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【相棒20第13話「死者の結婚」ネタバレ&感想】多岐川未来ちゃん行方不明事件の哀しい結果とやさしい嘘

2000年にスタートしたドラマ【相棒】の新シーズン【相棒20】が、2021年秋から放送されています。

 

水谷豊さん扮する杉下右京と反町隆史さんが演じる冠城亘(かぶらぎわたる)が、警視庁のたった2人の特命係として事件を解決に導きます。

 

2022年1月26日放送の【相棒20第13話「死者の結婚」】はどんな話なのでしょうか。

 

本編視聴後にストーリー(ネタバレ)と感想などを記述します。

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(画像はテレビ朝日より引用)

【相棒20第13話「死者の結婚」】はどんな話?

【相棒20第13話「死者の結婚」】

2022年1月26日放送

どんな話?

【相棒】公式サイトより引用

ある日、伊丹(川原和久)のもとに、所轄時代に世話になった黒瀬という先輩刑事が訪ねてくる。現役時代、似顔絵捜査官だった黒瀬は、現在ボランティアで『冥婚絵』を描いているという。

冥婚とは、未婚のまま亡くなった人の遺族が、弔いのため仮想の結婚式をあげる風習のこと。

黒瀬は数か月前、多岐川という夫婦からの依頼で、13年前に行方不明になったままの、未来という名の娘の冥婚絵を描いたのだが、最近になって、その絵とそっくりの若い女性が、多岐川家にいるのを見たという。

しかし、行方不明だった少女が保護されたという報告はなく、伊丹は取り合わなかったが、興味を持った右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は独自の捜査を開始する。

そんな中、引きこもりの男性が刺殺される事件が発生。その現場から、なぜか問題の冥婚絵が見つかる。

さらに、右京と亘が多岐川家を訪ねると、確かに絵と似た若い女性が、そこにいた。ただ、それは遥香(山本舞香)という親戚の娘で、未来の従姉妹だという。しかし、調べを進めると、思いも寄らない事実が判明して…!?

結びつく13年前の少女失踪と現代の殺人
解明の鍵は、元刑事が描いた冥婚絵!?
家族への思いが意外な真相をあぶり出す!

テレ朝POST版

捜査一課刑事・伊丹憲一(川原和久)のもとを、元似顔絵捜査官・黒瀬和成(勝部演之)が訪ねて来た。黒瀬は1枚の絵のコピーを手に、13年前の失踪事件について確認に来たと話す。

興味を抱いた特命係の杉下右京(水谷豊)、冠城亘(反町隆史)が話を聞くと、その絵は13年前、学校帰りにこつ然と姿を消した当時10歳の少女・多岐川未来(加川心菜)の“冥婚絵”だという。

冥婚とは、未婚のまま若くして亡くなった故人の死後の世界での幸せを願い、仮想の結婚式を挙げる風習のこと。

黒瀬は定年退職後、ボランティアで“冥婚絵”を描く絵師として活動をしており、2カ月ほど前、未来の父・直樹(筒井巧)、母・愛子(宮田早苗)に依頼され、23歳になった彼女を想像してウエディングドレス姿の絵を描き上げたらしい。

ところが、3日前、多岐川家の庭先で自分が描いた肖像とそっくりな若い女性を目撃。未来が無事戻ってきたのか気になって、かつての後輩・伊丹のもとに確かめに来たと打ち明ける。

だが、未来が保護されたという報告は入っていなかった。気になった右京たちが多岐川家を訪問すると――現れたのはホクロの位置まで冥婚絵と同じ女性・菅原遥香(山本舞香)。

愛子によると遥香は未来の従姉妹だというが、右京は愛子が「未来を助けられなかったのは私にも責任がある」ともらしたひと言に引っかかりを感じる。

調べたところ、愛子が事件直後、未来のランドセルを持った男を目撃していたことがわかるが…!?

そんな中、フリーター・西條雅弘(横井翔二郎)が自宅で刺殺されていたのが発見された。

彼は人づきあいを極端に避けて暮らしていたようだったが、部屋の中からなぜかプリントアウトされた未来の冥婚絵が見つかった。

新たに起きた殺人事件、多岐川家にいた謎の女、そして13年前の失踪事件――冥婚絵によって結びついた事件の真実とは…!?

