々子の部屋に冷房を入れたのは殺し屋ではなく庸子だった。

 

庸子はパリに出発する前に、姉妹のような仲であった都々子を一目見たいとマンションを訪れたが、入口で殺し屋とすれ違った。庸子が合鍵を使って部屋に入ると都々子はすでに死んでいた。

 

死人であるはずの自分が通報できるわけもなく、庸子は都々子の遺体が傷むのを少しでも遅らせ、早く発見されるために、庸子が冷房をつけ、玄関の鍵を開けたままにして去り、マリーナで殺し屋を殺害してから旅立った。

 

右京たちは庸子の担当検事である階真にかけ合って、庸子の減刑に尽力するかわりに鶴田を起訴できる証言と証拠を揃える約束をし、庸子の証言を引き出していた。

社美彌子の内調トップ就任、そして小野田官房長が…??

証拠は…加西周明が用意していた館の見取り図だった。3階建ての見取り図の各フロアの図、合計3枚を重ね合わせると、二次元コードとなり、コードを読み取ると、鶴田が盗聴を認めている録音が隠されていたのだ。

 

翌朝、鶴田は出頭。事件は解決に向かう。

 

右京は甲斐峯秋や亘と、鑓蔵兵衛の計らいで社美彌子が内調のトップに就任したことなどを話しながら歩いていると、小野田官房長らしき人物とすれ違う(=岸部一徳さんが歩いていた)。

 

右京が思わず「官房長」と声をかけるが、男は立ち止まることなく、通過するが、やがて振り返り、右京の背中を見つめた。

感想など

ディープフェイク映像をめぐる事件に端を発した「特命係vs鶴田翁助」の流れを振り返ると、ストーリーの本当の主人公、は内調職員だった柾庸子のような気がするのです。

犯人たちのさまざまな動機

【相棒18】の最終回(2020年3月)で初登場した鶴田翁助内閣官房長官と、内閣情報調査室の面々。本丸の鶴田に捜査の手が及ばないまま【相棒18】は終了し、新シリーズ【相棒19】の初回と第2話(2020年10月)では、仮想世界の国家を持つIT長者の加西周明が登場。加西も裁かれることはありませんでした。

 

そして【相棒19】第19話と最終回(2021年3月)で鶴田と加西のつながりが明らかになり、加西が殺害され、いよいよ【相棒20】の第1話から第3話(2021年10月)に至る流れで鶴田が逮捕される結末を迎えました。

 

ディープフェイク技術やバーチャルリアリティなど、複雑化する現代社会の状況を【相棒】が切り取った旬な題材を扱ったストーリーですが、事件を起こす犯人たちの動機は、普遍的なものでした。

 

ディープフェイク技術を使ってカレシを殺害した天才科学者の動機は嫉妬と虚栄心。

 

内閣官房長官である鶴田の一連の悪行は、技術の政治への悪用狙いとその隠ぺい工作。

 

内閣情報調査室のメンバーは、上司の命令による忠実な職務遂行。

 

IT長者の加西周明は道楽のため。

 

加西に「6億円あげるから人を撃って」と言われて実行した朱音静は、お金が欲しいから。

 

静の計画に協力した万津蒔子の動機は、大切な人(=静)を守るため。

 

ストーリーの軸は「特命係vs鶴田」「特命係vs加西」「鶴田vs加西」の三つ巴の対決でしたが、多彩な登場人物一人ひとりの心情が丁寧に描写された、濃密な作品としてラストまで見応えがありました。

柾庸子に共感せずにいられない

相島一之さんと石丸幹二さんの豪快でオリジナリティーあふれる演技に圧倒されっぱなしではありましたが、全8話にわたる長編ストーリーをじっくり振り返ると、遠山景織子さんが演じた柾庸子の心情を想像して、共感せずにはいられなくなります。

 

柾庸子。内閣情報調査室カウンターインテリジェンスセンター所属。仲間由紀恵さんが演じる社美彌子の後輩にあたります。

 

初登場の【相棒18最終回「ディープフェイク・エクスペリメント」】では、男の殺害現場にあったパソコンから発見された男との「ベッド動画」に映る女性として、疑いの目を向けられました。

 

この動画は「ディープフェイク」で、実際に男とベッドで抱き合っていたのは犯人の女です。女は、男が庸子に興味を持ったことに嫉妬して、男と庸子が絡むディープフェイク動画を作成していました。

 

しかし、庸子は犯人の女を、内調上司の命令により匿わなければならない立場でした。

 

自分の偽ベッド映像を作成した科学者を殺人の罪から守るために匿い、警察の問いに対してはベッド映像の人物は自分だと証言しなければいけないという、やるせない役割です。

 

容疑者にされたことと、そのようなポルノ映像を捜査員などの他人に見られていることで、二重の恐怖を感じたことでしょう。もしネットに動画を拡散されてしまったら、さらに心に傷を負うことになります。

 

それでも庸子は職務を守り、鶴田や栗橋の命令に従い事件を収束に向かわせました。

 

鶴田との間には、どうやら愛人関係も結んでいたらしい庸子は、その後、上司の命令により加西殺害へと動きます。

 

加西殺害計画を実行した庸子は、鶴田の計らいで、外国へ高飛びすることになっていました。

 

内調が仕込んだ刑務官に飲まされたカプセルで仮死状態になった庸子は、自殺体の真似ごとをして独居房と同じような部屋で写真を撮り、遺体安置所では遺体として叔父の七平と面会しました。

 

その後、新しい戸籍謄本とパスポートを渡されて、パリに向かいます。

 

しかし…

大切な人への素直な気持ちに抗えず

幼少の頃から姉妹のような関係であった中郷都々子のことが気になっていました。会えなくてもいいから、遠くから一目見ておきたい。

 

庸子が都々子の自宅があるマンションに行くと、玄関付近で殺し屋の女とすれ違いました。嫌な予感がします。

 

庸子が部屋にかけつけると、都々子はすでに死んでいました。すぐに通報したいけれど、今の自分にはできるわけがありません。

 

哀しみにまみれながら、庸子は遺体が少しでも傷まないように冷房をかけ、玄関の鍵を開けたまま部屋を去りました。

 

冷房や鍵については、鶴田に対する小さな造反です。自分は鶴田の道具ではなく、都々子を愛する心を持ったひとりの人間なのだ、という気持ちが上回ったのでしょう。

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マリーナで殺し屋を殺害した柾庸子。その哀しみは、特命係の2人に伝わったようです。

 

右京さんと亘は、庸子の担当検事である階真に庸子の減刑起訴を嘆願して、代わりに鶴田を起訴する証言と証拠を確実につかむ約束をしました。

 

初登場時から笑顔のない、血のかよっていないような白い表情が特徴的だった柾庸子の内心を辿っていくと、涙なくして語れません。

復活して存在感を示した加西周明

【相棒20】の第1話から第3話までは「復活」というタイトルがつきました。第1話が「復活〜口封じの死」で第2話が「復活〜死者の反撃」、第3話が「復活〜最終決戦」と続きました。

 

「復活」とは誰のことを指しているのか、最初は想像がついていなかったのですが、前シーズンで殺害された加西周明がVR世界でよみがえったことが、復活にあたるというところでしょうか。

 

死んだ人間が現実に生き返ることはないけれど、VRの世界でなら復活することができるのか…結局、よみがえったと思われた加西の正体は姿を変えていた右京さんでしたが、「加西周明の館」に残っていた証拠が鶴田検挙につながり、特命係と鶴田の戦いに終止符を打ったわけで、ということは、加西の復活というよりは、加西の「存在」「存在感」が復活したと考えるのが妥当でしょうか。

 

加西が初登場した【相棒19第1話】のタイトルは「プレゼンス」。意味は「存在、存在感」。見事な伏線回収です。

そして、とんでもない「復活」が起きた?!

【相棒20第1話】では、鶴田が尊敬する元内閣官房長官の朱雀武比古が【相棒3】以来17年ぶりに登場しました。これも「復活」。

 

朱雀は小野田官房長が亡くなっていることを知らず、右京さんに聞かされて驚いていました。また、朱雀が鶴田に電話をかけると、鶴田は「小野田官房長は自分の理想とする人物」であると語るなど、しきりと小野田官房長について触れられていました。

 

決着編となった【相棒20第3話】でも、小野田官房長が【相棒12最終回】でやってのけた「証人保護プログラム」の話が出たり、鶴田を糾弾する右京さんが頬をプルプルさせて「あなたは小野田公顕の足元にも及びませんよ。思い上がるのもほどほどに。あなたが小野田公顕を語るなど…虫唾が走る」と語るなどの場面がありました。

 

そして、最後に、公園で歩きながら甲斐峯秋や亘と事件の顛末を振り返る右京さんが、まさかの小野田官房長とすれ違うシーン!

 

その直前のスタッフロールで出演者に、役名なしで「岸部一徳」と名前が出ていたのが気になってはいたのですが…

 

まさか、まさかの官房長「復活」??

 

それとも、お遊びの視聴者プレゼント?

 

どうあがいても【劇場版2】で小野田官房長が息を引き取ったことはくつがえらないので、官房長の復活はありえません。いや、ありえるのが【相棒】という「フィクションのドラマ」の世界観なのか?

効果的に挿入された鶴田の「半・夢オチ」シーン

エンドロールのさらに直前。鶴田が出頭する前に、うとうとしていたのか、眠りから覚めるシーンが挿入されています。部下が金庫に機密費らしきお金を補充する姿を見つめる鶴田。

 

右京さんたちに真実を暴かれたのは夢だったのか…それとも、もっと前から夢が続いていたのか…この「半・夢オチ」が「なんでもあり」として機能して、小野田官房長らしき人物の登場も「あり」にしてしまう力が働いていました。

 

あれは「小野田官房長によく似た人物」だったのか…。だとしたら、どうしてその人物は、すれ違ったあとにわざわざ振り返って右京さんを見つめたのか…

 

ああ、【相棒】おもしろすぎる!

 

そして、柾庸子が罪を償ったあとに、善良な人間として「復活」してくれるかことを願ってやみません。

声に出して読みたい右京さんの名言・名セリフ

真実を明らかにした後、亡き小野田公顕(おのだこうけん)を手本にしているという鶴田内閣官房長官に。

「ああ、大事なことを言い忘れていました。手本にしているつもりかもしれませんが、あなたは小野田公顕の足元にも及びませんよ。思い上がるのもほどほどに。あなたが小野田公顕を語るなど…虫唾が走る」(虫唾=むしず)

【相棒20第2話「復活…」ネタバレ&感想】殺されたIT長者がVRの世界でトリックスターとなって復活か??

2000年にスタートしたドラマ【相棒】の新シーズン【相棒20】が、2021年秋から放送されています。

 

水谷豊さん扮する杉下右京と反町隆史さんが演じる冠城亘(かぶらぎわたる)が、警視庁のたった2人の特命係として事件を解決に導きます。

 

2021年10月20日放送の【相棒20第2話「復活〜死者の反撃」】はどんな話なのでしょうか。

 

今回のゲスト登場人物たちは過去回でどう動いたのか、超ざっくり紹介し、本編視聴後に第2話のストーリー(ネタバレ)と感想などを記述します。

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(この記事の画像はテレビ朝日から引用)

超ざっくり!【相棒20】第2話につながる過去のストーリーはどんな流れだった?

