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【相棒20第14話「ディアボロス」ネタバレ&感想】フラワーアーティストを地獄に落とす悪魔の正体とは?

2000年にスタートしたドラマ【相棒】の新シーズン【相棒20】が、2021年秋から放送されています。

 

水谷豊さん扮する杉下右京と反町隆史さんが演じる冠城亘(かぶらぎわたる)が、警視庁のたった2人の特命係として事件を解決に導きます。

 

2022年2月2日放送の【相棒20第14話「ディアボロス」】はどんな話なのでしょうか。

 

本編視聴後にストーリー(ネタバレ)と感想などを記述します。

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(画像はテレビ朝日より引用)

【相棒20第14話「ディアボロス」】はどんな話?

【相棒20第14話「ディアボロス」】

2022年2月2日放送

どんな話?

【相棒】公式サイトより引用

右京(水谷豊)は、小手鞠(森口瑤子)の誘いで、氷室聖矢(渡部豪太)というフラワーアーティストの展覧会を見学する。

氷室は、婚約者の女性と仲睦まじい姿を見せていたが、その後、女性が氷室のオフィスで殺されているのが発見される。

捜査一課が氷室を疑ういっぽう、右京と亘(反町隆史)は、氷室と十年来の仕事仲間だという生花の卸売業者・一之瀬(冨田佳輔)から話を聞く。ところが、取り憑かれたように仕事をする氷室に、聴取を遮られてしまう。

小手鞠によると、氷室の前のパートナーは3年前に謎の失踪を遂げていて、氷室が婚約者を失うのは、これで二度目だという。

そんな中、氷室が高名な美術評論家の家に押し入る事件を起こす。評論家には、かつて氷室の個展を酷評し、活動に水を差した因縁があったが、「恨まれる筋合いはない」と憤っていた。

その頃、逮捕された氷室は、取り乱した様子で、婚約者の失踪と殺害は、「悪魔の仕業だ」とつぶやいていた。

天才アーティストに掛かる連続殺人の疑惑
フィアンセ失踪と殺害は悪魔の仕業!?
美しい花々と過去の事件が特命係を惑わせる!

テレ朝POST版

新進フラワーアーティスト・氷室聖矢(渡部豪太)のアトリエで、彼の婚約者・内田絵里奈(小池唯)の絞殺体が見つかった。

数日前、小出茉梨(森口瑤子)に誘われて氷室の個展を訪れていた特命係の杉下右京(水谷豊)は冠城亘(反町隆史)とともに臨場するが、遺体の首には美しい花が巻きついていた。驚いたことに犯人が凶器として用いたのは、針金のように強靭なツルを持つ植物“テッセン”だった。

氷室は大きなショックを受けていたが、すぐに生花の仲卸業者・一之瀬春臣(冨田佳輔)に大量の花材を仕入れるよう指示。悲しみに突き動かされるように精力的に創作をはじめ、右京らもそのエネルギーに圧倒される。

実は、氷室が婚約者を失うのは2度目で、3年前にも婚約相手の栗原玲子(新実芹菜)がこつ然と失踪した過去を持っていた。愛する玲子を失った氷室は絶望を創作にぶつけたのか、その後にフランス・パリで開いた個展が高く評価され、数々の賞に輝いたという経緯があった。

そんななか、氷室が華道家元・尾崎孝月(栗田芳宏)宅に侵入し、「絵里奈を返せ」と騒ぎ立てる事態が発生した。

高名な美術評論家でもある尾崎は度々、氷室のフラワーアートを酷評しており、氷室は自分を目の敵にする尾崎が絵里奈を殺したと考えているようだった。しかし、尾崎には確固たるアリバイがあり、むしろ氷室にこそアリバイがないのが現状だった。

2度も婚約者を失ったのは偶然なのか、亘がそう指摘すると、氷室は「すべては自分の大切なものを奪っていく悪魔の仕業」だとつぶやく…。

いったいその言葉の真意とは…!? 右京と亘は”悪魔”の正体を探るため、3年前の失踪事件を調べはじめるが…!?

