雑記とかドラマ【相棒】の魅力とか!

2022年はドラマ「相棒」関連の記事が中心です。

【相棒20第3話「復活~最終決戦」ネタバレ&感想】よみがえる「死者」たち。小野田官房長もまさかの復活??

2000年にスタートしたドラマ【相棒】の新シーズン【相棒20】が、2021年秋から放送されています。

 

水谷豊さん扮する杉下右京と反町隆史さんが演じる冠城亘(かぶらぎわたる)が、警視庁のたった2人の特命係として事件を解決に導きます。

 

2021年10月27日放送の【相棒20第3話「復活〜最終決戦」】はどんな話なのでしょうか。

 

今回のゲスト登場人物たちは過去回でどう動いたのか、超ざっくり紹介し、本編視聴後に第3話のストーリー(ネタバレ)と感想などを記述します。

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(この記事の画像はテレビ朝日から引用)

超ざっくり!【相棒20】第2話につながる過去のストーリーはどんな流れだった?

【相棒20第1話~第3話「復活」】では、内閣官房長官・鶴田翁助(つるた・おうすけ)と特命係の対決が過熱します。

 

鶴田、内閣情報調査室の栗橋東一郎や柾庸子、IT長者の加西周明、元弁護士の中郷都々子らが、これまでどのようにストーリーに絡んできたのか、振り返ります。

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【相棒18最終話「ディープフェイク・エクスペリメント」】

2020年3月放送

鶴田翁助(つるたおうすけ=相島一之さん)、栗橋東一郎(くりはしとういちろう=陰山泰さん)、柾庸子(まさきようこ=遠山景織子さん)が初登場

元東亜ダイナミクス社長の桂川宗佐が、自宅寝室で殺害される事件が発生。

 

殺害犯である研究者・鬼石美奈代のディープフェイク技術を利用していた内閣官房長官の鶴田や内閣情報調査室の栗橋、庸子らは美奈代が犯人であると知られると具合が悪いため、美奈代を遠い場所にかくまっていました。

 

美奈代は逮捕されたものの、庸子は事情聴取されただけで釈放されます。内村刑事部長いわく「触らぬ神に祟りなし」。右京さんの追及は、悪の本丸までは届きませんでした。

【相棒19第1話〜第2話「プレゼンス」】

2020年10月放送

加西周明(かさいしゅうめい=石丸幹二さん)が初登場

白バイ隊員だった出雲麗音(いずもれおん=篠原ゆき子さん)を朱音静が襲撃した事件や、万津幸矢がビルの壁をよじ登って転落死した事件を主導したのは、IT長者でVR国家「ネオ・ジパング」のボスである加西周明でした。

 

加西は連行されるも、衣笠藤治(きぬがさとうじ=杉本哲太さん)副総監の鶴の一声によって、逮捕されずに釈放されます。

 

甲斐峯秋(かいみねあき=石坂浩二さん)によると、かなり上の人間の意向が働いたとか。警視総監や警察庁長官より、もっと上の…

【相棒19第19話〜最終話「暗殺者への招待」】

2021年3月放送

中郷都々子(なかざとつづこ=織田梨沙さん)が初登場

衣笠副総監に加西不逮捕の圧力をかけたのは鶴田でした。(「鶴の一声」は「鶴田の一声」のこと??)

 

弁護士の中郷都々子は事務所の代表である三門安吾の指示を受け、加西周明が罪を逃れるために用意した大金の横領に関与。しかし特命係に悪事を暴かれて、都々子は事務所に辞表を出します。

 

その後、加西は内調の柾庸子が雇った殺し屋に殺害されてしまいました。鶴田が加西逮捕を妨害したのは、加西を守るためではなく、抹殺するためです。

 

加西とつながりのある鶴田にとって、自分の思いつきで何でも言ってのける加西は、すでにコントロールのできない邪魔な存在になっていたようです。

 

鶴田の愛人とみられる庸子は、今回の件は自分の一存だと供述します。

 

