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【相棒20第9話「生まれ変わった男」ネタバレ&感想】殺人事件で刺されて死んだ記憶を持つ男の正体は?

2000年にスタートしたドラマ【相棒】の新シーズン【相棒20】が、2021年秋から放送されています。

 

水谷豊さん扮する杉下右京と反町隆史さんが演じる冠城亘(かぶらぎわたる)が、警視庁のたった2人の特命係として事件を解決に導きます。

 

2021年12月15日放送の【相棒20第9話「生まれ変わった男」】はどんな話なのでしょうか。

 

本編視聴後にストーリー(ネタバレ)と感想などを記述します。

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(画像はテレビ朝日より引用)

【相棒20第9話「生まれ変わった男」】はどんな話?

【相棒20第9話「生まれ変わった男」】

2021年12月15日放送

どんな話?

【相棒】公式サイトより引用

右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、20年前に都内スーパーで起きた刺殺事件の押収品を返却するため、被害者の妻を訪ねる。

 

犯人はまだ捕まっておらず、被害者の妻は最近までチラシを配って情報を集めていたというが、そのさなか、「自分は被害者の生まれ変わりだ」と主張する、見知らぬ若い男が現れたという。

 

吉岡翼(今井悠貴)と名乗るその男は、被害者が搬送され、死亡したその日に同じ病院で生まれたといい、“殺されたときの記憶”も残っているというが…!?

 

興味を持った右京は、独自の検証を開始。吉岡を連れて現場を訪れ、当時の捜査資料と彼の証言を照らし合わせる。

 

すると、犯人と被害者しか知らないはずの情報を、吉岡が記憶していることが判明。生まれ変わりという主張が、にわかに信憑性を帯びてくる。さらに、吉岡の脳裏に新たな記憶が蘇り…!?

テレ朝POST版

被害者遺族から押収品の返還要求があり、特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)が届けに行くことになった。

 

20年前、スーパーマーケットの駐車場で電気工事士・関田昌平(渡辺翔)が刺殺された事件のもので、いまだ容疑者の目星すらついていない状態だったが、犯人のものと思われる指紋やDNAが検出されないこともあり、遺留品の返却に応じる判断が下されたらしい。

 

訪れた特命係に、関田の妻・園子(中込佐知子)は心境を打ち明ける。

 

園子は長年、情報提供を呼びかけるチラシを配るなど犯人逮捕に希望を託してきたが、寄せられるのは懸賞金目当てのデマばかり。最近では、関田の生まれ変わりだと主張する大学生・吉岡翼(今井悠貴)まで現れる始末で、真相究明はあきらめて心静かに生きることを決めたという。

 

吉岡は関田が殺された日、彼が緊急搬送されたのと同じ病院で生まれたといい、殺されたときの記憶がよみがえったと話していたようだ。

 

生まれ変わりに興味を抱いた右京と亘は、吉岡のもとへ。彼は子どもの頃から、駐車場で何者かに刺される夢を繰り返し見てきたことを告白。

 

先日、たまたま陸上部の合宿の帰路に立ち寄ったスーパーが夢で見た場所だとわかり、気になって調べたところ、その駐車場で事件が起きていたことが判明。前世の記憶に違いないと考えたと明かす。

 

特命係が当時の捜査資料と翼の資料を照らし合わせると、確かに翼の記憶は犯人と被害者しか知りえないはずの事実と一致していた…。

 

もしや、本当に翼は被害者の生まれ変わりなのか!? 捜査を進めた特命係は予想だにしない真実に突き当たっていく――!

主な出演者とスタッフ

出演者

杉下右京(すぎしたうきょう)=水谷豊
冠城亘(かぶらぎわたる)=反町隆史

伊丹憲一(いたみけんいち)=川原和久
芹沢慶二(せりざわけいじ)=山中崇史
角田六郎(かくたろくろう)=山西惇

出雲麗音(いずもれおん)=篠原ゆき子

益子桑栄(ましこそうえい)=田中隆三

土師太(はじふとし)=松嶋亮太

吉岡翼=今井悠貴

関田園子=中込佐知子

吉岡博幸=画大

吉岡直美=ともさと衣

八神淳一=岸博之

関田昌平=渡辺翔

ほか

スタッフ

脚本=川﨑龍太

監督=蔵方政俊

音楽=池頼広

エグゼクティブプロデューサー=桑田潔

チーフプロデューサー=佐藤涼一

プロデューサー=髙野渉、西平敦郎、土田真通
ほか

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その後どうなった?(ネタバレ)

20年前の殺人事件を担当した萩原哲也刑事によると、犯行時刻は関田昌平と園子が通話していた21時20分から、遺体が発見される21時25分までの間。凶器は小型の刃物と思われる。

 

また、現場には当時人気になったカードゲームのトレーディングカードが落ちていたらしい。

 

スーパー「ヤガミ」の副店長である八神友彦は、遺体を発見したのは父の八神淳一だったと話す。

事件当日に翼の父親が現場近くにいた

吉岡翼は、事件当時、男の「タイヨウ!」という叫び声が聞こえたことを思い出す。

 

右京は事件の参考人調書に翼の父親である吉岡博幸の名前があるのを発見する。博幸は翼の父親で、事件があった時刻にスーパー「ヤガミ」の店内を走り回っていたらしい。

 

右京と亘は吉岡家に出向き博幸と妻の直美に話を聴く。博幸は、スーパーの店内を走り回っていたのは、妻の直美の陣痛が始まったという連絡を受けて、オムツなどの買い物をしていたからだと説明する。そのレシートは警察に提出されていた。