 

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主な出演者とスタッフ

出演者

杉下右京(すぎしたうきょう)=水谷豊
冠城亘(かぶらぎわたる)=反町隆史

小出茉梨(こいでまり)=森口瑤子

伊丹憲一(いたみけんいち)=川原和久
芹沢慶二(せりざわけいじ)=山中崇史
角田六郎(かくたろくろう)=山西惇

青木年男(あおきとしお)=浅利陽介

出雲麗音(いずもれおん)=篠原ゆき子

氷室聖矢=渡部豪太

一之瀬春臣=冨田佳輔

尾崎孝月=栗田芳宏

内田絵里奈=小池唯

深川日菜子=新実芹菜

ほか

スタッフ

脚本=岩下悠子

監督=守下敏行

音楽=池頼広

エグゼクティブプロデューサー=桑田潔

チーフプロデューサー=佐藤涼一

プロデューサー=髙野渉、西平敦郎、土田真通
ほか

その後どうなった?(ネタバレ)

氷室聖矢と栗原玲子が笑顔で話している画像が気になる右京。鑑識で拡大鮮明化してもらった物を見ると、帰国子女の栗原玲子は背中の後ろでフィンガーズクロスを作っていた。アメリカ映画などでよく見る十字架を表すジェスチャーだ。

 

フィンガーズクロスは幸運の祈りのほかに、心にもないことを口にした時にバチが当たらないためのおまじないとして背中で作ることもあるという。

 

画像では氷室と玲子が愛を語り合っているように見えるが、その愛がニセモノだったとしたら。

亘「悪魔の正体、必ず暴いてみせます」

内田絵里奈の口座に、氷室と出会った頃の昨年12月に300万円、2人が婚約した時期に300万円が何者かから振り込まれていた。報酬が支払われていたのか。

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栗原玲子の愛情がニセモノだとしたら、内田絵里奈の愛情もニセモノだったのではないか。2人を動かしていた人物こそ、悪魔だ。

 

亘は尾崎の家へ。

 

6年前、尾崎に作品を酷評された氷室はしばらく活躍の場に恵まれず不遇の時期を過ごした。しかし独自の芸術世界を深め、徐々に業界での評価を確立。1年後、ニューヨークでおこなわれる企画展のメンバーに選出された。しかし、突然メンバーから外されていた。当時、誰かが裏で手を回していたらしい。

 

その人物こそ、悪魔だ。「悪魔の正体、必ず暴いてみせます」と尾崎に言う亘。

フラワーアートの世界は花にとって残酷?

右京は一之瀬を訪ねる。悪魔について心当たりがないかと訊くと「彼を憎んでいる人は大勢いますよ。才能がある人間は嫉妬される。世の常でしょ」と言う。「どれほど地位の高い人間にも妬みの感情はありますから」と尾崎が悪魔である可能性も否定しない。

 

「では、あなたはどうでしょう」と訊く右京。「僕は彼のパートナー。いえ、共犯者ですから」と否定し「花を用いた芸術は、ある意味、罪なんです。植物にとっていちばん自然なのは、誰にも摘まれることなく野山で命をまっとうする生き方です。なのに僕たちは、花の命を絶ちきり、すでに完成された美を破壊して、新しい世界を再構築している」と話す。

 

「残酷でしょ」と問い返す一之瀬に右京は「しかしその残酷さがなければ、花に新しい命を吹き込むことができない」と答える。

 

一之瀬は右京にブルースターをプレゼントする。そこに氷室が来て、机に突っ伏す。介抱する一之瀬。

 

その頃、青木から特命係の情報を仕入れた伊丹、芹沢、麗音の3人は、青木に栗原玲子を捜し出すよう命令する。

氷室聖矢の壮絶な生い立ち

「こてまり」で料理をつつく右京と亘。小手鞠によると、氷室にとってユリの花は愛と悲しみの象徴なのだという。3年前のパリでの個展もユリを使った作品が多かった。

 

氷室の生い立ちは壮絶だった。両親に捨てられて、親戚中をたらい回し。学校でもいじめに遭って、通学路に咲く花だけが心のなぐさめだった。子供の頃から花だけが友達だったとインタビューで話したこともあるようだ。

 

また、赤坂の花屋で働いていた氷室は、最初は配達をしていたが、料亭の主人が床の間を任せたら客に大好評となり、他のお店でも氷室に飾り花を任せるようになったという。

 

赤坂あたりの飾り花を氷室が任されるようになったということは、それまで任されていた人たちは、お役御免ということだ。

有明流家元の人に言えない秘密とは?