鶴田の部屋で亘は「我々はケンカを売りに来ているので」と鶴田を挑発し、右京さんも「我々は必ずあなたの悪事を暴いてみせます」と宣戦布告。

 

鶴田は栗橋に「杉下右京、冠城亘。消し去りたいねえ、あの二人。警視庁からじゃないよ」と電話で伝えます。

【相棒20第1話「復活〜口封じの死」】

2021年10月13日放送

「こてまり」を訪れた鶴田が、柾庸子が拘置所で自殺したことを右京と亘に告げます。

 

庸子の死に納得できないのは、幼なじみの都々子。都々子は父・三門安吾の事務所から加西周明の「切り札」である鍵を盗み出し、特命係に調査を依頼します。しかし鶴田らのディープフェイク技術による策略で鍵の窃盗犯として逮捕されてしまうのは亘。鍵は警視庁から鶴田に渡ります。

 

栗橋がスポーツジムで汗を流している謎の女に電話で「決行してくれ。君のタイミングでかまわない」と伝え、女は満面の笑みを浮かべます。

 

亘は拘置所の独房で仮病を使って大騒ぎし、夜中に仮病を使って東京拘置所医務部病院に運ばれ、医務室から脱走するも、すぐに捕まってしまいます。連行される際に、入院患者の青年が「いい加減にしろよ。先週の夜に続いて今夜もか。まーた自殺騒ぎかよ。うっせーわ!」と叫ぶのを聞きました。

 

先週の夜…柾庸子が自殺した日…庸子は病院に運ばれていた…遺体の写真を見る限り、庸子は蘇生の見込みがなかったと思われる…そんな状況で看護師があわただしく走ったりしない…走るという行為は自殺を図ったがまだ息がある段階で運び込まれてこそだ…命をつなぎとめるのに一刻を争うから騒ぎにもなる…そうなると、遺体の写真とは矛盾が生じる…

 

右京と亘が都々子のマンションに行くと、都々子は自室のベッドで、手にナイフを持ち、手首から血を流して、息絶えていた!

【相棒20第2話「復活〜死者の反撃」】

2021年10月20日放送

右京たちが到達した加西周明の持ちビルの一室に、PCやVRゴーグルが並ぶ部屋があり、右京がPCを操作すると「加西周明の館」という画面が開きます。

 

また、そのビルで男を若い確保。庸子の死の際に「法務省のサノ」を名乗って庸子の叔父である七平や担当検事の階真(きざはしまこと)に接触したという鷲見三乘(すみみのる)という人物でした。26歳の元刑事で、現在は内調からの仕事の依頼を受けていたと思われます。

 

その頃、マリーナでスポーツジムにいた謎の女の死体が発見されました。遺体の身元確認に呼ばれたのは栗橋。右京が遺体を確認すると、女は加西周明を殺した「太った殺し屋の女」で、整形と肉体改造で姿を変えていました。

 

鶴田と衣笠副総監は社美彌子と交渉し、右京の鍵泥棒の件で甲斐峯秋を破滅に追いこまない条件として、鷲見の返却を要求、鷲見は釈放されます。

 

鷲見の後ろには栗橋、そして鶴田がいる…。


青木が、加西周明の持ちビルにあったパソコンにバックドアを仕掛けていました。特命係の部屋でVRゴーグルを装着しヴァーチャル世界の「加西周明の館」に忍者姿で入っていく右京、亘、青木!

 

さあ、どうなる、最終決戦!

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第3話「復活~最終決戦」はどんな話?

【相棒20第3話「復活~最終決戦」】

2021年10月27日放送

どんな話?

