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【相棒20第15話「食わせもの」ネタバレ&感想】詐欺師・平井貞夫が罪を償ったのに再び犯罪者に?

2000年にスタートしたドラマ【相棒】の新シーズン【相棒20】が、2021年秋から2022年にかけて放送されています。

 

水谷豊さん扮する杉下右京と反町隆史さんが演じる冠城亘(かぶらぎわたる)が、警視庁のたった2人の特命係として事件を解決に導きます。

 

2022年2月9日放送の【相棒20第15話「食わせもの」】はどんな話なのでしょうか。

 

本編視聴後にストーリー(ネタバレ)と感想などを記述します。

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(画像はテレビ朝日より引用)

【相棒20第15話「食わせもの」】はどんな話?

【相棒20第15話「食わせもの」】

2022年2月9日放送

どんな話?

【相棒】公式サイトより引用

繁華街のゴミ置き場で男性の刺殺死体が発見された。被害者の風体から、カタギでないと踏んだ警察は、暴力団絡みの事件を視野に捜査を始める。

いっぽう、都内マンションの植え込みで、男性の転落死体が発見された。その映像を動画サイトで見つけた青木(浅利陽介)は、映像の中に、5年ほど前、特命係が詐欺で逮捕した平井(風間杜夫)という男が映り込んでいることに気付く。どうやら、刑期を終えた平井は現在、マンションの管理人に収まっているらしい。

興味を持った右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、独自の捜査を開始。そんな中、平井が管理人を務めるマンションに、不審な2人組の男が姿を見せていた。

男たちは麻薬の密売人で、1人は平井と面識のある詐欺師。空き部屋を密輸に利用したらしいが、問題の麻薬がマンション内で消えてしまったという。

密売人が平井を脅して、ブツを探させようとする中、右京と亘がマンションにやってくる。無関係を装い、必死に取り繕う平井だったが、右京は早くも何かを見抜いている様子で…!?

相次いで起きた刺殺と転落死に繋がりが?
キーマンは右京と渡り合う食えない元詐欺師

知恵者同士の騙し合いが、再び事件を呼ぶ!

テレ朝POSTより引用

特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は、サイバーセキュリティ対策本部の青木年男(浅利陽介)から、ある動画を見せられる。

マンションの敷地内で転落事故が起きたときの模様を住民が撮影し、動画投稿サイトにアップしたものだったが、撮影を制止しようとして映りこんだ管理人の顔を見て、右京たちは驚く。数年前、特命係や青木とだまし合いを演じた詐欺師・平井貞夫(風間杜夫)だったのだ。

すでに罪を償った平井は1カ月ほど前から管理人として働き出したらしく、すっかり更生しているように見えた。だが、彼を訪ねた右京は平井が規約を破ってこっそり防犯カメラを確認していたのを目撃、このマンションで何かよからぬことが起きていると直感する。

右京のにらんだとおり、実は平井はトラブルに巻き込まれていた。

数時間前、平井は偶然、かつての詐欺師仲間・工藤丈治(玉置孝匡)と再会。なんと工藤は、宅配便の“置き配サービス”を利用して、このマンションの空き室あてに違法薬物を送らせ、不動産業者を装って荷物を回収するウラ稼業に精を出していたのだ。

だが、届いているはずの荷物がこつ然と消失。平井は、焦った工藤から前科があることを住民にバラさないかわりに、荷物探しを手伝うよう脅されていたのだ。

工藤が荷物をくすねたとにらんだのが、空き部屋の隣室の住人・桜田美月(関谷奈津美)。平井は彼女が父・成一(樋浦勉)を献身的に介護する姿に感心していたが、工藤に強要されて仕方なく、下階で水漏れがあったと嘘をついて桜田家に侵入するが…!?

その頃、伊丹憲一(川原和久)ら捜査一課は、繁華街で起きた男性刺殺事件を追っていた。まもなく、被害者は薬物の“売人”だったとわかり…!?