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主な出演者とスタッフ

出演者

杉下右京(すぎしたうきょう)=水谷豊
冠城亘(かぶらぎわたる)=反町隆史

小出茉梨(こいでまり)=森口瑤子

伊丹憲一(いたみけんいち)=川原和久
芹沢慶二(せりざわけいじ)=山中崇史
角田六郎(かくたろくろう)=山西惇

青木年男(あおきとしお)=浅利陽介

出雲麗音(いずもれおん)=篠原ゆき子

益子桑栄(ましこそうえい)=田中隆三

菅原遥香=山本舞香

黒瀬和成=勝部演之

多岐川未来=加川心菜

多岐川愛子=宮田早苗

多岐川直樹=筒井巧

西條雅弘=横井翔二郎

松尾紗月=街田しおん

ほか

スタッフ

脚本=川﨑龍太

監督=権野元

音楽=池頼広

エグゼクティブプロデューサー=桑田潔

チーフプロデューサー=佐藤涼一

プロデューサー=髙野渉、西平敦郎、土田真通
ほか

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その後どうなった?(ネタバレ)

右京は未来と西条が通っていたピアノ教室で講師の松尾紗月に話を聞く。教室には紗月と生徒が写った何枚ものスナップショットが飾ってあった。

 

亘は西条家の仏壇の裏から未来の手袋を発見する。

帰ってきた娘は本物なのか?

右京と亘は多岐川家に行き、似顔絵の男を本当に見たのかと問い詰める。愛子は「顔は一瞬しか見ていなかった」と答える。

 

突然、愛子が倒れる。遥香が駆け寄り「お母さん!」と叫ぶ。直樹は「愛子は末期ガンで余命3か月」と話す。遥香が走り去り、特命係の2人が追う。

 

遥香は黒瀬の家に来て「お母さんは犯人の顔が見えなかった。なのになんであんな似顔絵が書けたの?」と問い詰める。場をおさめる右京と亘。遥香は出ていってしまう。

 

似顔絵は、少女拉致監禁の前科がある工藤雄一郎の仕業に違いないと思い、工藤の写真を見て描いた、黒瀬がねつ造した物だった。

 

犯人は工藤ではなく西条で間違いないだろう。

 

黒瀬が受けた「冥婚絵を見て目が覚めました。僕が未来ちゃんを殺して遺体を山に埋めました」と話す電話の主も西条だ。

 

しかし、当時、高校生だった西条が1人で未来を殺し山に埋めたとは考えられない。右京は「1人、心当たりのある人物がいます」と言う。

真相は?

ピアノ教室のスナップショットに写る紗月は西条とペアのブレスレットをしていた。西条の遺体についていた長い髪は松尾紗月の物だ。西条の共犯者で、西条を殺したのは紗月。

 

未来は13年前に失踪した日、ピアノのレッスンは無かったが、前日に忘れていった手袋を取りにピアノ教室に来た。

 

そこで、松尾紗月と西条が男と女の関係になっている秘密を見てしまった。

 

秘密を知られた西条が未来を追いかけると、未来が階段から転落死してしまった。

 

紗月は夫もいて、教室や生徒のこともあるため隠すことを決意。未来をトランクに入れた。

 

西条がランドセルを捨てに行く時に、愛子に目撃された。西条はランドセルと一緒に手袋も捨てろと命じられていたが、捨てられなかった。

 

未来の遺体は、山の中で発見された。

やさしい嘘の連鎖

運河沿いの公園で、右京と亘は遥香の正体をガールズバーで働いていた梶本彩奈であると暴く。

 

過去に青木年男が彩奈のカモに遭ったことで正体がわかった。彩奈の目の下のホクロはつけボクロだった。

 

彩奈が店の前で客引きをしていた時、未来に似ている彩奈を見て勘違いした直樹が「未来、お父さんだよ」と近づいてきた。

 

直樹は余命短い妻のために、未来が無事で見つかったと安心させてあげたい気持ちから、彩奈に未来のフリをしてくれるよう頼み、彩奈は未来として多岐川家に行った。

 

彩奈の話では、愛子は彩奈が未来ではないことに気づいているという。愛子は直樹のやさしさをくんで気づかないふりをしているのだ。

 

愛子は彩奈が来てから加減がよくなったという。13年もの間、止まっていた時計の針が動き出したからだろうか。

 