【相棒20第2話「復活」】では、内閣官房長官・鶴田翁助(つるた・おうすけ)と特命係の対決が過熱します。

 

鶴田、内閣情報調査室の栗橋東一郎や柾庸子、IT長者の加西周明、元弁護士の中郷都々子らが、これまでどのようにストーリーに絡んできたのか、振り返ります。

【相棒18最終話「ディープフェイク・エクスペリメント」】

2020年3月放送

鶴田翁助(つるたおうすけ=相島一之さん)、栗橋東一郎(くりはしとういちろう=陰山泰さん)、柾庸子(まさきようこ=遠山景織子さん)が初登場

元東亜ダイナミクス社長の桂川宗佐が、自宅寝室で殺害される事件が発生。

 

殺害犯である研究者・鬼石美奈代のディープフェイク技術を利用していた内閣官房長官の鶴田や内閣情報調査室の栗橋、庸子らは美奈代が犯人であると知られると具合が悪いため、美奈代を遠い場所にかくまっていました。

 

美奈代は逮捕されたものの、庸子は事情聴取されただけで釈放されます。内村刑事部長いわく「触らぬ神に祟りなし」。右京さんの追及は、悪の本丸までは届きませんでした。

【相棒19第1話〜第2話「プレゼンス」】

2020年10月放送

加西周明(かさいしゅうめい=石丸幹二さん)が初登場

白バイ隊員だった出雲麗音(いずもれおん=篠原ゆき子さん)を朱音静が襲撃した事件や、万津幸矢がビルの壁をよじ登って転落死した事件を主導したのは、IT長者でVR国家「ネオ・ジパング」のボスである加西周明でした。

 

加西は連行されるも、衣笠藤治(きぬがさとうじ=杉本哲太さん)副総監の鶴の一声によって、逮捕されずに釈放されます。

 

甲斐峯秋(かいみねあき=石坂浩二さん)によると、かなり上の人間の意向が働いたとか。警視総監や警察庁長官より、もっと上の…

【相棒19第19話〜最終話「暗殺者への招待」】

2021年3月放送

中郷都々子(なかざとつづこ=織田梨沙さん)が初登場

衣笠副総監に加西不逮捕の圧力をかけたのは鶴田でした。

 

弁護士の中郷都々子は事務所の代表である三門安吾の指示を受け、加西周明が罪を逃れるために用意した大金の横領に関与。しかし特命係に悪事を暴かれて、都々子は事務所に辞表を出します。

 

その後、加西は内調の柾庸子が雇った殺し屋に殺害されてしまいました。鶴田が加西逮捕を妨害したのは、加西を守るためではなく、抹殺するためです。

 

加西とつながりのある鶴田にとって、自分の思いつきで何でも言ってのける加西は、すでにコントロールのできない邪魔な存在になっていたようです。

 

鶴田の愛人とみられる庸子は、今回の件は自分の一存だと供述します。

 

鶴田の部屋で亘は「我々はケンカを売りに来ているので」と鶴田を挑発し、右京さんも「我々は必ずあなたの悪事を暴いてみせます」と宣戦布告。

 

鶴田は栗橋に「杉下右京、冠城亘。消し去りたいねえ、あの二人。警視庁からじゃないよ」と電話で伝えます。

【相棒20第1話「復活〜口封じの死」】

2021年10月13日放送

「こてまり」を訪れた鶴田が、柾庸子が拘置所で自殺したことを右京と亘に告げます。

 

庸子の死に納得できないのは、幼なじみの都々子。都々子は父・三門安吾の事務所から加西周明の「切り札」である鍵を盗み出し、特命係に調査を依頼します。しかし鶴田らのディープフェイク技術による策略で鍵の窃盗犯として逮捕されてしまうのは亘。鍵は警視庁から鶴田に渡ります。

 

栗橋がスポーツジムで汗を流している謎の女に電話で「決行してくれ。君のタイミングでかまわない」と伝え、女は満面の笑みを浮かべます。

 

亘は拘置所の独房で仮病を使って大騒ぎし、夜中に仮病を使って東京拘置所医務部病院に運ばれ、医務室から脱走するも、すぐに捕まってしまいます。連行される際に、入院患者の青年が「いい加減にしろよ。先週の夜に続いて今夜もか。まーた自殺騒ぎかよ。うっせーわ!」と叫ぶのを聞きました。

 

先週の夜…柾庸子が自殺した日…庸子は病院に運ばれていた…遺体の写真を見る限り、庸子は蘇生の見込みがなかったと思われる…そんな状況で看護師があわただしく走ったりしない…走るという行為は自殺を図ったがまだ息がある段階で運び込まれてこそだ…命をつなぎとめるのに一刻を争うから騒ぎにもなる…そうなると、遺体の写真とは矛盾が生じる…

 

右京と亘が都々子のマンションに行くと、都々子は自室のベッドで、手にナイフを持ち、手首から血を流して、息絶えていた!

第1話「復活~死者の反撃」はどんな話?

【相棒20第1話「復活~死者の反撃」】

2021年10月20日放送

どんな話?

【相棒20】公式サイト版より引用

右京(水谷豊)と亘(反町隆史)が、自室で死んでいる中郷都々子(織田梨沙)を発見した。一見、自殺に見えるが、玄関は施錠されておらず、部屋が冷房で極端に冷やされているという、不可解な点もあった。

それでも捜査一課は、都々子の死を、自殺として処理。納得いかない右京と亘は、捜査を続行しようとするが、亘が罪をなすりつけられた“鍵泥棒”の一件が尾を引く。形式上、特命係を統括している峯秋(石坂浩二)が、マスコミに糺弾されるなど、外部から圧力が掛かったのだ。

背後には、官房長官・鶴田翁助(相島一之)の暗躍があると思われるが、尻尾を掴むことはできない。そればかりか、これまでの経緯から、亘が免職の危機にさらされる。

しかし、ひるまない右京は、加西周明(石丸幹二)が遺した“鍵”に鶴田の弱点が隠されていて、それこそが一連の出来事の真相解明の足掛かりになると推理。右京と亘は、青木(浅利陽介)をともない、鍵が示す“ある場所”を訪れるが…!?

【テレ朝POST】版より引用

特命係の杉下右京(水谷豊)、冠城亘(反町隆史)が見つけた、元弁護士・中郷都々子(織田梨沙)の遺体――。ためらい傷も残されていたことから検視の結果、自殺として処理されることとなった。

右京たちはもちろん他殺を確信していたが、なぜ犯人は自殺に見せかけようとしたにもかかわらず、玄関に施錠もせず、季節外れの冷房という見え透いた偽装工作をしたのか。ちぐはぐで説明がつかない状況が重なっていることも事実だった。

その矢先、センセーショナルな記事が新聞の一面を飾った。甲斐峯秋(石坂浩二)が検察に圧力をかけて部下である亘を不起訴処分にしたというでたらめな内容だったが、週刊誌の報道も追随し、甲斐は集中砲火を浴びることに。

亘を窃盗犯に仕立てた挙句、突然、不起訴にして釈放したのは、このためだったのか。右京は、すべてが内閣官房長官・鶴田翁助(相島一之)が仕掛けた策略だったことを直感。甲斐をターゲットに据えたのも、特命係へのけん制が目的だと見抜く。

そんな中、都々子の遺体から筋弛緩作用のある毒物が検出され、一転、他殺の疑いが色濃くなった。鶴田のやり口に憤る右京と亘は、加西周明(石丸幹二)が遺した”鍵”に注目。

それは都々子が言っていたとおり鶴田の“弱点”なのか――特命係は反撃を開始するべく鍵の謎を探ろうとするが、またしても新たな遺体が見つかる事態が発生。事件はさらに深い闇に包まれていく…。

主な出演者とスタッフ

出演者

杉下右京(すぎしたうきょう)=水谷豊
冠城亘(かぶらぎわたる)=反町隆史

小出茉梨(こいでまり)=森口瑤子

伊丹憲一(いたみけんいち)=川原和久
芹沢慶二(せりざわけいじ)=山中崇史
角田六郎(かくたろくろう)=山西惇
青木年男(あおきとしお)=浅利陽介

出雲麗音(いずもれおん)=篠原ゆき子

大河内春樹(おおこうちはるき)=神保悟志

益子桑栄(ましこそうえい)=田中隆三

内村莞爾(うちむらかんじ)=片桐竜次

中園照生(なかぞのてるお)=小野了

衣笠藤治(きぬがさとうじ)=杉本哲太

社美彌子(やしろみやこ)=仲間由紀恵

甲斐峯秋(かいみねあき)=石坂浩二

鶴田翁助(つるたおうすけ)=相島一之

中郷都々子(なかざとつづこ)=織田梨沙

鷲見三乘(すみみのる)=味方良介

栗橋東一郎(くりはしとういちろう)=陰山泰

階真(きざはしまこと)=辻本祐樹

柾七平(まさきしちへい)=長江英和

糸以蔵(いといぞう)=佐野光洋

加西周明(かさいしゅうめい)=石丸幹二

ほか

スタッフ

脚本=輿水泰弘

監督=橋本一

音楽=池頼広

エグゼクティブプロデューサー=桑田潔

チーフプロデューサー=佐藤涼一

プロデューサー=髙野渉、西平敦郎、土田真通
ほか

その後どうなった?(ネタバレ?)

柾庸子の叔父である柾七平によると、庸子の遺体とは拘置所ではなく、病院の霊安室のような場所で面会したという。案内してくれた法務省の職員は若い男で「サノ」と名乗っていたらしい。

右京と亘は「サノ」について、内調が仕込んだ人物と見る。庸子の件も都々子の件も内調が暗躍していて、その背後には鶴田がいると。

甲斐峯秋が激怒「鶴田を叩き潰せ!」

甲斐峯秋が「こてまり」を訪れ、右京たちに「甲斐峯秋 愛人芸者に店を持たせてご満悦人生」と題された《週刊トピック》記事の下刷りを見せる。まったくのデタラメ記事だが、ところどころ事実が混ざっていることで、読者はすべてが真実だと思いがち。物件を紹介したのは峯明だが資金調達はコテマリがしたもの。しかし週刊誌にかかると、開店資金も物件を紹介した峯明が調達したことになる…

 

コテマリは資金援助については否定したが、峯明との愛人関係については否定しなかったという。峯明が問いただすとコテマリは「甲斐峯秋さんの愛人呼ばわりされるなんて光栄です」という表現で否定はしたらしい。

 

帝都新聞、週刊自由画報、そして週刊トピックなどによる集中砲火に、さすがの峯明も弱っている様子。だからといって鶴田がかけるプレッシャーに屈さないのが峯明。「叩き潰せ。鶴田翁助を。完膚なきまでにだ!」と、いつになく感情的な口調で右京たちに命令する。

鍵は加西周明のビルの物だった

右京は、鍵が鶴田の元へ渡る前に、別の鍵とすり替えていた。鍵は右京が持っていた。

 

青木の調べによると、鍵は足立区にある加西周明が買い占めた幽霊ビルの物だった。

 

そこには、PCやVRゴーグルが並ぶ部屋があり、右京がPCを操作すると「加西周明の館」という画面が開く。部屋の外に謎の若い男が隠れていることに右京が気づき、確保する。

殺し屋の死と栗橋の連行

その頃、マリーナでスポーツジムにいた謎の女の死体が発見された。遺体の身元確認に呼ばれたのは栗橋。

 

右京が遺体を確認すると、遺体は都々子と会ったカラオケルームで外から右京たちを覗いていた女だった。

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女の遺留品に「献立計画」と表紙に書かれたメモ帳があり、豪華な食事の献立が綿密に書き込まれていた。また、遺留品の中に鍵があり、都々子の家の物だった。

 

加西のビルに隠れていた男は、柾七平に「法務省のサノ」と名乗った人物だった。男のスマホに栗橋からの着信がきたことに亘が気づく。

 

リークを受けた内村部長は捜査一課に栗橋連行を命じる。

あの女が整形と肉体改造で変身していた

取調室。伊丹刑事が押収物のスマホを掲示して、栗橋に謎の女との関係を聞いても栗橋は答えない。栗橋の家族の面倒は今後一生、鶴田が見てくれるようだ。余計な話はしない。

 

「女の身元は分からない。知る必要が無いからた。いわば消去装置」と淡々と語る栗橋。つまり殺し屋を雇っていたということ。

 

では、なぜ中郷都々子を消去したのか…亘は「鍵泥棒をした都々子が特命係と結託したのが、ある人物の逆鱗に触れたから」と推理するが、栗橋は否定。

 

正体は殺し屋と判明した身元不明の女は、加西周明も殺していた。献立計画表のスケジュールと、加西周明が出張料理人を雇っていた期間が一致するのだ。整形と肉体改造の結果、女は料理人の頃とは風貌がすっかり変わっていたのだ。加西周明の部屋から採取されていた指紋のひとつと女の指紋が一致した。同一人物で間違いない。

 

殺しのプロが、なぜ加西周明殺し、中郷都々子殺しをわざわざ教えてくれているみたいに、犯行の手がかりとなるような物を所持していたか。右京は「それこそは重大な疑惑を解きほぐすヒントになりました」と言う。中郷都々子の部屋が強烈に冷やされていたのは、犯行時刻をごまかすためでも、なんでもなかったと。

鶴田は鷲見三乘をどうしても奪還したかった?

幽霊ビルで確保した男の名は鷲見三乘(すみみのる)。26歳。元刑事で、目白北警察署の捜査二係にいた。一昨年、突如一身上の都合で退職し、調査会社を開設、その後は内調からの仕事の依頼を受けていたと思われる。

 

鶴田と衣笠副総監は社美彌子と交渉し、右京の鍵泥棒の件で甲斐峯秋を破滅に追いこまない条件として、鍵と鷲見の返却を要求。鷲見は釈放された。

 

鷲見は鶴田が何としてでも奪還しなければならなかったキーパーソンだ。柾庸子の件は自殺などではない。

 

右京と亘は柾庸子事件の担当検事である階真を訪問。階は庸子の病院移送許可を出していなかった。急を要する事態だったと後で担当者から謝罪があったという。担当者の名前は、法務省の「サノ」だった。

 

柾庸子の移送担当を名乗り、柾七平を病院の霊安室のような場所に案内した「サノ」は鷲見。鷲見の後ろには栗橋、そして鶴田がいる…。

いざ「加西周明の館」へ!