【相棒20】公式サイト版より引用

右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、青木(浅利陽介)をともなって、加西周明(石丸幹二)が生前、準備していた仮想現実の世界に足を踏み入れる。そこに、官房長官・鶴田翁助(相島一之)の“弱点”が隠されていると踏んだ右京たちは、加西のアバターに案内されるまま歩を進めるが…。

いっぽう、元内閣情報官の栗橋(陰山泰)は、柾庸子(遠山景織子)の一件をめぐって捜査一課から厳しい追及を受けていたが、関与が疑われる鶴田をかばってか、完全黙秘を貫いていた。

同じ頃、警視庁では、異例の事態が起きていた。広報課長を務める美彌子(仲間由紀恵)に辞令が下り、思わぬポストに異動することになったのだ。背後には鶴田の手引きや美彌子の思惑があるとみられるが、真相は不明。

そんな中、鶴田は加西が握っていたと思われる、自身の“弱点”を潰しに掛かるが…!?

【テレ朝ポスト】版より引用

特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は、サイバーセキュリティ対策本部の青木年男(浅利陽介)がひそかに仕込んでおいた入り口から、IT長者・加西周明(石丸幹二)が遺したVR(バーチャルリアリティー)空間に入り込むことに成功。

“加西周明の館”と名づけられたそのVR空間にはナビゲーター役の執事がおり、アバターとなった3人は案内に従って歩を進めていく。ところが、突如、視界が暗転! 3人は、加西が張りめぐらせていた罠に突き落とされてしまい…!?

その頃、捜査一課の取り調べを受けていた内閣情報官・栗橋東一郎(陰山泰)は、柾庸子(遠山景織子)の自殺に関することのみ、頑なに黙秘を貫いていた。

関与していたことは確実であるにもかかわらず固く口を閉ざす彼の様子に、右京は庸子の一件こそ、すべての“黒幕”内閣官房長官・鶴田翁助(相島一之)のウィークポイントに違いないと確信する。

しかし、栗橋を切り捨てた鶴田は、彼にかわる内閣情報官のポストに驚愕の人事を発表! 自らの権力をこれみよがしに誇示する。

その矢先、ついに“加西周明の館”の存在にたどり着いた鶴田が、VR空間に出現する! だが、鶴田はそこで予想だにしない光景に遭遇することに――!?

はたして特命係は“権力の権化”鶴田翁助を追い詰めることができるのか!?

主な出演者とスタッフ

出演者

杉下右京(すぎしたうきょう)=水谷豊
冠城亘(かぶらぎわたる)=反町隆史

小出茉梨(こいでまり)=森口瑤子

伊丹憲一(いたみけんいち)=川原和久
芹沢慶二(せりざわけいじ)=山中崇史
角田六郎(かくたろくろう)=山西惇
青木年男(あおきとしお)=浅利陽介

出雲麗音(いずもれおん)=篠原ゆき子

大河内春樹(おおこうちはるき)=神保悟志

益子桑栄(ましこそうえい)=田中隆三

内村莞爾(うちむらかんじ)=片桐竜次

中園照生(なかぞのてるお)=小野了

衣笠藤治(きぬがさとうじ)=杉本哲太

社美彌子(やしろみやこ)=仲間由紀恵

甲斐峯秋(かいみねあき)=石坂浩二

鶴田翁助(つるたおうすけ)=相島一之

中郷都々子(なかざとつづこ)=織田梨沙

鷲見三乘(すみみのる)=味方良介

栗橋東一郎(くりはしとういちろう)=陰山泰

階真(きざはしまこと)=辻本祐樹

三門安吾(みかどあんご)=山田明郷

柾庸子(まさきようこ)=遠山景織子

加西周明(かさいしゅうめい)=石丸幹二

[役名なし]=岸部一徳

ほか

スタッフ

脚本=輿水泰弘

監督=橋本一

音楽=池頼広

エグゼクティブプロデューサー=桑田潔

チーフプロデューサー=佐藤涼一

プロデューサー=髙野渉、西平敦郎、土田真通
ほか

その後どうなった?(ネタバレ)

加西周明の幽霊ビルでVRゴーグルを装着した鶴田と三門安吾はVR世界にある「加西周明の館」を訪れる。

加西周明の館に生きていた柾庸子が現れ告発

館のダイニングルームで鶴田たちの前に現れたのは、黒いドレス姿の柾庸子と、殺害された時の服装の加西。さらに右京と亘も階段をおりてくる。

 