右京が赤坂の料亭の主人に話を聞く。赤坂ではもともと有明流の人々が花の仕事をしていたという。主人は「弟子のお株を奪われて家元は面白くなかったでしょうね」と振り返る。家元は尾崎だ。

 

その尾崎には、若さの秘密があるという。

 

亘は尾崎家へ。有明流の特徴は精神性を大事にする点である。小手先のテクニックに溺れるのを良しとしない。大切なのは紋切り型の技術ではなく、心。花と共鳴する瑞々しい感性だ。

 

亘は、その瑞々しい感性を尾崎が保つために、少年少女を利用していると指摘する。尾崎のインスピレーションの源はヌードモデルだった。

 

「何の話だかわからんね」と去ろうとする尾崎に、尾崎の妻が「あなた、もう話しておしまいなさいな」と諭す。

 

6年前、電話で尾崎に「少年少女をヌードモデルにしていることが公になったら大問題ではありませんか」と脅迫してきた男がいた。男は尾崎に、氷室の個展を酷評し、業界に働きかけて彼から活躍の場を奪い去ってほしいと頼んだ。

 

その頃、捜査一課の3人は栗原玲子の身柄を確保する。玲子の本名は深川日菜子。日菜子は仮想通貨に手を出して借金を作ってしまった。SNSで愚痴ったら連絡してきた男がいて、氷室に近づき恋人関係になれと持ちかけてきた。結婚の約束をして、彼の前から姿を消して、しばらく東京から離れていろと。報酬は何度かにわけて振り込まれた。

 

依頼人は「氷室が潰れる姿を見たい。精神的ダメージを与えて創作活動なんか手につかなくなるようにしてやりたい」と語っていたという。

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悪魔の正体は…

依頼人は…10年前の有明流会員名簿に載っている、一之瀬だった。

 

かつて一之瀬は有明流の若手ホープだった。赤坂あたりの老舗料亭から飾り花を任されていた。しかし、氷室が現れた。

 

才能の差を見せつけられた一之瀬はクリエイターとしての自分に見切りをつけた。

 

一之瀬は3人の人物に指示を出していた。日菜子、尾崎、絵里奈だ。

 

10年近く、一之瀬は氷室のそばで氷室を潰すチャンスを伺っていた。まず尾崎を利用。

 

しかし氷室はしぶとく創作活動を続けた。ならば気力を奪ってやろうと、日菜子に声をかけた。だが、愛する女性を失ったショックも氷室から創作意欲を奪うきっかけにはならなかった。愛と喪失をテーマにした個展は海外で高い評価を受けた。

 

一之瀬はもう一度打ちのめしてやろうと思った。しかし差し向けた内田絵里奈は氷室を本気で愛してしまった。計画に狂いが生じ、一之瀬と絵里奈の間にトラブルが発生した。

 

絵里奈を殺したのは一之瀬だ。「なぜそうだと?」と問う一之瀬に右京は「花粉ですよ」と答える。

 

絵里奈が殺害された翌朝、右京が初めて一之瀬と会った時、一之瀬のシャツには花粉がついていた。一之瀬は花粉を払い落とそうとしたが容易には落ちなかった。粘着性があったからだ。褐色で粘着性がある花粉といえばユリの花。

 

あの日の朝、一之瀬は市場でユリを仕入れた。そして同じ日、氷室は一之瀬に「カサブランカだ。それにコンカドール、イザベラも大量に仕入れてくれ」と頼んだ。いずれもユリの品種だ。

 

一之瀬は氷室がユリを使った作品を作り始めることを見越していた。それはなぜか。氷室が再び愛する女性の喪失を体験すると知っていたから。事件がの連絡を受ける前から、一之瀬は絵里奈が死んだ事実を認識していた。

 

亘は「他人の才能ってそんなに憎いですか。たかが嫉妬で人生、棒に振るなんて」と嘆いた。

悪魔のとる行動が矛盾している?