青木が、幽霊ビルのパソコンにバックドアを仕掛けていた。特命係でVRゴーグルを装着しヴァーチャル世界の「加西周明の館」に忍者姿で入っていく右京、亘、青木。

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「よく来たな。加西周明の館へ。この館は誰も拒まない」バーチャル世界に生きる加西周明は何を語るのか?

 

次回へ続く!

感想など

本編の最後で、右京さんと亘は青木を伴って、再び加西周明が作ったVR(バーチャル・リアリティ)の世界へ飛び込みました。

 

VRの世界を舞台にした壮大な話で幕を開けた加西周明がらみのストーリーが、再びVRでの展開へと収束していく意外な展開に、身震いします。次回が一連の事件の完全決着回となるのかどうか…がぜん楽しみになりました。

死んでも消えないプレゼンス(存在感)

内閣官房長官の鶴田翁助は、初登場した【相棒18最終話】において右京さんの追及の手を逃れたことで、その後の【相棒】で右京さんの強大な敵として立ちはだかることが予想されていました。

 

一方で【相棒19第1話】はIT長者・加西周明を建国の父とする仮想国家「ネオ・ジパング」にまつわる事件の話。鶴田や内調関係の人物は絡まない話なのかなと思っていたら、加西が「鶴の一声」によって逮捕を免れ、再び加西が登場した【相棒19第19話&最終話】で「鶴」の正体が鶴田であることが判明するという、波乱の流れ。

 

「ネオ・ジパング」を売却してさらに大金持ちになった加西ですが、鶴田にとってはコントロール不能の存在として邪魔になっていたようで、抹殺されてしまいました。

 

鶴田の悪者ぶりを際立たせるための助演的位置づけとして、役割を終了して退場なのかな…加西周明は存在感たっぷりのユニークなキャラクターなので、これで終わりでは残念だなと思っていましたが、そこはさすがの【相棒】。

 

どうやら、加西はVRの世界でもう一度、右京さんたちの前に現れるようです。現実の世界で死んでいるので、もう「加西周明は生きている」という表現はできないかもしれません。しかしVR世界に「いる」ことによって、その存在を他者に実感させることができる…これこそが【相棒19第1話&第2話】のタイトル「プレゼンス」(=存在感)のアンサーなのかもしれません。

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再びのVR世界で加西周明が復活か?

鶴田も加西も私利私欲で動く悪という点では同じですが、鶴田が「右京さんにコテンパンに叩きのめされてほしいタイプの悪」であるのに対して、加西は「どこか憎めないタイプの悪」です。

 

大金持ちで権力者で、自分が支配する仮想国家の住民に、道楽で現実世界での殺人を依頼するほどの、理解しようのない悪い奴なのに、石丸幹二さんが演じるつかみどころのない人物は奔放さの中に滑稽さが混じっていて、ついつい人物像に興味を惹かれてしまいます。

 

【相棒20第1話&第2話】のタイトルは「復活」。当初は誰の復活のことを指しているのかわからず、謎だったのですが、加西周明を指しての言葉だとすると、舞台は一気に加西を主役の座に戻します。やはり加西は一筋縄では終わらない…加西の復活が嬉しくて、次回が待ち遠しくなります。

 

特命係が鶴田を追い詰められない展開が続き、膠着状態となりそうなところでの、加西の復活。彼が用意していた「切り札」とは何なのでしょうか。

 

そして、悪の限りを尽くしてきた鶴田翁助に罪の裁きを受けさせることはできるのか…

鶴田憎しを印象づける甲斐峯秋の激情

その鶴田は、今回の【相棒20第2話「復活〜死者の反撃」】では、柾庸子の死に不審を抱き特命係に近づいた中郷都々子を殺し屋に殺害させ、その殺し屋をも死に至らしめています。

 

殺し屋の女と直接つながっていた栗橋東一郎は鶴田から妻と子の将来を約束されて大人しく出頭します。一方で、柾庸子殺害に関わっていると思われる鷲見三乘については、鶴田は甲斐峯秋を人質同然にして自分の元に奪回しました。

鷲見はなぜ助けられたのか。鶴田と鷲見の関係も気になります。

 

そして今回、鶴田に「人質」にされた甲斐峯秋。

 

鶴田が特命係をけん制するために、特命係を指揮統括する名目がある甲斐峯秋についての捏造記事を新聞や週刊誌にいろいろ書かせました。

 

前回のエピソードで出てきた週刊誌記事に躍っていたタイトルは「甲斐峯秋の不徳 子息ばかりか部下まで犯罪者」。今回は「甲斐峯秋 愛人芸者に店を持たせてご満悦人生」。こてまりさんにまで迷惑がかかってしまったと困り果てる峯明ですが、だからといって特命係に「引き下がれ」とは言いません。

 

「誰が止まれと言った。叩き潰せ。鶴田翁助を。完膚なきまでにだ!」と握りこぶしを振って強い口調で右京さんと亘に命じます。


峯明の普段は見せない感情の高ぶりが、視聴者の心にぐっと迫ります。峯明にずっと抱えさせてきた「我慢」が生きてくる場面。右京さん、鶴田を完膚なきまでに叩き潰してくれ!

いよいよ最終決戦か!?

さあ、特命係が果てしなく高い壁である「内閣官房長官」を倒すお膳立てはできあがりました。次回、加西周明がどんなトリックスターぶりを発揮するのか。右京さんはどうやって鶴田を追い詰めるのか。

 

次回予告では鶴田が「ぶち殺してやる。杉下右京!」と叫んでいます。

 

決戦の時が、近づいています。

【相棒20第1話「復活…」ネタバレ&感想】もし内閣官房長官がこんな奴だったらヤバすぎる…助けて右京さん!

2000年から放送されているドラマ【相棒】の新シーズン【相棒20】が、2021年秋から放送されています。

 

水谷豊さん扮する杉下右京と反町隆史さんが演じる冠城亘(かぶらぎわたる)が、警視庁のたった2人の特命係として事件を解決に導きます。

 

2021年10月13日放送の【相棒20第1話「復活~口封じの死」】はどんな話なのでしょうか。

 

今回のゲスト登場人物たちは過去回でどう動いたのか、超ざっくり紹介した後に、第1話のストーリー(ネタバレ)と感想などを記述します。

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(この記事の画像はテレビ朝日から引用)

超ざっくり!【相棒20】第1話につながる過去のストーリーはどんな流れだった?

【相棒20第1話「復活」】では、【相棒18最終回】で初登場となった内閣官房長官・鶴田翁助(つるた・おうすけ)と特命係の対決が過熱します。

 

鶴田、内閣情報調査室の栗橋東一郎や柾庸子、IT長者の加西周明、元弁護士の中郷都々子、そして17年ぶりに復活する元・内閣官房長官の朱雀武比古が、これまでどのようにストーリーに絡んできたのか、振り返ります。

【相棒3第1話〜第3話「双頭の悪魔」】

2004年10月放送

朱雀武比古(すざくたけひこ=本田博太郎さん)が初登場

首相補佐官である沢村久重の変死事件。密室状態の自宅で遺体が発見されたことから、自殺で処理されそうになります。

 

しかし殺人事件として捜査を開始した杉下右京によって、真犯人の一人が内閣官房長官の朱雀武比古であることが暴かれました。

 

【相棒20】公式サイトによる第1話のストーリー導入部紹介では、朱雀が長期刑を受け、3年前に仮出所したことか明らかにされています。

【相棒18最終話「ディープフェイク・エクスペリメント」】

2020年3月放送

鶴田翁助(つるたおうすけ=相島一之さん)、栗橋東一郎(くりはしとういちろう=陰山泰さん)、柾庸子(まさきようこ=遠山景織子さん)が初登場

元東亜ダイナミクス社長の桂川宗佐が、自宅寝室で殺害される事件が発生。

 

殺害犯である研究者・鬼石美奈代のディープフェイク技術を利用していた内閣官房長官の鶴田や内閣情報調査室の栗橋、庸子らは美奈代が犯人であると知られると具合が悪いため、美奈代を遠い場所にかくまっていました。

 

美奈代は逮捕されたものの、庸子は事情聴取されただけで釈放されます。内村刑事部長いわく「触らぬ神に祟りなし」。右京さんの追及は、悪の本丸までは届きませんでした。

 

鶴田はについては、右京さんが追いつめた朱雀を師と仰いでいること、赤坂の芸者時代の小出茉梨(こいでまり、こてまり=森口瑤子さん)を贔屓にしていたことなどが明かされています。

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【相棒19第1話〜第2話「プレゼンス」】

2020年10月放送

加西周明(かさいしゅうめい=石丸幹二さん)が初登場

白バイ隊員だった出雲麗音(いずもれおん=篠原ゆき子さん)を朱音静が襲撃した事件や、万津幸矢がビルの壁をよじ登って転落死した事件を主導したのは、IT長者でVR国家「ネオ・ジパング」のボスである加西周明でした。

 

加西は連行されるも、衣笠藤治(きぬがさとうじ=杉本哲太さん)副総監の鶴の一声によって、逮捕されずに釈放されます。

 

甲斐峯秋(かいみねあき=石坂浩二さん)によると、かなり上の人間の意向が働いたとか。警視総監や警察庁長官より、もっと上の…

【相棒19第19話〜最終話「暗殺者への招待」】

2021年3月放送

中郷都々子(なかざとつづこ=織田梨沙さん)が初登場

衣笠副総監に加西不逮捕の圧力をかけたのは鶴田でした。

 

弁護士の中郷都々子は事務所の代表である三門安吾の指示を受け、加西周明が罪を逃れるために用意した大金の横領に関与。しかし特命係に悪事を暴かれて、都々子は事務所に辞表を出します。

 

その後、加西は内調の柾庸子が雇った殺し屋に殺害されてしまいました。鶴田が加西逮捕を妨害したのは、加西を守るためではなく、抹殺するためです。

 

加西とつながりのある鶴田にとって、自分の思いつきで何でも言ってのける加西は、すでにコントロールのできない邪魔な存在になっていたようです。

 

鶴田の愛人とみられる庸子は、今回の件は自分の一存だと供述します。

 

鶴田の部屋で亘は「我々はケンカを売りに来ているので」と鶴田を挑発し、右京さんも「我々は必ずあなたの悪事を暴いてみせます」と宣戦布告。

 

鶴田は栗橋に「杉下右京、冠城亘。消し去りたいねえ、あの二人。警視庁からじゃないよ」と電話で伝えます。

物語は【相棒20】へと続きます!

第1話「復活~口封じの死」はどんな話?

【相棒20第1話「復活~口封じの死」】

2021年10月13日放送

どんな話?

【相棒20】公式サイト版より引用

半年前の春。官房長官の鶴田翁助(相島一之)は、加西周明(石丸幹二)暗殺事件を主導しながら、愛人である柾庸子(遠山景織子)の“自白”によって罪を逃れた。

 

そんな中、鶴田が師と仰ぐ元官房長官の朱雀武比古(本田博太郎)が、3年前に仮出所していたことを知った特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は、裏に鶴田の思惑があったのではと探りを入れる。

 

すると、拘置所に収容されている庸子の接見が突然、禁止となった。不審に思った右京と亘が事態を探りはじめた直後、鶴田が突如、“こてまり”に姿を現し、驚愕の事実を告げる。なんと、庸子が拘置所内で自殺したという。


冷徹で残忍な鶴田による“口封じ”を疑った特命係は、庸子の死の真相を突き止めるべく捜査を開始。同じく彼女の死に疑問を感じた元弁護士・中郷都々子(織田梨沙)も独自に動きはじめるが、やがて事件には想像以上に複雑な思惑と陰謀が絡み合っていることが発覚。

 

そして、ついには、亘が逮捕される事態に――!