加西は小野田官房長が作成したプログラムの名前まで持ち出して鶴田の悪行をあぶりだし始める…加西として語る人物の正体は右京が変身したもので、右京に化けていたのは青木。亘と庸子は本物。

 

庸子は死んでいなかったのだ。

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庸子に加西殺しの命令をしたのは栗橋。栗橋に命令したのは鶴田で、理由は「光ファイバーケーブルに盗聴器を仕掛けて国民の会話を監視していることを加西に知られたから」。

 

柾庸子の自殺はフェイクで、殺人の罪を被るのと引き換えに命を保証されていた。

 

庸子は内調が仕込んだ刑務官に飲まされたカプセルにより仮死状態にされ、拘置所病院に移送された後、独居房と同じような部屋で自殺遺体の真似ごとをして写真を撮り、遺体安置所に移動して、遺体として叔父の七平と面会した。その後、ホテルに移動して新しい戸籍謄本とパスポートを受け取り、パリに高飛びしていた。

 

鶴田と三門は「加西周明の館」を消滅させ、青木が保存していたバックアップもハッキングして破壊した。

中郷都々子の部屋が冷やされていた理由

内閣官房長官の執務室で真相の続きを鶴田につきつける右京たち。中郷都々子殺しの犯人は殺し屋だが、都々子の部屋に冷房を入れたのは殺し屋ではなく庸子だった。

 

庸子はパリに出発する前に、姉妹のような仲であった都々子を一目見たいとマンションを訪れたが、入口で殺し屋とすれ違った。庸子が合鍵を使って部屋に入ると都々子はすでに死んでいた。

 

死人であるはずの自分が通報できるわけもなく、庸子は都々子の遺体が傷むのを少しでも遅らせ、早く発見されるために、庸子が冷房をつけ、玄関の鍵を開けたままにして去り、マリーナで殺し屋を殺害してから旅立った。

 

右京たちは庸子の担当検事である階真にかけ合って、庸子の減刑に尽力するかわりに鶴田を起訴できる証言と証拠を揃える約束をし、庸子の証言を引き出していた。

社美彌子の内調トップ就任、そして小野田官房長が…??

証拠は…加西周明が用意していた館の見取り図だった。3階建ての見取り図の各フロアの図、合計3枚を重ね合わせると、二次元コードとなり、コードを読み取ると、鶴田が盗聴を認めている録音が隠されていたのだ。

 

翌朝、鶴田は出頭。事件は解決に向かう。

 

右京は甲斐峯秋や亘と、鑓蔵兵衛の計らいで社美彌子が内調のトップに就任したことなどを話しながら歩いていると、小野田官房長らしき人物とすれ違う(=岸部一徳さんが歩いていた)。

 

右京が思わず「官房長」と声をかけるが、男は立ち止まることなく、通過するが、やがて振り返り、右京の背中を見つめた。

感想など

ディープフェイク映像をめぐる事件に端を発した「特命係vs鶴田翁助」の流れを振り返ると、ストーリーの本当の主人公、は内調職員だった柾庸子のような気がするのです。

犯人たちのさまざまな動機

【相棒18】の最終回(2020年3月)で初登場した鶴田翁助内閣官房長官と、内閣情報調査室の面々。本丸の鶴田に捜査の手が及ばないまま【相棒18】は終了し、新シリーズ【相棒19】の初回と第2話(2020年10月)では、仮想世界の国家を持つIT長者の加西周明が登場。加西も裁かれることはありませんでした。

 

そして【相棒19】第19話と最終回(2021年3月)で鶴田と加西のつながりが明らかになり、加西が殺害され、いよいよ【相棒20】の第1話から第3話(2021年10月)に至る流れで鶴田が逮捕される結末を迎えました。

 

ディープフェイク技術やバーチャルリアリティなど、複雑化する現代社会の状況を【相棒】が切り取った旬な題材を扱ったストーリーですが、事件を起こす犯人たちの動機は、普遍的なものでした。

 