主な出演者とスタッフ

出演者

杉下右京(すぎしたうきょう)=水谷豊
冠城亘(かぶらぎわたる)=反町隆史

小出茉梨(こいでまり)=森口瑤子

伊丹憲一(いたみけんいち)=川原和久
芹沢慶二(せりざわけいじ)=山中崇史
角田六郎(かくたろくろう)=山西惇

青木年男(あおきとしお)=浅利陽介

出雲麗音(いずもれおん)=篠原ゆき子

平井貞夫=風間杜夫

梅田真知=関谷奈津美

桜田成一=樋浦勉

工藤丈治=玉置孝匡

村山佳枝=大高洋子

ほか

スタッフ

脚本=山本むつみ

監督=橋本一

音楽=池頼広

エグゼクティブプロデューサー=桑田潔

チーフプロデューサー=佐藤涼一

プロデューサー=髙野渉、西平敦郎、土田真通
ほか

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その後どうなった?(ネタバレ)

右京と亘は平井が管理人を務める城谷レジデンスを訪れる。入り口で平井と話していると、父の成一を車椅子に乗せた桜田美月が来る。

 

成一は美月に対して「どちらさんでしたっけ?」と聞くなど、ボケが始まっているようだ。美月はそんな成一の車椅子の座布団の位置を直してやる。

事件に巻き込まれていく平井

その頃、殺された男の身元が判明。目黒昭夫、46歳で、翁門会(おうもんかい)でヤクの中卸をやっていたらしい。

 

殺される直前に目黒と一緒にいた男の目撃情報は、工藤丈治と一緒にいる運び屋・相川達彦とよく似ていた。

 

相原は「今夜じゅうにブツを渡さないと命が危ない」と工藤を脅し、工藤は平井に「定時をすぎたら防犯カメラのスイッチを切っておけ」と指示を出す。

 

定時の17時を迎え、防犯カメラのスイッチを押そうかどうか平井が迷っていると「いけませんよ。また犯罪に手を染めては」と声がして、右京と亘に止められる。

 

平井が懸命に水道修理詐欺行為を隠そうとすると、右京は「どうして504号室の桜田さんの部屋だけ特定して修理に入ったのか」と問いただす。右京と亘には、平井が犯罪に関わっていることはお見通しだった。

平井が提案した落とし物詐欺の真意は

平井は工藤に「あの親子はブツをくすねたものの、さばくルートはないはずだ。はした金をくれてやりゃ、ブツを返すだろう。100万円を渡して、その金もすぐに巻き上げる」と策を話す。

 

翌朝10時、いつもどおり公園に現れた桜田親子。平井は工藤に「女が紙包みを落とすから、金を入れた袋とすり替えろ」と指示。

 

しかし工藤が桜田親子に近づくと、マンション住民の村山佳枝が桜田親子に近づいて話しかける。公園の清掃業者が佳枝を桜田親子から引き離す。

 

美月が紙包みを落とし、工藤が「はい、どうぞ」と別の紙包みを渡し、すり替える。右京と亘が工藤を窃盗罪で捕まえる。

 

その様子を遠くから見ていた平井は「無事に済んだか」と安心するが、スケボーに乗ったマンション住民らしき男が平井親子に近づいていくのを見かける。それはスケボー少年に扮した相川達彦で、手にはナイフを握っていた。

 

あわてて相川を止め、手にケガをしながら美月たちを守る平井。そこに捜査一課の3人が現れ、傷害罪と銃刀法違反で逮捕。さらに目黒殺害の件でも話を聞かせてもらうと息巻く伊丹。

 

平井は詐欺師たちを裏切り、警察に協力していたのだ。平井が協力したのは自分を守るためではなく、桜田親子を守るためだった。平井に落し物すり替え詐欺を提案したのは右京たちだった。

桜田美月の正体は

右京は桜田美月に迫り「例の荷物はあなたがご存知ですよね、梅田真知さん」と訊く。

 

梅田真知は3か月前に警察官になりすまして闇カジノの売上を巻き上げる、なりすまし詐欺をしていた。その真知が、娘と何年も音信不通である桜田成一の娘になりすましていたのだ。

 

美月が梅田真知であることが顔認証システムで特定できた。本物の美月とも連絡がとれた。

 

梅田真知は荷物を横取りして、成一の車椅子の座布団の下に隠していた。

 

真知は平井に「おっちゃん、詐欺師のくせに人がいいから、騙すのに気が咎めちゃった」と本心を吐露した。

もう一人、お芝居をしていた人物が

真知が車椅子の座布団の下から白い粉が入った紙包みを取り出そうとすると、成一が「美月は俺の娘だ。娘に手を出すな。娘は渡さん」と叫ぶ。

 

「もうお芝居はしなくていいよ」と話す真知に、成一は「ニセモノで何が悪いんだ。おまえたちが余計なことしなければ、この先もうまくやれたんだ」と、自分がボケていたのは演技であったことを示した。

平井は「参ったなあ。この俺としたことが、シロウトさんにまで騙されてたわけだ」と嘆く。

結局みんな、何かになりすましていた。成一の芝居は、右京も見抜けなかったようだ。

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感想など

人は悪人から善人に戻ったとしても、ちょっとしたきっかけで悪人に逆戻りしてしまうかもしれない危うさを持つことを実感させられました。

 