主な出演者とスタッフ

出演者

杉下右京(すぎしたうきょう)=水谷豊
冠城亘(かぶらぎわたる)=反町隆史

小出茉梨(こいでまり)=森口瑤子

伊丹憲一(いたみけんいち)=川原和久
芹沢慶二(せりざわけいじ)=山中崇史
角田六郎(かくたろくろう)=山西惇
青木年男(あおきとしお)=浅利陽介

出雲麗音(いずもれおん)=篠原ゆき子

大河内春樹(おおこうちはるき)=神保悟志

益子桑栄(ましこそうえい)=田中隆三

内村莞爾(うちむらかんじ)=片桐竜次

中園照生(なかぞのてるお)=小野了

衣笠藤治(きぬがさとうじ)=杉本哲太

社美彌子(やしろみやこ)=仲間由紀恵

甲斐峯秋(かいみねあき)=石坂浩二

鶴田翁助(つるたおうすけ)=相島一之

柾庸子(まさきようこ)=遠山景織子

中郷都々子(なかざとつづこ)=織田梨沙

鷲見三乘(すみみのる)=味方良介

栗橋東一郎(くりはしとういちろう)=陰山泰

階真(きざはしまこと)=辻本祐樹

三門安吾(みかどあんご)=山田明郷

柾七平(まさきしちへい)=長江英和

朱雀武比古(すざくたけひこ)=本田博太郎

加西周明(かさいしゅうめい)=石丸幹二

ほか

スタッフ

脚本=輿水泰弘

監督=橋本一

音楽=池頼広

エグゼクティブプロデューサー=桑田潔

チーフプロデューサー=佐藤涼一

プロデューサー=髙野渉、西平敦郎、土田真通
ほか

第1話のストーリーはどうなった?(ネタバレ?)

柾庸子逮捕のニュースに粛々と記者会見する鶴田内閣官房長官、それを見て憤慨する都々子、都々子の父親で弁護士の三門に6億円の一部を官房機密費から渡す鶴田。スポーツジムで笑う謎の女。

 

都々子の回想。加西との会話。

都々子「前、うちのボスに小さい箱を渡してたでしょ。あれ、何?」

加西「切り札さ」

 

特命係の2人が牧場で馬の世話をする朱雀を訪れる。そんな感じで【相棒】オープニングソングへ。

朱雀武比古は浦島太郎?

右京に「忘れずにいてくれたとは光栄だ」と感慨深げな朱雀は、右京の隣にいる亘を亀山薫と勘違い。薫が警視庁をやめて今はサルウィン共和国にいること、小野田官房長が2010年に亡くなったことを知り、長時間、服役していた自分は「浦島太郎」状態であると嘆く。

 

鶴田による手回しでの仮出所なのかと勘ぐる右京を煙にまき、朱雀は鶴田について「彼は私と違って女でしくじったりはしないだろう」と含み笑いする。朱雀はかつて《愛人》の片山雛子に《裏切られた》過去がある。一方で鶴田は愛人の柾庸子が逮捕され、土壇場で救われた…

 

右京たちが帰ってから、朱雀は鶴田に電話。「困ったことがあったら遠慮なく言ってきなさい。力になるから」と声をかける。電話の中で、鶴田は小野田官房長について「私の中では最も理想とする権力者の一人でした」と語った。

 

夜、どこかの病院でストレッチャーを押して駆け込んでくる騒々しい音が部屋の中に聞こえてきて、入院患者の青年は眠れないのでイライラする。

 

右京と亘が拘置所に柾庸子の接見に出向くと、直前に訪れた都々子が庸子との接見禁止を伝えられていた。川べりで3人が話す様子を橋の上から見ている謎の女。

 

都々子は弁護士の先輩で庸子の担当弁護士である森安伸治に話を聞くが、森安も「当分は面会不要」と庸子本人に言われて、面会はできなくなっていた。

 

特命係は検察庁の階真に接見禁止の真相を聞きに行くが、けんもほろろに扱われる。

柾庸子の死は自殺か他殺か?

2人が「こてまり」を訪れると、先客として鶴田が座っていた。鶴田は、接見禁止の理由は自殺であると2人に告げる。2人が接見に行った時には庸子は、すでに死亡して存在していたらしい。

 

翌朝、新聞やネットニュースなどで柾庸子の死が報道される。

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検察が庸子の死を内々に処理した事で、すっかり善人になっている内村刑事部長は「我々に報告があってしかるべきでは。警察が出動して実況見分をおこなうべきだ」と衣笠副総監に抗議するが、「デュープロセス(適正な手続き)では社会は回らない。いい歳して何でもかんでも噛みつくな」と副総監に文句を言われるだけ。

 

特命係の部屋に青木が来て、鶴田について「柾庸子が生きている限り、鶴田は枕を高くして眠れない。手を回して殺しちゃったに決まってますよ」と楽しそうに自論を述べる。

 

青木は「ただし自殺の裏付けはある」として、東京地検警務部のファイルサーバーをハッキングして見つけた柾庸子の遺体写真を右京に見せる。庸子の首には索条痕が残っていた。

 

柾庸子家の墓を訪れる都々子。庸子の父である七平が現れて、遺体を運ぶとそれなりの費用がかかるのですでに燃やしてもらったこと、葬式をおこなわないことを告げる。「人殺しの葬式なんか誰も来やしねえ」と吐き捨てる七平に、都々子は「推定無罪って知ってる?  裁判で罪が確定するまで無罪なの。だからまだ庸子ちゃんは人殺しじゃない」と気持ちをぶつける。

 

さすがに庸子が口封じされたというのは勘ぐりすぎか。しかし青木の言う通り、柾庸子が生きている限り鶴田が枕を高くして眠れないのも事実である。あの鶴田なら暗殺ぐらいやってのける…

 

右京は、朱雀が言った「 鶴田は女でしくじらない」と言うのを「女性を見る目がある」ではなく「最初から全幅の信頼をおくような真似をしない」と理解した。用心深い。猜疑心が強い。必要であれば容赦なく切り捨てる。鶴田が冷徹で残忍な人物だということを右京と亘は再認識する。

弁護士事務所から鍵が盗まれ、犯人は亘?

三門が弁護士事務所の自室に入ると、加西周明からの預かり物が盗難されていることに気づく。それは「鍵」で、三門はすぐに鶴田に報告。

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都々子がカフェテリアに右京と亘を呼び、盗み出した鍵を取り出して「調べてくれない?」と頼む。加西周明の物だと告げると2人は興味を示す。その様子を物陰から見ている謎の女。

 

内調が三門の部屋に仕掛けた隠しカメラに、都々子が鍵を盗むところが映し出されていた。映像を見て高笑いする鶴田に、栗橋が「しかし鍵は中郷都々子のもとには無いようです」と告げる。

 

大河内監察官と青木、捜査一課の面々が特命係の部屋に乗り込む。亘が「調べてほしい」と青木に鍵を渡していたが、その鍵が盗まれた物であることがわかったからだ。しかも、亘が三門の部屋に侵入して鍵を盗む映像まであるという。右京に問い詰められると亘は「黙秘します」と答える。

 

右京と大河内が別室で会話。盗難情報の出どころは内調だった。加西をめぐる一連の事件によって、三門の事務所は監視対象になっていたらしい。

 

大河内は「冠城亘の単独犯とは思えませんがねえ。共犯、窃盗を教唆した人物が身近にいるはずです」と右京をけん制する。「しかしこの件、ボヤで済ませたい。大火事にならないように身を謹んでください」と釘を刺す大河内。

 

亘が鍵を盗んでいる映像について、青木は「フェイク判定できませんでした」と右京に報告。フェイクでなければ、本物ということになるが…

右京さんが亘にまさかの激昂プルプル

右京がカラオケルームの個室に都々子を呼び出す。用心に越したことはないという右京だが、ドアの窓から謎の女が一瞬、覗いていたようだ。

 

「なぜ鍵を盗んだのか」と問う右京に、加西が鍵のことを「切り札」と言っていたから、と答える都々子。都々子は鍵を切り札として鶴田と交渉し、庸子が起こした数々のおかしな行動の真相を知りたい。「鶴田と肉体関係はあったかもしれないけど、庸子ちゃんは男に溺れたりしない。自殺なんか絶対にしない。物心ついた時からずっと一緒の私が言うんだから間違いない」と右京に話す。

 

取調室。黙秘を続ける亘に、右京は「往生際が悪いですねえ。映像を見ました。間違いなく君です。君の犯行です。ただちに罪を認めてただちに拘置所へ行きなさい!」と激昂する右京。「そして君は君のすべきことをなさい!」とも。亘は「俺がやりました」と自白する。

 

鑑識の部屋。益子が「部長が検察から取り寄せて精査しろって言うんで、したけどさ」と言って右京に柾庸子の検死資料であるDVDを渡す。

ディープフェイクといえば、あの女

特命係の部屋に右京、社美彌子、甲斐峯秋がいる。右京が読んでいるのは「甲斐峯秋の不徳 子息ばかりか部下まで犯罪者」と見出しが躍る明日発売の雑誌記事。

 

美彌子には、最終目標が鶴田翁助だということ、冠城亘の逮捕と送検もその目標達成のためということが分かっていた。

 

右京は「向こうが仕掛けてきたディープフェイクに乗っかって、柾庸子の死について調査しているところです」と2人に話す。

 

峯秋は「冠城くんの映像を僕も見たが、あれもフェイクなのか?」と質問する。「盗み出したのは別人、そしてその詳細は、ノーコメント」と答える右京。

 

右京は、ディープフェイク映像を研究していたのが鬼石美奈代を思い出す。美奈代を全面支援していたのが内調で、その背後には鶴田がいる…

栗橋が謎の女に「決行してくれ」そして…

鍵が警視庁から鶴田に渡った。鶴田は三門に、亘による窃盗事件は示談にしたいと申し出る。

表向きは警察のメンツが丸つぶれしないように、である。

 

栗橋がスポーツジムで汗を流している謎の女に電話で「決行してくれ。君のタイミングでかまわない」と伝え、女は満面の笑みを浮かべる。

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亘は独房で仮病を使って大騒ぎし、夜中に仮病を使って東京拘置所医務部病院に運ばれる。医務室から脱走するが、すぐに捕まってしまう。連行される際に、入院患者の青年が「いい加減にしろよ。先週の夜に続いて今夜もか。まーた自殺騒ぎかよ。うっせーわ!」と叫ぶのを聞く。

 

先週の夜…柾庸子が自殺した日だ。庸子は病院に運ばれていた。遺体の写真を見る限り、庸子は蘇生の見込みがなかったと思われる。そんな状況で看護師があわただしく走ったりしない。走るという行為は自殺を図ったがまだ息がある段階で運び込まれてこそだ。命をつなぎとめるのに一刻を争うから騒ぎにもなる。そうなると、遺体の写真とは矛盾が生じる…

 

右京と亘が都々子のマンションに行くと、都々子は自室のベッドで、右手にナイフを持ち、左手首から血を流して、息絶えていた。

 

さあ、次回はどうなる?

感想など

どんなに地位が高い人でも、不道徳で法律に反することをしているなら、正しく裁かれるべきです。

 

内閣官房長官が巨悪すぎてヤバい世界なんて…ありうるかも…いや、あってはいけないのだから、無いんじゃないかな…でもあるんじゃないかな…想像の世界ではいろんな悪いことをしてそうだけど、実際の世界では悪いことをしていないと信じたい…

実際はどうなんでしょうね。

 

【相棒】の世界では、2004年に放送された【相棒3】で、時の内閣官房長官による殺人事件の真相を右京さんが暴きました。

 

それから17年…2021年にスタートした【相棒20】の初回で、現内閣官房長官が、悪いことをしまくっています。

 

強すぎる悪を相手にして、右京さんとその相棒が真実を明るみにすることができるのでしょうか。

表舞台から退場した朱雀武比古の変化とは

常に「今」を大切にして番組制作に取り組む【相棒】が、19シーズン目の最終回では、右京さんとその敵の対決を次期シリーズに持ち越す形になりました。

 

【相棒19】最終回の放送が2021年3月。そこから「今」が続いて、約半年後に迎えた【相棒20】の初回で、対決の続きが描かれました。

 

今回も特命係は巨悪の高笑いを食い止めることはできず、続編となる次回(第2話)でも決着がつくかどうかは怪しい状況です。

 

内閣官房長官・鶴田翁助の壁は、そんなにも高いのか…。

 

今回は、17年前に右京さんに真相を暴かれた朱雀武比古・元内閣官房長官が登場しました。

 

朱雀は懲役18年の実刑判決を受け服役していましたが、3年前に、6年の刑期を残して異例の仮出所を遂げました。

 

右京さんはそこに鶴田の手回しがあったのではないかと勘ぐったようですが、真相は藪の中。

 

それよりも、牧場で馬を世話して生活する朱雀が、冠城亘を亀山薫のだいぶ変わった姿と認識したり、小野田官房長が2010年に亡くなったことを知らなかったりと、官房時代からは想像できない「甘さ」を露呈したことが意外でした。

 

情報や知識の量と優れた判断力が武器となる国家の要職に就いた人物も、長い服役生活の中で、いろんな変化があったのでしょう。

鶴田は女でしくじらない…の真意とは

一方で【相棒】の世界は、朱雀不在の17年間も「今」のリアルの最先端を駆け抜けてきました。

 

右京さんの相棒が交代し、小野田官房長が亡くなり、数々の犯罪と犯罪者を目の当たりにしつつ、生きるとはどういうことか問い、答え続けてきた世界です。

 

水谷豊さんは【相棒20】スタート直前のYouTube動画内で【相棒3】当時を振り返り「内閣官房長官を殺人犯にするドラマなんて前代未聞だった」と語っていました。

 

そして今、朱雀よりも強敵かもしれない、現内閣官房長官と対決しています。

 

朱雀は鶴田について「彼は私と違って女でしくじったりはしないだろう」と話します。

 

朱雀は、その後の【相棒】シリーズで「杉下右京の最大の敵」と言われ続けている片山雛子を愛人としてアリバイの証人にしていましたが、彼女に裏切られる形で失脚しました。

 

鶴田にも柾庸子という愛人がいます。柾庸子は、鶴田を煩わせるIT長者の加西周明が殺害された件について「すべて自分の一存」として鶴田の関与には触れずに、殺人犯として拘置されました。

 

その柾庸子が、拘置所で死亡します。

 

鶴田は、わざわざ「こてまり」を訪れて、右京さんたちに「柾庸子は自殺した」ことを告げます。しかし、さまざまな事象をかき集めると「柾庸子は自殺ではないのではないか?」という想像もできます。

 

朱雀武比古は愛人に裏切られ、鶴田翁助は愛人を切り捨てたのか。鶴田には情のかけらもないのでしょうか。…ないのでしょう。

 

「庸子が生きている限り、鶴田が枕を高くして眠れない」→「鶴田は女でしくじらない」→「最初から女に全幅の信頼はしない」→「猜疑心が強い」→「必要とあらば容赦なく切り捨てる」という過程で鶴田は「冷徹で残忍な悪人」として印象づけられていきます。

中郷都々子は視聴者への共感装置?