右京たちは彩奈を捕まえることなどせず、未来になりきって多岐川家に戻る彩奈を送り出した。

伊丹刑事の感謝

「こてまり」に右京と亘が来ると、伊丹が待っていた。

 

伊丹によると、黒瀬は自分がしたこととようやく向き合うことができたようで、多岐川家に謝罪に行くという。

 

冥婚絵と特命係によって解決できた事件。伊丹は自分の分だけではなく、右京と亘の分のお代も払い、静かに店を出た。

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感想など

夫も妻もその「娘」も嘘をついて暮らす家族ですが、13年前に亡くなった本当の娘の気持ちを考えると、それは「ついてもいい嘘」だったのかな、と思いました。

 

13年前。多岐川未来は、ピアノ教室に手袋の忘れ物をしてしまいました。

 

翌日、未来にレッスンの予定はありませんでしたが、手袋をとりにピアノ教室に行きました。未来が扉を開けると、そこでは講師の松尾紗月が生徒の西条雅弘に「性」のほうのレッスンをしていました。

 

秘密を知られた西条が未来を追いかけると、未来は階段から転落死してしまいます。紗月は「隠さなきゃ」と言いました。

 

こうして「多岐川未来ちゃん行方不明事件」は作り上げられました。

 

もし死んだ未来に心があるのなら、犯人を憎み、大切に育ててくれた両親に真実を告げたいと思うでしょう。

 

しかし、捜査を担当した刑事の思い込みが似顔絵となり、まったく別の犯人像を浮かび上がらせます。

 

未来の事件は「限りなくクロに近い容疑者がいるが、証拠がない事件」扱いになってしまいました。

 

なんとか両親の気持ちを安心させてあげたいという気持ちが、父の直樹とガールズバー店員の梶本彩奈を引き合わせたのかもしれません。

 

直樹は彩奈のことを未来だと間違えてしまいます。彩奈が未来ではないとわかると、今度はお金をたくさんあげるから、協力してほしいと持ちかけます。

 

直樹の妻を思う気持ちが嘘を作り上げました。

 

しかし、それはやさしい嘘。彩奈は未来として「13年ぶりの生還」を果たしました。男に監禁されていた、警察には言わないでほしい、と嘘をついて。

 

愛子は、どうやら未来が本物ではないと気づいている様子。


余命3か月の妻を安心させたい夫。
夫の気持ちに共感し協力する彩奈。
夫の気持ちをくんだ妻。

 

「家族3人」が3人とも「やさしい嘘」をついて送る生活です。

 

未来は空の上から微笑みつつ見つめていたのではないでしょうか。

 

そして、山の中から未来の遺体が発見されました。

 

ドラマの中では触れられませんでしたが、当然、遺体の身元確認のために多岐川夫妻に連絡がいき、本物の娘は無惨に殺害されていたことを知る時が来ます。

 

嘘は明らかにされますが、3人ともに温かい気持ちで心からの笑顔を見せることができるでしょう。

 

そんな、やさしい嘘。

テレ朝POSTの記事によると、梶本彩奈役を演じた山本舞香さんは「とても緊張しました」とのことですが「監督とはご一緒するのが2回目だったので、お話をいただいたときに連絡をして、たくさん役についてお話をしました。理解が難しいところは細かく話し合いをさせていただきました」との語る通り、彩奈の繊細な心情が伝わってきました。

 

そして。

 

今回は、なんといっても「伊丹刑事が所轄時代にお世話になった」元刑事役の勝部演之(かつべ・のぶゆき)さん。

 

勝部さんといえば【相棒】記念すべき第1作で捜査一課の金子警部を演じた人です。伊丹刑事は金子警部のもとで、亀山薫が容疑者となった事件の捜査をしていました。それから21年半ぶりの「上司と部下」。

 

勝部さんは他にも脇役で【相棒】に出演されていますが、これからもいろんな役で何度でも出てきてほしい役者さんです。

 

【相棒20】。楽しみつつ考えさせられる名作回が続いていて、嬉しい限りです。

声に出して読みたい右京さんのセリフ

「あなたが失いたくなかったもの。それよりはるかに多くのものを未来ちゃんとその家族が失い、今も取り戻せずにいます。その喪失感と絶望をあなたは一度でも考えたことがありましたか…ありましたか!」