一之瀬を連行していく伊丹たち。

 

右京は一之瀬の行動に矛盾を感じていた。一之瀬は氷室を潰そうとする一方で、氷室が早々に創作活動に入れるように花を手配していた。悪魔のとる行動として矛盾してはいないか。

 

伊丹から亘に、一之瀬が死んだと連絡が入る。毒を飲んだようだ。一之瀬は被疑者死亡のまま書類送検となった。

 

一之瀬は氷室に手紙を書いていた。そこには一之瀬が絵里奈を殺した理由は「別れ話のもつれ」と書かれていたようだ。氷室の知らないところで絵里奈と…?

 

そんな氷室の次回の個展タイトルは「ディアボロス」。ギリシャ語で「悪魔」という意味だ。

 

氷室は「悪魔と刺し違えるような、そんな作品を作ってやる」と意気込む。

ひょっとして犯人の真意は…

「一之瀬はなぜあんな作り話を書き残したんですかね」と疑問を口にする亘に、右京は「氷室さんの苦しみを、より深めるためでしょう」と返す。「我々もまた、作り話を聞かされたのかもしれません。一之瀬さんは最後まで本当の動機を隠していたのではないか」

 

一之瀬がもたらした苦しみは、結果的にすべて氷室の才能を刺激し昇華させた。彼は生涯かけて、氷室聖矢という1輪の花を咲かせようとしていたのではないか。

 

悪魔の役を自ら買ってでた…。一之瀬がしたことは、すべて氷室の才能への献身だったのか。

 

一之瀬が死んだ今、もはや確かめる術はない。

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感想など

殺人の動機は嫉妬によるものなのか、それとも愛ゆえなのか。犯人が死んでしまった以上、真実は闇の中に葬られてしまいます。犯人が自殺して死んでも、その心に棲んでいた悪魔は生き続けることになるのかもしれないな、と思いました。

 


岩下悠子さんの脚本が【相棒】に帰ってきました。岩下さんは【相棒3】から【相棒7】までの間に12本(うち1本は脚本協力)を担当した、亀山薫時代のメイン脚本家さんの1人です。

最近は「科捜研の女」などでの脚本執筆が目立っていましたが、じつに13シーズンぶり、2008年放送の【相棒7第4話「隣室の女」】以来の【相棒】復帰です。

【相棒20第14話「ディアボロス」】は、今シーズンの【相棒】の中でも屈指の「複雑な人間関係」と「どんでん返し」と「重いテーマ性」を併せ持つ、屈指の傑作となりました。

 


今回の作品の後味を(いい意味で)悪くしたのは、犯人が自殺してしまった点です。

犯人は嫉妬と憎しみから犯行に及んだのか、それとも献身のためか。

一之瀬春臣は、有明流の会員として、赤坂の料亭などで飾り花の仕事をしていました。

そこに現れたのが氷室聖矢でした。氷室は飾り花で才能を見出され、一之瀬の仕事は奪われていきました。

この時、一之瀬はクリエイターとしての自分に見切りをつけています。

以後、一之瀬は氷室のパートナーとして仕事を続けるわけですが。

クリエイターとしての自分に見切りをつけた時に、一之瀬が氷室に嫉妬や憎しみを抱いたのか、それとも、氷室の才能を伸ばすために献身しようと思ったのか、どちらに振れたのかが大きな分かれ目になります。

 