柾庸子の死について、庸子と物心つく頃から仲が良かった中郷都々子に疑問を抱かせることで、ストーリーは前に転がります。

 

加西周明が「切り札」を都々子の父である三門安吾に預けたこと。その「切り札」である鍵を三門の部屋から都々子が盗んだこと。鍵を取り上げられて不利な状況になっても「庸子ちゃんは自殺なんて絶対にしない」と右京さんに言い張り、真相を確かめようとする心を曲げないこと。

 

そんなシーンの積み重ねの末に、第1話の最後で、都々子は死体となって自室のベッド上で発見されます。ナイフを持ち、手首から血を流した状況で。

 

ここまでのストーリーを追ってきた視聴者なら「これは自殺に見せかけた殺人だな」「犯人は栗橋の指示で動く謎の女だな」という推測に導かれる展開です。

 

都々子の遺体を目にした右京さんと亘が巨悪を相手にする決意を改めて奮い立たせて、鶴田一派をとっ捕まえてくれる期待にワクワクしながら、第2話を待つことになりました。

信頼感絶大な7シーズン目の相棒

冠城亘との相棒生活が7シーズン目を迎えた右京さん。お互いの信頼度も以前とは比較にならないほど高まっています。

 

中郷都々子が盗んだ鍵。内調関係の人物によるディープフェイク動画では都々子が亘に変身しており、その映像を証拠として亘は窃盗犯として逮捕されてしまいます。

 

しかし、右京さんと亘は鍵を都々子から渡されているので、亘と都々子が共謀して右京さんを騙す演技をしていない限り、動画がフェイクであることは動きません。もちろん右京さんは亘を疑いません。

 

それどころか、取調室で捜査一課のメンバーに囲まれる亘に対して「間違いなく君です。さっさと罪を認めてとっとと拘置所へ行きなさい。そして、君は君のすべきことをなさい」と、いつも極悪犯罪者を断罪する時に使うセリフをぶつけます。

 

「さっさと罪を認めてとっとと拘置所へ行きなさい」とは、なるようにしかならないのなら、こんなところで油を売っていないで、柾庸子が拘置されていた場所に早く行ってこいというアドバイス。「君は君のすべきことをなさい」とは潜入捜査をして、柾庸子の死について手がかりをつかむこと。

 

意をくんだ亘は、次の瞬間には「俺がやりました」と頭を下げて、とっとと拘置されます。

 

この阿吽の呼吸は、お互いの信頼度が高くなければできないもの。改めて、すっかり相棒になっている2人だなあと感慨深くなるシーンでした。

なぜ右京さんと【相棒】は必要なのか?

地位、金、情報。すべてにおいて上に立つ者が強く、弱者が蹴落とされてしまう社会。柾庸子や中郷都々子だけでなく、IT長者の加西周明すら消されてしまいました。

 

そんな不穏な空気にまみれていると、朱雀武比古が暮らしている牧場の緑色の芝生が美しく感じるのは、気のせいではないのかもしれません。

 

服役生活の末、朱雀が選んだのは、地位や金や情報に疎くても幸福に生きることができる場所です。

 

その素晴らしさに朱雀が気づいたきっかけが、右京さんによって自分の醜い心が暴かれたことだとするならば、右京さんと【相棒】の必要性が理解できます。

 

特命係の2人が力を合わせて、巨悪の内閣官房長官を追い詰められるかどうか。

 

この国の未来が右京さんに託されたと言っても、過言ではない…ような気がします。

 

内閣官房長官が巨悪すぎてヤバい世界なんて…ありうるかも…いや、あってはいけないのだから、無いんじゃないかな…でもあるんじゃないかな…

 

だとしたら。

【相棒2022年】テレビ再放送7月18日~23日の全国地上波は?亀山薫が復活の【相棒21】に向けて【ドラマ】

《最新更新日=2022/7/17》

2000年からテレビ朝日系全国各局で放送されているレジェンド刑事ドラマ【相棒】。水谷豊さんが演じる警視庁特命係の杉下右京警部とその相棒が活躍して事件を解決に導きます。

 

2022年10月から放送予定の新シーズン【相棒21】では、右京さんの相棒として寺脇康文さん扮する亀山薫が14年ぶりに帰ってきます!

 


【相棒】の再放送は、平日の午後を中心に放送されています。

 

どこの局でどのストーリーが放送されているのでしょうか。

 

まだ視聴していない回、もう1度見たい回、何度でも楽しみたい回…日本のドラマ界を代表するレジェンド番組をこのチャンスに楽しみましょう!

 

その他、この記事ではドラマ【相棒】の新しい話題やおすすめ回なども紹介します。

ドラマ【相棒】地上波再放送はいつ? テレビ朝日系各局放送時間と内容(2022年7月18日〜2022年7月23日)

北海道(札幌)・HTB

22日(金)

14:48~15:45

相棒18-5「さらば愛しき人よ」

青森県・青森朝日放送

放送なし

岩手県・岩手朝日テレビ 

18日(月)

15:48~16:45

相棒8-5「背信の徒花」

19日(火)

15:48~16:45

相棒7-16「髪を切られた女」

20日(水)

15:48~16:45

相棒8-5?

22日(金)

15:48~16:45

相棒8-6?

宮城県・東日本放送

18日(月)

14:40~16:35

相棒14-20 スペシャル「ラストケース」

19日(火)

15:38~16:35

相棒4-13「最後の着信」

秋田県・秋田朝日放送

20日(水)

15:45~16:40

相棒9-8「ボーダーライン」

22日(金)

15:45~16:40

相棒9-11「死に過ぎた男」

山形県・山形テレビ

19日(火)

13:45~14:40

相棒10-16「宣誓」

福島県・KFB福島放送

放送なし

東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県・テレビ朝日

18日(月)

15:48~16:45

相棒16-16「さっちゃん」

19日(火)

15:48~16:45

相棒12-8「最後の淑女」

20日(水)

15:48~16:45

相棒9-5「運命の女性」

21日(木)

15:48~16:45

相棒6-3「蟷螂たちの幸福」

22日(金)

15:48~16:45

相棒18-6「右京の目」

新潟県・新潟テレビ21

18日(月)

15:45~16:45

相棒5-4「せんみつ」

19日(火)

15:45~16:45

相棒8-18「右京、風邪をひく」

20日(水)

15:45~16:45

相棒11-14「バレンタイン計画」

21日(木)

15:45~16:45

相棒19-14「忘れもの」

22日(金)

15:45~16:45

相棒19-15「薔薇と髭の不運」

長野県・長野朝日放送

放送なし

富山県・KNBテレビ

23日(土)

12:55~13:55

相棒20-18「詩集を売る女」

石川県・北陸朝日放送

18日(月)

14:45~15:45

相棒13-4「第三の女」

19日(火)

14:45~15:45

相棒13-5「最期の告白」

20日(水)

14:45~15:45

相棒13-6「ママ友」

22日(金)

14:45~15:42

相棒13-7「死命」

愛知県、岐阜県、三重県・名古屋テレビ(メ〜テレ)

放送なし

静岡県・静岡朝日テレビ

18日(月)

14:38~16:40

相棒14-1 スペシャル「フランケンシュタインの告白」

19日(火)

15:43~16:40

相棒17-16「容疑者 内村完爾」

20日(水)

15:43~16:40

相棒19-19「暗殺者への招待」

21日(木)

15:43~16:40

相棒19-20「暗殺者への招待(後篇)」

22日(金)

15:43~16:40

相棒4-7「波紋」

大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県・ABCテレビ

18日(月)

14:48~15:45

相棒8-17「怪しい隣人」

19日(火)

14:48~15:45

相棒8-18「右京、風邪をひく」

20日(水)

14:48~15:45

相棒6-2「陣川警部補の災難」

219日(木)

14:48~15:45

相棒6-3「蟷螂たちの幸福」

22日(金)

14:48~15:45

相棒6-4「TAXI」

岡山県、香川県・瀬戸内海放送

18日(月)

15:45~16:40

相棒3-4「女優〜前篇」

19日(火)

15:45~16:40

相棒3-5「女優〜後篇」

20日(水)

15:45~16:40

相棒3-6「第三の男」

21日(木)

15:45~16:40

相棒3-8「誘拐協奏曲」

22日(金)

15:45~16:40

相棒3-10「ゴースト〜殺意のワイン」

広島県・広島ホームテレビ

22日(金)

15:42~16:39

相棒3-13「警官殺し〜銃に残された赤い指紋」

山口県・yab山口朝日放送

放送なし

愛媛県・愛媛朝日テレビ

放送なし

福岡県・KBC九州朝日テレビ

放送なし

長崎県・NCC長崎文化放送

19日(火)

15:48~16:45

相棒16-5「手巾(ハンケチ)」

20(水)

15:48~16:45

相棒16-6「ジョーカー」

熊本県・KAB熊本朝日放送

放送なし

大分県・OAB大分朝日放送

放送なし

鹿児島県・KKB鹿児島放送

放送なし

沖縄県・琉球朝日放送

19日(火)

14:20~16:15

相棒19-11 スペシャル「オマエニツミハ」

20日(水)

14:20~15:20

相棒19-12「欺し合い」

21日(木)

14:20~15:20

相棒19-13「死神はまだか」

 

山梨県、富山県、福井県、鳥取県、島根県、徳島県、高知県、佐賀県、宮崎県はテレビ朝日系列局無し。

放送予定の変更や記載ミス、漏れ等がありますので番組表で必ず確認してください。


視聴したいエピソードが決まっていて、いつやるかわからない再放送を待っていられない、という場合はテレビ朝日が運営する「TELASA」など、初回無料キャンペーンがある動画配信サービスの利用がおすすめです。

【相棒】トピックス

「相棒20」が2021年10月13日(水)にスタート!

【相棒】の最新シーズン【相棒20】が2021年10月13日(水)21時から放送されます。

 

初回は15分拡大スペシャル「復活」。

 

【相棒19第1話・第2話「プレゼンス」】【相棒19第19話・最終話「暗殺者への招待」】の4話にわたって描かれた仮想国家「ネオ・ジパング」の建国の父・加西周明(かさいしゅうめい=石丸幹二さん)をめぐる事件。

 

今回は、その続編となるようです。

 

一連の事件の黒幕である内閣官房長官の鶴田翁助(つるたおうすけ=相島一之さん)が今回も暗躍する模様。

 

元内閣情報調査室職員で鶴田の愛人である柾庸子(まさきようこ=遠山景織子さん)や元弁護士の中郷都々子(なかざとつづこ=織田梨沙さん)らも引き続き登場します。

 

そして、鶴田が師と仰ぐ元内閣官房長官・朱雀武比古(すざくたけひこ=本田博太郎さん)が2004年10月に放送された【相棒3第1話・第2話・第3話「双頭の悪魔」】以来17年ぶりに復活!

 

かつて杉下右京(すぎしたうきょう=水谷豊さん)によって殺人事件への関与を暴かれた朱雀が、今回は右京さんとどんな絡みを見せるのでしょうか?