ディープフェイク技術を使ってカレシを殺害した天才科学者の動機は嫉妬と虚栄心。

 

内閣官房長官である鶴田の一連の悪行は、技術の政治への悪用狙いとその隠ぺい工作。

 

内閣情報調査室のメンバーは、上司の命令による忠実な職務遂行。

 

IT長者の加西周明は道楽のため。

 

加西に「6億円あげるから人を撃って」と言われて実行した朱音静は、お金が欲しいから。

 

静の計画に協力した万津蒔子の動機は、大切な人(=静)を守るため。

 

ストーリーの軸は「特命係vs鶴田」「特命係vs加西」「鶴田vs加西」の三つ巴の対決でしたが、多彩な登場人物一人ひとりの心情が丁寧に描写された、濃密な作品としてラストまで見応えがありました。

柾庸子に共感せずにいられない

相島一之さんと石丸幹二さんの豪快でオリジナリティーあふれる演技に圧倒されっぱなしではありましたが、全8話にわたる長編ストーリーをじっくり振り返ると、遠山景織子さんが演じた柾庸子の心情を想像して、共感せずにはいられなくなります。

 

柾庸子。内閣情報調査室カウンターインテリジェンスセンター所属。仲間由紀恵さんが演じる社美彌子の後輩にあたります。

 

初登場の【相棒18最終回「ディープフェイク・エクスペリメント」】では、男の殺害現場にあったパソコンから発見された男との「ベッド動画」に映る女性として、疑いの目を向けられました。

 

この動画は「ディープフェイク」で、実際に男とベッドで抱き合っていたのは犯人の女です。女は、男が庸子に興味を持ったことに嫉妬して、男と庸子が絡むディープフェイク動画を作成していました。

 

しかし、庸子は犯人の女を、内調上司の命令により匿わなければならない立場でした。

 

自分の偽ベッド映像を作成した科学者を殺人の罪から守るために匿い、警察の問いに対してはベッド映像の人物は自分だと証言しなければいけないという、やるせない役割です。

 

容疑者にされたことと、そのようなポルノ映像を捜査員などの他人に見られていることで、二重の恐怖を感じたことでしょう。もしネットに動画を拡散されてしまったら、さらに心に傷を負うことになります。

 

それでも庸子は職務を守り、鶴田や栗橋の命令に従い事件を収束に向かわせました。

 

鶴田との間には、どうやら愛人関係も結んでいたらしい庸子は、その後、上司の命令により加西殺害へと動きます。

 

加西殺害計画を実行した庸子は、鶴田の計らいで、外国へ高飛びすることになっていました。

 

内調が仕込んだ刑務官に飲まされたカプセルで仮死状態になった庸子は、自殺体の真似ごとをして独居房と同じような部屋で写真を撮り、遺体安置所では遺体として叔父の七平と面会しました。

 

その後、新しい戸籍謄本とパスポートを渡されて、パリに向かいます。

 

しかし…

大切な人への素直な気持ちに抗えず

幼少の頃から姉妹のような関係であった中郷都々子のことが気になっていました。会えなくてもいいから、遠くから一目見ておきたい。

 

庸子が都々子の自宅があるマンションに行くと、玄関付近で殺し屋の女とすれ違いました。嫌な予感がします。

 

庸子が部屋にかけつけると、都々子はすでに死んでいました。すぐに通報したいけれど、今の自分にはできるわけがありません。

 

哀しみにまみれながら、庸子は遺体が少しでも傷まないように冷房をかけ、玄関の鍵を開けたまま部屋を去りました。

 

冷房や鍵については、鶴田に対する小さな造反です。自分は鶴田の道具ではなく、都々子を愛する心を持ったひとりの人間なのだ、という気持ちが上回ったのでしょう。

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マリーナで殺し屋を殺害した柾庸子。その哀しみは、特命係の2人に伝わったようです。

 

右京さんと亘は、庸子の担当検事である階真に庸子の減刑起訴を嘆願して、代わりに鶴田を起訴する証言と証拠を確実につかむ約束をしました。

 