この世から「詐欺」という犯罪行為は無くならないのでしょうか。

 

警察庁によると、2020年の1年間で、オレオレ詐欺や架空料金請求詐欺などの「特殊詐欺」だけでも認知件数が13550件あり、合計被害額は約285億円にのぼります。

 

【相棒】では、過去にさまざまな詐欺や詐欺師が描かれてきました。

 

2002年11月13日放送の【相棒1第6話「死んだ詐欺師と女美術館長の指紋」】では、タイトルに「詐欺師」が出てきます。殺された男はなぜ詐欺行為に加担してしまったのか、モロ師岡さんが演じる男の哀しい物語が描かれています。

 

最近では2019年放送の【相棒18第7話「ご縁」】で特殊詐欺に騙された男の世間へのささやかな復讐の話、2021年放送の【相棒19第12話「欺し合い」】で給付金詐欺グループに冠城亘が潜入する話が印象的です。「欺し合い」では「伝説の詐欺師X」と「伝説の詐欺師Y」なんていう人も出てきました。

 

【相棒20】でも第10話「紅茶のおいしい喫茶店」で、原野商法特殊詐欺が絡んできました。

 

2016年11月2日放送の【相棒15第4話「出来心」】に初登場した、風間杜夫さんが演じる平井貞夫は【相棒】ワールドの中でも最も記憶に残る詐欺師ではないでしょうか。

 

平井は、詐欺師ではありますが、根っからの悪党というわけではありません。

 

「悩みを打ち明け、心の重荷を下ろしてください。私たちがご相談に乗ります」と記した看板を掲げて「NPO法人 青空らくだの会」を営む平井は、気の弱そうな相談者たちに美人局を仕掛けて、恐喝してお金を寄付させていました。

 

そんな平井が右京さんに逮捕されたのは、柄にもない人助けをしたことがきっかけでした。右京さんに「柄にもないことをなぜしたのですか?」と訊かれて、平井は「出来心だよ。つい魔が差したってやつだ」と答えます。

 

「あの(被害にあった)ばあさんの声、ちょっと似てたんだよ。俺がムショに入ってる間に死んじまったおふくろに」と語り「最上川舟歌」を口ずさむ平井。

 

右京さんは平井に「ほんの出来心でしたことが、結果的にあなたの命を救ったのだとしたら、それは魔が差したのではなく、神が手を差し伸べたと言うべきかもしれませんね」と声をかけました。

 

詐欺師だけど根はやさしい平井を、神様が見捨てなかったのかもしれません。

 

「出来心」で右京さんにたっぷりお灸を据えられた平井が【相棒20第15話「食わせもの」】で再登場しました。

 

いつのまにか出所して、真面目にマンションの管理人として働いているようですが、再び事件に巻き込まれてしまいます。

 

昔なじみの詐欺師に過去のことで脅迫され、再び詐欺行為に加担してしまう平井。マンションの防犯ビデオのスイッチを消そうとしたところを右京さんに止められて、大やけどはせずに済みました。

 

人間は悪いことをしても、その罪を償うことでやり直すことができますが、それでもまた悪いことをしてしまいそうになる時があります。

 

そこで悪いことはもうしないと、踏みとどまれるかどうかは、なかなか難しい選択なのかもしれないと思いました。

 

平井は右京さんがいなかったら、再犯してしまったかもしれません。

 

【相棒】には「犯罪加害者のその後」を丹念に描く回があります。

 

殺人未遂罪で逮捕された月本幸子が更生し「花の里」の女将を任されるようになったのは、犯罪加害者でも罪を償えばやり直すことができる好例でした。

 

そして、平井のように、再犯をしてしまいそうになった時、止めてくれる右京さんのような人が周囲にいるということも、犯罪の抑止には大切なようです。

 

右京さんがいてくれてよかったね。

 

平井貞夫の物語を脚本で紡ぐのは「人情もの」のスペシャリストである山本むつみさんです。今回は、コメディというよりも、ほろ苦系のラストとなりました。

 

風間杜夫さんの哀愁漂う演技も素敵でした。また出てきてほしいな。

 

先週の「ディアボロス」は、岩下悠子さんの脚本らしい情報つめこみ系の名作でしたが、山本さんの、人物をたっぷりみせる脚本も見どころたっぷりですね。

 

回によって味が全然違うのも【相棒】の面白いところ。次回が楽しみです。