 

8シーズン目を迎える4代目相棒・冠城亘(かぶらぎわたる=反町隆史さん)やおなじみのレギュラー陣の動向からも目が離せません!

ノベライズ本【相棒 season19 上】が2021年10月7日に発売!【相棒 season19 中】は11月5日発売!

【相棒】のノベライズ本【相棒 season19 上】が2021年10月7日に、【相棒 season19 中】が2021年11月5日に朝日文庫より発売されます。各1012円(税込)です。

 

【相棒 season19 上】には、特命係の2人がVR(仮想現実)上に作られた仮想国家「ネオ・ジパング」の建国の父・加西周明と対峙する「プレゼンス」や、平成の毒婦と呼ばれる未決囚・遠峰小夜子が3度目の登場となる「同日同刻」、ほかに「目利き」「藪の外」「天上の棲家」「三文芝居」のエピソードが収録されています。

【相棒 season19 中】には、内村刑事部長が反社組織の抗争に巻き込まれ思いがけない事態を招く「超・新生」や、角田課長が被害に遭った給付金詐欺の組織に亘が潜入する「欺し合い」、ほかに「一夜の夢」「匿名」「オマエニツミハ」「死神はまだか」のエピソードが収録されています。

あの衝撃を小説でもう一度!

【相棒19】DVD-BOX&BD-BOXが2021年10月13日(水)に発売

杉下右京&冠城亘の6シーズン目となった、2020年10月~2021年3月放送の【相棒19】がDVD-BOX&BD-BOXとなって発売されます。

■相棒 season19 DVD-BOX Ⅰ(6枚組) ※19.250円(税込)


■相棒 season19 DVD-BOX Ⅱ(6枚組) ※19.250円(税込)

■相棒 season18 BD-BOX(6枚組) ※41.800円(税込)

 

当サイトがおすすめする【相棒】名作神回はこちら 

相棒6-10元日スペシャル「寝台特急カシオペア殺人事件!上野~札幌1200kmを走る豪華密室!犯人はこの中にいる!!」」
(2008年1月1日放送)
《作品紹介》
左翼過激派・新井田が爆弾マニアの塚原とのアミューズメントパークでの取引に失敗。爆弾が爆発する事件が発生した。その取引で塚原に渡るはずの金を奪った根元(柏原収史)を、右京と薫は札幌まで護送することになる。3人は寝台特急「カシオペア」に乗る。根元は札幌で公判中の事件の重要参考人だった。
《ゲスト》長山藍子、永島敏行、柏原収史、山本みどり、黒部進、浅利陽介ほか
《脚本》戸田山雅司《監督》和泉聖治
《みどころ》
2008年のお正月スペシャル。本編が120分を超える超大作です。
右京さんと亀山くんは、事件の重要証人を札幌まで護送するため、上野駅から札幌行きの寝台特急「カシオペア」に乗り込みます。その車内で殺人事件が発生。容疑者は1号車と2号車に乗り合わせた9人!果たして犯人は?
右京さんの推理がキレッキレです。
カシオペアが札幌駅に到着してからも一悶着あり、さらに洞爺湖に舞台を移してクライマックスへ。壮大なスケールの元日スペシャルとなりました。

 

《関連記事》当サイトのおすすめ回10選!

【相棒】神回・名作・衝撃回おすすめ10選!初心者なら「カシオペア」から?【ドラマ】

【カフェ・ド・クリエ】おかわりチケットでドリンク2杯目が半額…1杯目と違うメニューも選べる!

国内にはオシャレなカフェチェーン店がたくさんありますが、特にオススメなのが【カフェ・ド・クリエ】です。落ち着いた店内、おいしいメニュー、電源やWiFiを使用できるお店も多数あります。

 

カフェ・ド・クリエには、コーヒーや紅茶を注文すると、レシートの下の部分に「おかわりチケット」がついてきて、2杯目が半額になるお得なサービスがあります。

 

お店は使っているけどこのサービスは知らなかったという方や、これからカフェ・ド・クリエに行ってみたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

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カフェ・ド・クリエとは?

カフェ・ド・クリエは、株式ポッカクリエイトが運営するコーヒーチェーンです。株主構成はサッポログループ食品株式会社が100%出資しています。第1号店は1994年、名古屋の伏見に出店しました。

 

2021年10月現在の店舗数は201店舗。

 

内訳は北海道4、東北1、関東103、東海38、関西39、九州・沖縄9、中国・四国7です。

おかわりチケットとは?

カフェ・ド・クリエでは、コーヒーや紅茶などの対象商品を購入すると、レシートの下部に「おかわりチケット」がついてきます。

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このチケット(レシート)をレジで提示すると、2杯目のドリンクを半額で購入できるのです。

対象商品は

・ブレンド

・アイスコーヒー

・アメリカン

・ティー《ホット・アイス》

・ロイヤルミルクティー《ホット・アイス》

・カフェラテ《ホット・アイス》

・カフェオレ《ホット・アイス》

の各サイズです。

2杯目に注文できる半額メニューは

150円(税込)

・ブレンド(S)

・アイスコーヒー(S)

・アメリカン

・ティー《ホット・アイス(S)》

160円(税込)

・ロイヤルミルクティー(S)《ホット・アイス》

175円(税込)

・カフェラテ(S)《ホット・アイス》

・カフェオレ《ホット・アイス(S)》

 

上記各メニューの通常価格は300円(税込)以上します。おかわりチケットを使うと2杯目が半額になるので、激安です。

 

1杯目で300円(税込)の対象商品を注文し、2杯目に300円(税込)が半額になる対象商品を注文すると、通常600円かかるところが、450円(税込)になります。

 

おかわりチケットは「カフェ・ド・クリエでドリンクを2杯飲みたい!」という人には嬉しい、お得なチケットです。

2杯目は違う種類のドリンクを飲める

おかわりチケットでは、1杯目と2杯目で違うメニューを注文できます。

 

例えば1杯目をホットコーヒーにして、2杯目はアイスティーを選択するなど。

 

ホットティーはダージリン・アールグレイ・アッサムから選べるので、1杯目と2杯目で違う茶葉を選ぶという楽しみ方もあります。

おかわりチケットの注意点

・利用期限は当日中で、1杯目を利用した店舗に限られます。

・サイズが数種類設定されているメニューはSサイズが対象となります。

カフェ・ド・クリエカードでさらに割引

カフェ・ド・クリエカードは、カフェ・ド・クリエで使えるリチャージプリペイドカードです。

 

1000円からチャージできて、店内のすべての商品が5%割引になります。

 

このプリペイドカードはおかわりチケットにも利用できるので、1杯目も2杯目も5%引きになります。

2杯600円→428円に!

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ドリンク1杯目に300円の対象商品を注文。カフェ・ド・クリエカード使用で5%引きとなり、285円に。

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ドリンク2杯目に「おかわりチケット」を使って300円の対象商品を注文し、半額の150円に。さらにカフェ・ド・クリエカード使用で5%引きとなり、143円になりました。

 

上記の例では、2杯で通常600円のところが、428円で購入できました。割引額は172円!

 

カフェ・ド・クリエを何度も使う人は、持っていて損の無いカードです。

 

また、2021年からはカフェ・ド・クリエのアプリが提供開始されていて、アプリにチャージすればプリペイドカードと同様に使用できます。

個人的「クリエのいいところ」

カフェ・ド・クリエには、いいところがたくさんあります。

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(モーニングメニューはお手頃価格。ドリンクおかわりチケットも付いてきます)

 

店内の雰囲気が落ち着いている

フードメニューも充実している

モーニングがお手頃価格

新メニューが続々出るので飽きない

電源(コンセント)設置店が多い

WiFi環境が充実している店が多い

 

おかわりチケットでドリンク2杯目を注文して、ついつい長居をしてしまえる場所が、カフェ・ド・クリエです。

 

カフェ・ド・クリエを訪れた際には、ぜひおかわりチケットを使ってみてください!

【相棒20】元内閣官房長官・朱雀武比古(すざくたけひこ)が第1話で17年ぶりに復活!どんな人物?

朱雀武比古…名前の読み方は「すざく・たけひこ」…あの異色キャラクターが【相棒】に戻ってきます!

 

 

2021年秋から新シーズンが放送されるドラマ【相棒20】。特命係の杉下右京と冠城亘がどんな活躍を見せてくれるのか、期待が高まります。

 

第1話「復活」は2021年10月13日(水)21時から、初回15分拡大スペシャルとして放送されます。

 

前シリーズ【相棒19】で暗躍した内閣官房長官の鶴田翁助(つるたおうすけ=相島一之さん)が今回も登場。

 

そして、鶴田が師と仰ぐ元内閣官房長官・朱雀武比古(すざくたけひこ=本田博太郎さん)が、17年ぶりに【相棒】ワールドに帰ってきます。

 

この記事では、2004年に3週連続で放送された【相棒3「双頭の悪魔」】を振り返り、朱雀武比古とはどんな人物像なのか、紹介します。

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(本田博太郎さんが演じる朱雀武比古。引用=朝日文庫)

朱雀武比古が初登場したストーリー「双頭の悪魔」とは?

朱雀武比古の初登場は2004年10月にスタートした【相棒3】で初回2時間スペシャル、さらに第2話、第3話と続いた「双頭の悪魔」です。

 

「双頭の悪魔」には、「杉下右京の最大の敵」と呼ばれるほどの名物キャラクターとなる片山雛子(かたやまひなこ=木村佳乃さん)も初登場します。

 

亀山薫は特命係から所轄の麹町東署に異動となり、同棲していた美和子が衆議院の院内記者である鹿手袋啓介(しかてぶくろけいすけ=西村雅彦さん)と不倫の恋に落ちて、2人は別居状態に。

 

そんな中で起きたのが首相補佐官である沢村久重の変死事件。密室状態の自宅で遺体が発見されたことから、自殺で処理されそうになります。

 

これに反発したのが元大臣の瀬戸内米蔵(せとうちよねぞう=津川雅彦さん)です。「沢村は絶対に自殺じゃない」として、自らが「俺がやった」と自首し、警察の再捜査につなげます。

 

予想もつかない展開の中、殺人事件として捜査を開始した杉下右京が暴いた真犯人の一人が、内閣官房長官の朱雀武比古だったのです。

右京さんにアリバイを崩される

朱雀武比古は、自分を脅迫するに足るだけの秘密を握っている沢村補佐官を疎ましく思っていました。

 

そこで、朱雀は部下の首相秘書官と共謀して沢村を殺害します。自殺を偽装し、自身は疑われても構わないように強固なアリバイ工作を施したうえで、第1発見者を装って、警察に連絡しました。

 

しかし、右京に真相を暴かれてしまった朱雀は「うん、いいセンいってる」というセリフを残し、右手を頭の横に掲げたあと、連行されていきました。

朱雀武比古の性格はは激情型?

朱雀武比古は「温和」と「威圧」を使い分けて相手をコントロールする心理術に長けた策士です。

 

見た目の印象は、近づきがたい堅物。

 

記者を前にした定例会見では、記者の質問に温和に答えていましたが、沢村補佐官自殺の兆候について問われると「見えたら止めていたに決まっている!」と大声を出し、若手記者を震え上がらせます。かと思えば、感情を鎮めた緩やかな表情で「そうでしょう?」と会場を眺め回す余裕を見せつけました。

 

また、右京との初対面では終始、冷静に対応していた朱雀ですが、のちに「杉下とかいう鼻たれ小僧が!  あいつももうすぐ終わりだ」と怒りのセリフを吐き出します。しかしすぐに口調を柔らかくして、部下に「おまえたちも終わりたくなければ、せいぜい口を慎みなさい」と諭していました。

 

もともと感情の揺れ動きが激しいのか、またはそれを演じているのか。いずれにしろ、硬軟入り交じる朱雀の話し方に、その部下たちは肝を冷やし続けているようです。

朱雀武比古の愛人は片山雛子?