初登場時から笑顔のない、血のかよっていないような白い表情が特徴的だった柾庸子の内心を辿っていくと、涙なくして語れません。

復活して存在感を示した加西周明

【相棒20】の第1話から第3話までは「復活」というタイトルがつきました。第1話が「復活〜口封じの死」で第2話が「復活〜死者の反撃」、第3話が「復活〜最終決戦」と続きました。

 

「復活」とは誰のことを指しているのか、最初は想像がついていなかったのですが、前シーズンで殺害された加西周明がVR世界でよみがえったことが、復活にあたるというところでしょうか。

 

死んだ人間が現実に生き返ることはないけれど、VRの世界でなら復活することができるのか…結局、よみがえったと思われた加西の正体は姿を変えていた右京さんでしたが、「加西周明の館」に残っていた証拠が鶴田検挙につながり、特命係と鶴田の戦いに終止符を打ったわけで、ということは、加西の復活というよりは、加西の「存在」「存在感」が復活したと考えるのが妥当でしょうか。

 

加西が初登場した【相棒19第1話】のタイトルは「プレゼンス」。意味は「存在、存在感」。見事な伏線回収です。

そして、とんでもない「復活」が起きた?!

【相棒20第1話】では、鶴田が尊敬する元内閣官房長官の朱雀武比古が【相棒3】以来17年ぶりに登場しました。これも「復活」。

 

朱雀は小野田官房長が亡くなっていることを知らず、右京さんに聞かされて驚いていました。また、朱雀が鶴田に電話をかけると、鶴田は「小野田官房長は自分の理想とする人物」であると語るなど、しきりと小野田官房長について触れられていました。

 

決着編となった【相棒20第3話】でも、小野田官房長が【相棒12最終回】でやってのけた「証人保護プログラム」の話が出たり、鶴田を糾弾する右京さんが頬をプルプルさせて「あなたは小野田公顕の足元にも及びませんよ。思い上がるのもほどほどに。あなたが小野田公顕を語るなど…虫唾が走る」と語るなどの場面がありました。

 

そして、最後に、公園で歩きながら甲斐峯秋や亘と事件の顛末を振り返る右京さんが、まさかの小野田官房長とすれ違うシーン!

 

その直前のスタッフロールで出演者に、役名なしで「岸部一徳」と名前が出ていたのが気になってはいたのですが…

 

まさか、まさかの官房長「復活」??

 

それとも、お遊びの視聴者プレゼント?

 

どうあがいても【劇場版2】で小野田官房長が息を引き取ったことはくつがえらないので、官房長の復活はありえません。いや、ありえるのが【相棒】という「フィクションのドラマ」の世界観なのか?

効果的に挿入された鶴田の「半・夢オチ」シーン

エンドロールのさらに直前。鶴田が出頭する前に、うとうとしていたのか、眠りから覚めるシーンが挿入されています。部下が金庫に機密費らしきお金を補充する姿を見つめる鶴田。

 

右京さんたちに真実を暴かれたのは夢だったのか…それとも、もっと前から夢が続いていたのか…この「半・夢オチ」が「なんでもあり」として機能して、小野田官房長らしき人物の登場も「あり」にしてしまう力が働いていました。

 

あれは「小野田官房長によく似た人物」だったのか…。だとしたら、どうしてその人物は、すれ違ったあとにわざわざ振り返って右京さんを見つめたのか…

 

ああ、【相棒】おもしろすぎる!

 

そして、柾庸子が罪を償ったあとに、善良な人間として「復活」してくれるかことを願ってやみません。

声に出して読みたい右京さんの名言・名セリフ

真実を明らかにした後、亡き小野田公顕(おのだこうけん)を手本にしているという鶴田内閣官房長官に。

「ああ、大事なことを言い忘れていました。手本にしているつもりかもしれませんが、あなたは小野田公顕の足元にも及びませんよ。思い上がるのもほどほどに。あなたが小野田公顕を語るなど…虫唾が走る」(虫唾=むしず)