人間の素直な感情として、自分の活躍の場を奪われたら相手を恨むこともあるでしょう。しかし、相手がすごすぎる人だったら、恨む気持ちも起きないかもしれません。

たとえば、野球界にいる人で、自分を追い越していった相手がイチローや大谷翔平だったら、恨みを抱く間もなく「仕方ないな」と納得してしまうのではないでしょうか。

恨むよりも、凄すぎる人物を応援する気持ちから献身する場合もあるでしょう。

氷室のフラワーアーチストとしての才能も世界的に認められるほどのものだったので、一之瀬が「こりゃすごいや」とたまげて献身を選ぶことも充分にありえます。

 

 

だとしても、献身のやり方が狂っています。

有明流の家元を脅して氷室の作品を酷評させる。わざと女を氷室に近づけて失踪させる。氷室に強大な試練を与えているのです。

氷室が絶望に折れてしまうことも考えられます。しかし一之瀬が「献身」の気持ちからこれらの行動を起こしていたのなら、氷室は一之瀬が作った障壁を越えられると信じていたのでしょう。

それくらいで折れてしまったのでは、最強のフラワーアーチストになれないぞと、叱咤激励の意味もあったかも。

しかし、献身するなら、もっと他に方法があったはずです。

やはり嫉妬と恨みから、氷室を地獄の底に叩き落としてやろうという悪意が膨れ上がっていたのではないでしょうか。

 


表面上は相手のいちばんのパートナーとして接し、裏では相手を地獄に落とす手引きをしている…。

最悪です。しかし、嫉妬や恨みは人を悪魔にします。嫉妬や恨みを通り越して、相手を貶めることで快楽を求めてしまう人もいます。

一之瀬という悪魔は、もし内田絵里奈との間でトラブルが起きなければ、延々と氷室への裏切り行為を続けていたかもしれません。

そんな人物に改心を促すのが、自らの犯罪を償うという行為です。人を殺したらそれに見合う刑期を贖罪にあて、人生をやり直すことができます。殺された人は人生をやり直せないけれど、殺した人は人生をやり直せるチャンスが与えられます。

しかし、一之瀬は死を選んでしまいました。「死んで詫びる」という行為で、被害者が詫びを受け入れられずはずがありません。

一之瀬は死んでしまったけれど、その心に棲みついていた悪魔は、消えていないかもしれません。

氷室の記憶には自分を裏切り続けた男のことが残ります。そして、彼の次の個展のタイトルは「ディアボロス=悪魔」です。

3年前の個展の際には喪失と悲しみをテーマにひていました。氷室の創作活動には負の感情がつきまとっています。

しかし、一之瀬が消え、時間が経てば悪魔の存在も見えなくなり、負の感情とは正反対の気持ちをフラワーアートで表現する時間が訪れるかもしれません。

氷室が悪魔を払拭できるよう願うばかりです。

 

 

「悪魔」の反対語は「天使」または「神」です。悪魔にはなりたくないとして、神になるのは大それているかな。だとしたら、人間は天使になるように努力するのが望ましいのでしょうか。

「天使…キリスト教で、天の使いとして人間界に遣わされ、神の心を人間に、人間の願いを神に伝えるもの。」

うーん、よくわかりませんが。「比喩的に、やさしくいたわりぶかい人。きよらかな人。」

あ、これ、右京さんだ。

これからは天使をめざしてみようと思います。

声に出して読みたい右京さんのセリフ

「カサブランカ。コンカドール。イザベラ。いずれもユリの品種名です。不思議ですねえ。まるであなたは氷室さんがユリを注文することをあらかじめ知っていたかのようです。そう、あの日あなたは氷室さんがユリを使った作品を作り始めることを見越していた。それはなぜか。彼が再び愛する女性の喪失を体験すると知っていたからですよ。つまり事件の連絡を受ける前から絵里奈さんが亡くなった事実を認識していたとしか思えないんですよ!」

「一之瀬さんは最後まで本当の動機を隠していたのではないか。一之瀬さんがもたらした苦しみは結果的にすべて氷室さんの才能を刺激し昇華させた。彼は生涯かけて、氷室聖矢という一輪の花を咲かせようとしていたのではないか。僕にはそう思えるんですよ。もはや確かめるすべはありませんが」