院内記者の鹿手袋は、右京に「片山雛子は朱雀の愛人です」と、情報を提供します。「朱雀から片山雛子に多額の資金が流れています。機密費からです。まあ、朱雀にしてみれば、愛人へのお手当てのつもりなんでしょうがね」とも話します。

 

朱雀は、沢村補佐官殺害のアリバイ工作に、片山雛子を使いました。事件が起きた時刻にホテルで一緒にいたというのです。

 

しかし、最後の最後で片山雛子が裏切り、朱雀がホテルを抜け出していたことが暴かれて、朱雀は失脚します。

 

片山雛子は右京に対して「本当に私が朱雀武比古の愛人だと思ってる?」と問い、右京さんが「はい?」と返すと「だとしたら、あなた大馬鹿だわ」と言ってのけました。

 

朱雀と片山雛子の関係について、真相はぼかされていますが、朱雀にとっては、信用していた片山雛子にハシゴを外されたと忸怩たる思いになったのは間違いないでしょう。

朱雀武比古を尊敬する鶴田翁助

2020年3月に放送された【相棒18最終話「ディープフェイク・エクスペリメント」】では、現・内閣官房長官の鶴田翁助が初登場します。鶴田は長年、朱雀の秘書を勤めていました。

 

鶴田は右京との初対面で「朱雀先生は僕の師匠でね。政治のイロハを教わった。だから君のことはとても印象に残ってるんだよ」と、朱雀を追い詰めた男をけん制しました。

 

【相棒19】でも暗躍する鶴田にとって、巨大権力にも屈せず立ち向かう特命係の2人はやっかいな存在のようです。

17年ぶり登場の「復活」はどんな話?

2004年10月に放送された【相棒3「双頭の悪魔」】シリーズから17年。2021年10月13日(水)21時から放送される【相棒20・初回拡大スペシャル「復活〜口封じの死」】に、朱雀武比古が帰ってきます。

 

どんな話?

半年前の春。官房長官の鶴田翁助(相島一之)は、加西周明(石丸幹二)暗殺事件を主導しながら、愛人である柾庸子(遠山景織子)の“自白”によって罪を逃れた。

そんな中、鶴田が師と仰ぐ元官房長官の朱雀武比古(本田博太郎)が、3年前に仮出所していたことを知った特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は、裏に鶴田の思惑があったのではと探りを入れる。

すると、拘置所に収容されている庸子の接見が突然、禁止となった。不審に思った右京と亘が事態を探りはじめた直後、鶴田が突如、“こてまり”に姿を現し、驚愕の事実を告げる。なんと、庸子が拘置所内で自殺したという。
冷徹で残忍な鶴田による“口封じ”を疑った特命係は、庸子の死の真相を突き止めるべく捜査を開始。同じく彼女の死に疑問を感じた元弁護士・中郷都々子(織田梨沙)も独自に動きはじめるが、やがて事件には想像以上に複雑な思惑と陰謀が絡み合っていることが発覚。

そして、ついには、亘が逮捕される事態に――!

(引用=テレビ朝日公式サイトより)

「双頭の悪魔」で、政界の要職にありながら殺人に手を染めた朱雀は、懲役18年の判決を下されて、2006年に服役。しかし、異例の措置で、6年もの刑期を残し、3年前に仮出所していたようです。

 

朱雀を演じる本田博太郎さんは、テレ朝公式サイトのインタビューで

 

「朱雀を久々に演じるにあたって心がけたのは“楽しく、切なく…人間臭く”。水谷豊さん、反町隆史さんとは猛暑の中、心地よいキャッチボールができました。

朱雀の弾んでいる、そして“切ない心”を目撃してください。」

 

と話しています。

 

17年の時を経て右京の前に現れる朱雀は、今回のストーリーにどう絡んでくるのでしょうか?

【相棒】伝説の「シャブ山シャブ子」回が再放送されない理由?【ドラマ】【バクハン】

放送開始20周年を迎えたドラマ【相棒】は、2020年の秋から2021年3月にかけて【相棒19】が放送され、早くも【相棒20】のスタートに期待が高まります。

 

水谷豊さん扮する杉下右京と反町隆史さんが演じる冠城亘が事件を解決する【相棒】はテレビ朝日系各局で昼過ぎや夕方に盛んに再放送されていますが、再放送がほぼ封印されている回があります。

 

それが【相棒17第4話「バクハン」】です。「シャブ山シャブ子」なる強烈なキャラクターが登場してTwitterなどSNSでも話題になったこの回が封印されている理由を、紹介します。

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「バクハン」はどんな話?

2018年11月8日に放送された【相棒17第4話「バクハン」】は、どんな話なのでしょうか。

どんな話?

組織犯罪対策四課の賭博担当、通称バクハンの課長・源馬(中野英雄)の指揮の下、過去最大規模の裏カジノ一斉摘発が行われ、広域指定暴力団・武輝会の資金源に大ダメージを与えた。右京(水谷豊)と亘(反町隆史)も摘発に駆り出されたのだが、右京はその際、摘発を逃れた店があったことに気づき、源馬が裏で手引きしているのではないかと疑う。組対五課の角田(山西惇)は、戦友のような源馬をかばい、手を引くよう釘を刺すが、右京は捜査を続ける。そんな中、賭博業者との癒着で源馬をマークしているという生活安全部の刑事・百田(長谷川公彦)と久我(崎本大海)が、特命係に協力を要請してくる。右京は、二人への協力を約束するが、亘は「角田課長を裏切れない」と言って、源馬の内定捜査から降りる。さらに、裏では特命係の廃止を目論む副総監の衣笠(杉本哲太)も暗躍していて…!?

(引用=テレビ朝日)

この話のみどころ

警察官の源馬、百田、久我がそれぞれの悪巧みを抱えるストーリーは「必要悪」の存在について考えさせられる構成となっています。なんといっても注目は右京さんと角田課長の対立です。

 

エキサイトした角田課長が喧嘩腰で右京さんに詰め寄ります。

課長「ネタ元との関係は必要悪なんだよ!」

右京「必要悪ですか…。本当にその悪が必要だというならば、僕が潰したところで必ず残るでしょう」

 

その後の会話で2人の溝はさらに広がり課長が「じゃあな、警部殿」と吐き捨てて去るシーンがありました。

 

右京さんは後のシーンで必要悪について「僕には必要な悪があるとは思えません」と信条を語っています。

シャブ山シャブ子の登場シーン

問題の「シャブ山シャブ子」の登場シーンは終盤。

 

百田が昼下がりの公園で、裏カジノの主犯格らしき反社組織の男とスマホで話していると、ハンマーを手にした女がフラフラと近づいてきました。

 

髪はボサボサ、Tシャツに短パン姿。女は百田の頭に何度もハンマーを振り下ろして殺し、奇声と笑い声をあげます。

 

取り調べを受ける女の腕には無数の注射痕があり、虫の幻覚をうるさがって追い払う仕草をします。そして、名前を尋ねられると…

 

「シャブ山シャブ子です。17歳です!」

 

女は西田信子、47歳でただの主婦、一般人と報告されますが、反社組織の売人から覚醒剤を買う重度の中毒患者で、薬欲しさに命令を受けて百田を殺害したと見られます。

 

この女を演じた江藤あやさんの演技が視聴者の印象に強烈に残り、Twitterでは「シャブ山シャブ子」というワードがトレンド入りしました。

シャブ山シャブ子騒動とは

【相棒17第4話「バクハン」】の放送を受けて、著名な精神科医らが「実際にはあのような薬物依存症者はいない」「間違ったイメージと偏見を増長する」と反論しました。

 

この件が国会の衆議院厚生労働委員会でも取り上げられます。

 

立憲民主党の初鹿明博議員が「このような報道は薬物依存症に苦しむ人達を傷つけ、偏見を増長するのではないか?」「こういう描写は慎むように、総務省とも協力して、要請してもらいたい」と質問し、根本匠厚生労働大臣が「薬物依存症者の偏見是正につとめる」と回答しました。

 

この件について、テレビ朝日の定例会見で編成担当の専務は「相棒の第4話の作品でのことですが、この回は違法カジノなどを扱う組織犯罪の捜査の難しさを描くものでした。薬物依存症の方を差別する意図はなかったが、そうした方への誤解を招きかねないという指摘をいただいたことを真摯に受け止め、今後の番組制作に生かしていきたいと思います」と答えました。

 

また、アルコール、薬物、ギャンブル依存症の研究者や支援者で作る「依存症の正しい報道を求めるネットワーク」から謝罪等を求める要望書が番組宛てに送付され、朝日新聞が報じると、番組プロデューサーがネットワークに直接、電話で対応しました。

 

プロデューサー「薬物依存症の偏見解消は大切な事なのでできることをやっていきたい。まずは何ができるのか、社内で協議します。また貴ネットワークと話し合いの場も持ちましょう!」

 

その後、ネットワーク側とプロデューサー側が直接面談し、建設的な意見交換をしています。

シャブ山シャブ子回は再放送されない?

テレビ朝日系列の各テレビ局では昼過ぎから夕方の時間帯に過去の【相棒】が再放送されるのが慣例になっています。

 

シーズンの各エピソードが毎日連続で放送される局の場合、【相棒17】の再放送時には、第3話の「辞書の神様」の次は第4話「バクハン」を飛ばして第5話「計算違いな男」が放送されています。

 

『TELASA』などの動画配信プラットフォームでは「バクハン」は配信されています。しかし、江藤あやさんが演じる「シャブ山シャブ子」は、百田をハンマーで殴るシーンのみが残されて、「シャブ山シャブ子です。17歳です」と発言するシーンなどはカットされています。

過去には「欠番回」もある【相棒】

【相棒】には過去に「欠番回」扱いされている「幻のエピソード」があります。

 

2005年12月8日に放送された【相棒3第7話「夢を喰う女」】です。この回のゲストは図書館司書を演じる高岡早紀さんでした。

 

問題のシーンは、日本図書館協会によると「図書館職員が犯罪捜査のために訪れた警察官を事務室に案内し、指定された人物の氏名とその借出図書名を表示するパソコン画面を検索して見せるというシーン」です。

 

「図書館は利用者の秘密を守ることを基本原理の一つ」としており、「犯罪捜査目的といえども厳密な法手続を欠くならば例外にはなりません」として、図書館側から抗議がおこなわれました。

 

テレビ朝日は「令状を見せる場面を省略したことは不適切だった」と釈明し、謝罪しています。

 

その後【相棒3第7話「夢を喰う女」】は再放送されず、DVDやブルーレイなどにも収録されていません。

 

『TELASA』などの動画配信プラットフォームでも配信はされておらず、完全な「幻のエピソード」となっています。

【相棒18】以降の変化

【相棒】では【相棒14】あたりから、暴力的なシーンが目立つ重く暗いエピソードが増えていました。こうした流れが「シャブ山シャブ子」を生み出した要因になったのかもしれません。

 

暴力に頼る衝撃的なシーンは、問題の「バクハン」以降は最小限にとどめられ、【相棒18】や【相棒19】では、普通の人々が事件に巻き込まれる悲哀を描いた回や、コミカルな展開の話が増えています。

 

人々の内面にアプローチする良作が並び、【相棒】は「家族が安心して一緒に見られるドラマ」へと回帰しています。

 

こうした変化の中で、今後の【相棒】では、プロデューサーが述べた「薬物依存症の偏見解消は大切な事」という反省から、依存性問題をテーマとして深掘りされる回が放送される可能性もあるのではないでしょうか。

【相棒19最終回「暗殺者への招待~後篇」】ネタバレ&感想…特命係vs官房長官の行方は【相棒20】へ

放送開始20周年を迎えたドラマ【相棒】は、2020年の秋から2021年にかけて新シーズン【相棒19】が放送されています。

 

水谷豊さん扮する杉下右京と反町隆史さんが演じる冠城亘(かぶらぎわたる)が、警視庁のたった2人の特命係として事件を解決に導きます。

 

この記事では2021年3月17日に放送された【相棒19第20話・最終回スペシャル「暗殺者への招待〜宣戦布告」】のネタバレを含めた感想などを記述しています。

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(画像引用はテレビ朝日)

第20話・最終回「暗殺者への招待〜宣戦布告」はどんな話?

【相棒19第20話・最終回30分拡大スペシャル「暗殺者への招待〜宣戦布告」】

2021年3月17日放送

 

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どんな話?

『相棒オフィシャルサイト』版

加西 (石丸幹二) が殺し屋に狙われているという情報をめぐり、内閣情報調査室の柾庸子(遠山景織子)から協力を持ち掛けられた右京(水谷豊)と亘(反町隆史)。内調でも“加西不逮捕”の件を調査していたというが、右京はさらに上の権力者から、指示があったのではないかと疑う。いっぽう、加西の気まぐれで殺されかけた麗音(篠原ゆき子)は、鑓鞍 (柄本明) が衣笠副総監(杉本哲太)に加西の警護を要請した件も含めて、美彌子(仲間由紀恵)に不満をぶつけていた。同じ頃、麗音銃撃事件は単独犯で、加西は関係ないと供述を翻した静 (日南響子) が、加西からの金銭授受に蒔子(松永玲子)を利用している疑惑が浮上。しかし、当の蒔子は、黙秘の構えを見せていた。そんな中、内調を動かしているのは、官房長官の鶴田(相島一之)とにらんだ右京と亘は、鶴田から事情を聞く。すると、加西は政界に深く食い込んでいて、特に鑓鞍とは昵懇の関係にあると証言する。

 

『テレ朝POST』版

加西周明(石丸幹二)を標的とした殺し屋が雇われたことがわかり、「特命係」の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は、内閣情報調査室カウンターインテリジェンスセンターの柾庸子(遠山景織子)から「情報の共有」を提案される。

不当に罪を逃れた加西を逮捕したい「特命係」と、加西には相当の罰を与えたいと考える「内調」――双方の利害は一致している、というのが庸子の言い分だった。

その頃、警視庁では、衣笠藤治副総監(杉本哲太)から加西を警護するよう命令が出されていた。警護命令は国家公安委員長の鑓鞍兵衛(柄本明)の差し金。一方の、内調からの“情報共有の打診”は、内閣官房長官の鶴田翁助(相島一之)の命令によるものだった。

鶴田に会いに出向いた右京と亘はそこで、加西と鑓鞍が昵懇(じっこん)だという事実を聞かされる。衣笠に加西の逮捕状の執行停止を働きかけたのは鑓鞍――それが事実なのであれば、無視できる状況ではないと右京は捉え…。

その頃、加西と仮想国家『ネオ・ジパング』が事件に関係しているという供述を翻させるため朱音静に支払われた金と、殺し屋に加西殺害を依頼した際の報酬について調べていた捜査一課の伊丹憲一(川原和久)、芹沢慶二(山中崇史)はようやく通帳の在り処にたどり着く。

買収金の支払われ方、そして殺し屋依頼の経緯が徐々に明らかになっていく中、意外な人物たちの繋がりが判明。そして加西の周辺にも新たな動きが…!

出演者

杉下右京(すぎしたうきょう)=水谷豊
冠城亘(かぶらぎわたる)=反町隆史

小出茉梨(こいでまり)=森口瑤子

伊丹憲一(いたみけんいち)=川原和久
芹沢慶二(せりざわけいじ)=山中崇史
角田六郎(かくたろくろう)=山西惇
青木年男(あおきとしお)=浅利陽介

出雲麗音(いずもれおん)=篠原ゆき子

大河内春樹(おおこうちはるき)=神保悟志

益子桑栄(ましこそうえい)=田中隆三

内村莞爾(うちむらかんじ)=片桐竜次

中園照生(なかぞのてるお)=小野了

衣笠藤治(きぬがさとうじ)=杉本哲太

社美彌子(やしろみやこ)=仲間由紀恵

加西周明(かさいしゅうめい)=石丸幹二

朱音静(あかねしずか)=日南響子

万津蒔子(よろずまきこ)=松永玲子

中郷都々子(なかざとつづこ)=織田梨沙

鶴田翁助(つるたおうすけ)=相島一之

栗橋東一郎(くりはしとういちろう)=陰山泰
柾庸子(まさきようこ)=遠山景織子

鑓鞍兵衛(やりくらひょうえ)=柄本明

ほか

 

スタッフ

エグゼクティブプロデューサー=桑田潔
チーフプロデューサー=佐藤涼一
プロデューサー=髙野渉、西平敦郎、土田真通
脚本=輿水泰弘

音楽=池頼広
監督=橋本一
ほか

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その後どうなった?(ネタバレ)

静が書いた文字の間違いだらけの手紙には「あたしの過ちの中に真実があると思う」と強調されている部分があり、誤字の部分をつなげると「ねっとでころしややとってほしい」となっていた。

加西周明と7人のボディーガードが死亡!

お金の受け渡しを仲介した都々子は手紙の仕掛けに気づいていた。都々子は、蒔子と静が殺し屋を雇うことを事前に知っていた。

 

都々子は柾庸子と個人的な親交があるらしい。同郷で、大学時代は庸子の部屋に居候していたようだ。殺し屋の情報は都々子から庸子に渡っていた。

 

加西は亘に電話で「とっとと殺し屋を捕まえてくれよ」と要求する。17日の鶴田のお誕生会に出席したいらしい。

 

その加西が、7人ものボディーガードとともに自宅で一酸化炭素中毒により死亡した。益子が聴いた話によると、加西は出張料理人を雇っていたらしい。殺し屋はコックに化けた藤原久美子という偽名の中年女だった。

都々子の6億円横取り計画は失敗に

右京と亘は、拘置所の面会室で蒔子と静に、2人の作戦は失敗に終わったと告げる。蒔子は本物の殺し屋を雇ってなどいない。騙されたのだ、と。

 

衣笠副総監は内村の追及により、忖度を認めたが、それは鑓鞍ではなく、鶴田のためのものだった。加西不逮捕の圧力は鶴田がかけたのだ。

 

法律事務所で、右京たちは弁護士の三門と都々子に証拠の封筒の束を見せる。そのうち2枚の切手から都々子のDNAが検出されていた。都々子は退職届を書くという。6億円は事務所で受け取っていたが、不渡りの詐欺によって払うべきものを払わずに済ます横取りをしようとしていたのだ。

 

不渡りのことを加西が知ったら一大事だ。しかし、加西が殺害されると知っていたら安心…三門と鶴田はつながっていた。

殺し屋を雇った本当の人物は?

黒づくめの人物がアジトのような場所に入ると、右京と亘がハサミ打ちにする。黒づくめの人物の正体は庸子だった。

 

公園で見かけられた殺し屋の正体は本物のホームレス。フェイク画像による目くらましだった。また、殺し屋が存在すると印象づけるための庸子の作戦だった。都々子から情報を受けた庸子は、蒔子に罪を押しつけて加西を殺害することにしたのだ。

 

蒔子がやり取りした殺し屋というメールの相手は庸子だった。庸子のレジ袋には、蒔子が殺し屋に依頼した1000万円が入っていた。

 

鶴田が加西逮捕を妨害したのは、守るためではなく、抹殺するためだった。庸子に指令を出したのは鶴田なのか。加西を甘やかした結果なのか。庸子は「加西は肥大化しすぎた。このままでは日本国のためにならない」として、今回の件は自分の一存だと供述する。

右京と亘の宣戦布告に鶴田は…

鶴田の部屋で亘は「我々はケンカを売りに来ているので」と鶴田を挑発し、右京も「我々は必ずあなたの悪事を暴いてみせます」と宣戦布告した。

 

真相に憤慨する都々子。拘置所で不気味に笑う静。蒔子は息子のゴーグルを装着して何かを見ている。

 

鶴田は栗橋に「杉下右京、冠城亘。消し去りたいねえ、あの二人。警視庁からじゃないよ」と電話で話し、次期シリーズに含みを持たせて最終回は終了した。

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感想など

加西周明が殺害されるという、まさかの展開になった最終回は、その首謀者と見られる鶴田内閣官房長官に特命係が宣戦布告するところまでが描かれて、【相棒20】以降に期待が高まるクライマックスとなりました。

加西周明で始まり加西周明で終わる

【相棒19第1話・第2話「プレゼンス」】は、VR(バーチャル・リアリティー)を使った仮想国家「ネオ・ジパング」が舞台となりました。

 

その「建国の父」である大金持ちの加西周明は、朱音静に6億円のプレゼントを持ちかけました。加西の要求は「白バイ隊員を撃ち殺すこと」です。人の命を奪う行為を道楽で見るために、6億円出そうというのです。

 

朱音静は、白バイ隊員の出雲麗音を銃撃しました。麗音は重体に陥りながらも、命を落とすことはありませんでした。

 

石丸幹二さんの奔放な演技で「プレゼンス=存在感」をあふれさせた加西は、衣笠副総監からの「鶴の一声」で逮捕を免れました。

 

そんな加西について右京さんは「近いうちに突き止めて必ず首を取ります」と宣言しました。

 

しかし右京さんの願いが叶うことはありませんでした。

まさか殺されてしまうとは

第1話と第2話を受けての【相棒19第19話「暗殺者への招待」】と【相棒19第20話・最終回「暗殺者への招待〜宣戦布告」】では、VRの話はほぼ出ませんでした。

 

第19話の時点で、加西が「ネオ・ジパング」を売り払ってしまいました。火消しのために朱音静に再び6億円を提示して、自分は銃撃事件とは無関係であると装い、今度は「プレゼンス」を消そうとしました。

 

しかし、時すでに遅し。

 

加西周明という「上級国民」は、他の上級国民に目をつけられてしまっていました。

その1人が、鶴田内閣官房長官です。

 

加西とつながりのある鶴田にとって、自分の思いつきで何でも言ってのける加西は、すでにコントロールのできない邪魔な存在になっていました。

 

そんな人間には、死を持って口をつぐんでもらおう。鶴田はそう企図したのでしょうか。

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【相棒】シリーズの名物キャラクターとして人気を獲得しつつあった加西周明は、7人の用心棒とともに、暗殺者によって殺害されてしまいました。

権力を持つ「上級国民」が強すぎる

6億円獲得をめざす朱音静。その手助けをする万津蒔子。お金を横取りしようとする弁護士の中郷都々子。

 

静と蒔子による加西暗殺計画について、同郷で深い親交のある都々子から情報を聴いた柾庸子は、加西を消して蒔子に罪を被せるチャンスだと思いつきました。庸子は鶴田の愛人です。

 

自ら暗殺者になりすまして蒔子を騙し、本物の暗殺者を雇って加西殺害を成功させた庸子は、刑事たちに追及されても「私の一存です」と鶴田の関与を否定しました。

 

権力を持つ者が、自分を脅かす権力を手に入れそうになる人物を消し、真実を握りつぶす…

 

権力の中にも階層があって、本当に高い位置にいてクレバーな権力者こそ、最後に笑う者になるのでしょうか。

 

しかし、そのために他人を脅かすのは許すまじ行為です。

 

たとえ加西周明が悪者であったとしても、その命が潰えさせられて良いわけがありません。

 

鶴田という巨悪に対して、特命係はケンカを売ります。右京さんは「我々は必ずあなたの悪事を暴いてみせます」と宣戦布告しました。

 

半年に渡って放送された【相棒19】は、ここで終了となりました。

早くも期待でワクワクする【相棒20】へ

「今」を大切にして番組制作に取り組む【相棒】が、今回は右京さんとその敵の対決を次期シリーズに持ち越し【相棒20】につなげる終わり方をしたのは意外でした。

 

【相棒18】の最終回で初登場した鶴田にも再登場の予感はありましたが、もし【相棒】シリーズが【相棒18】で終了して新シリーズが無くても、それなりに腑に落ちる最後ではありました。

 

しかし、ここまで鶴田がクローズアップされてくると、右京さんとの対決の続編を【相棒20】に期待してしまいます。

 

記念すべき20シリーズ目では、鶴田のほかに「ブラックパールの女」こと遠峰小夜子(西田尚美かん)との対決にも注目が集まります。

 

また【杉下右京の最大の敵】として【相棒3】から登場しながらも【相棒19】ではなんの音沙汰もなかった片山雛子(木村佳乃さん)がストーリーに再びからんでくることも考えられます。

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こうした「続きもの」としてのエピソードに興味をそそられつつも、1話ごとに丁寧な人物描写が重ねられるのが【相棒】の魅力です。

 

【相棒19】では、橋本じゅんさんが売れない役者を演じた「三文芝居」や、冴えない男と少年の交流を描いた「人生ゲーム」など、心に残る名作が続出しました。

 

加西周明の道楽のために殺されかけた出雲麗音が捜査一課に加わり、内村刑事部長がまさかの正義キャラに目覚めたことで、レギュラー陣のメリハリがつきました。


副総監と刑事部長の間で板挟みに遭う中園参事官の今後からも目が離せません。【相棒20】への期待は尽きません。

家族で安心して見られる【相棒】の完全復活

ただし「プレゼンス」と「暗殺者への招待」の計4話が【相棒20】への単なる伏線というわけではなく、それぞれに視聴者を深い思考へ誘う要素がありました。

 

第1話では現実と仮想現実の関係性。第2話では加西周明という上級国民に右京さんが牙を向いたことで、権力に負けずに強く生きるためにはどうすればよいか。

 

第19話では、登場人物それぞれの思惑の蠢きから、人が人を利用し合うことの功罪について。最終回では、上級国民であっても死ぬ時はあっけなく、翻って現実を生きる我々が生きる上で大切にするべきことは何か。

 

一時期の暴力的で暗い雰囲気のエピソードによる陰鬱さが消え、「単純に楽しい」と「深く考えさせられる」が共存した、家族が世代を超えて安心して見ていられる【相棒】が完全復活した【相棒19】。

 

【相棒20】が放送されると想定して、右京さんが鶴田や遠峰小夜子に勝つ方法を考えたり、時事問題に触れて自分なりの意見が持てるよう考察したり、そして右京さんに少しでも近づけるように知識を身につけたり、あとは…毎日、紅茶を飲みつつ「今」を生きる楽しみを積み重ねておこうと思います。