 

吉岡家に帰ってきた翼が「タイヨウと叫んでいたのは父さんの声だ」と言うと、博幸は目をそらす。

 

「最後にもうひとつ」と申し出た右京が気になったのは、翼が幼い頃の家族写真だった。正月なのにホールケーキが写っており珍しい。直美は「新年のお祝いのケーキだった」と話す。

 

そんな吉岡家は、翼が小さい頃は府中から藤沢、久留米、高松などを転々と引っ越して、その後に現在の中野に落ち着いていた。

翼が何者かにナイフで刺される

伊丹から亘に電話が入り、翼が刺されたという。凶器は特殊な形状をしたナイフで、翼のおへそのあたりが刺されていたため、翼は犯人を見ているはずだが、なぜか被害者の翼は黙秘する。

 

右京は関田家に返却した遺品の中に電工ナイフがあったことを挙げ、翼を刺したのは関田園子であることを言い当てる。

 

翼が黙秘したのは「ぼくが悪い。ぼくが追いつめてしまったから」という負い目からだった。

 

関田園子は取り調べで、翼に自分の気持ちを踏みにじられた気がして刺したと話す。

 

右京は亘に、事件の日に博幸が買ったオムツがLサイズであったことが気になっていると話す。これから産まれてくる翼に大きなサイズのオムツを買うのはおかしい…

翼は事件の日に生まれたのではなかった?

鑑識課の益子からの電話によると、現場に落ちていたトレーディングカードから幼児期の翼の指紋が検出されたという。2〜3歳の頃のもののようだ。

 

もし翼が事件のあった日に生まれたのではなかったとしたら?

 

右京と亘は翼の両親に真相を問いただす。吉岡翼の本名は「タイヨウ=太陽」だった。

 

直美は博幸と結婚する前、別の男性と結婚していて、DVを受けていた。シェルターに逃げた直美は博幸と出会い、博幸の子を身ごもったが、なかなか前夫と離婚できなかった。

 

民法では、離婚して300日以内に生まれた子は前の夫の子となる。子供のためにも、前夫の戸籍に入れたくない…太陽は無戸籍児になった。

 

その後、第二子が誕生して翼と名づけたが、翼は生後4か月の時に死亡してしまった。博幸は太陽を翼として育てることを提案し、翼は墓地の近くの竹林に埋葬された。

20年前の事件の真犯人は…?

昌平の死体を目撃していた博幸は、昌平の胸にグリップの赤いナイフが刺さったままだったと言う。

 

右京たちは八神淳一に「凶器を持ち去ったのはあなたですね」と問う。ただし、昌平を殺したのは淳一ではなく、息子の友彦だった。トレーディングカードには友彦の指紋もついていたのだ。

 

中学生だった友彦はスーパーの駐車場で迷子になった太陽を見つけ、トレーディングカードをあげるなどして和ませていた。護身用のナイフを見せているところを昌平に目撃され、太陽を襲おうとしていると勘違いされてしまった。通報されたら大変なことになると思い、友彦はナイフで昌平を刺して殺した。

 

淳一は「息子を守りたかった」と話すが、右京は「それが親の愛情だと思ったら大間違いです。親ならもう少し早く楽にさせてあげるべきでした」と一蹴した。

右京「最後にもうひとつだけ…」

太陽は父親、母親、翼と4人で写った家族写真を見せる。太陽が幼い頃、吉岡家が頻繁に引っ越していたのは、太陽を翼として育てるために必死だったからだった。

 

太陽は年齢が詐称されていたため、陸上のジュニア記録は見直されることになった。

 

右京は「最後にひとつだけ」と、太陽の誕生日が1月1日であることを言い当てる。写真に写っている、お正月の食卓にあったホールケーキは、太陽の誕生日を祝う物だった。

感想など

親が「子供のため」という口実でつく嘘は本当に子供のためなのだろうか、と考えさせられました。

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夫婦は息子に嘘をつき続けることにした

吉岡博幸と直美は、息子の太陽に嘘をつくことにしました。

 

直美は前の夫にひどい暴力を受けていました。「別れるくらいなら殺す」と言われたこともあります。直美はシェルターに逃げました。

 

直美が博幸と出会い、二人の間に子供を授かってからも、前の夫はなかなか別れてくれません。

 

民法では、離婚して300日以内に生まれた子は前夫の子として扱われるそうで、博幸と直美は子供のために、出生届を出さない選択をとります。

 

太陽は無戸籍児となりました。学校に通う年齢になったらどうするのか。夫婦にはそこまで気を配る余裕が無かったのでしょう。しかし、余裕が無かったでは済まされません。

 

やがて太陽の弟が産まれました。弟は翼と名付けられます。翼は生後4か月で亡くなってしまいました。

 

そうだ、太陽を、戸籍のある翼として育てよう。

もし夫婦が息子に嘘をついていなかったら

博幸と直美にとっては、太陽を守るための嘘でしたが、だからといって翼の死体遺棄は許されることではないし、太陽を翼として育てるのも法律違反です。

 

もし太陽が太陽として育てられたなら、自分が殺人事件の被害者ではなく目撃者であることに、もっと早く気がつけたかもしれません。

 

もっと早く気がつけたなら、事件に関わった人たちの「贖罪」も、もっと早くに解けたのではないでしょうか。

 

殺された関田昌平の妻である園子は、昌平が殺害される直前の電話でケンカして仲直りしないまま切ってしまったことを、ずっと後悔していました。

 

もし太陽の「経験」が目撃者としての記憶であることに気がつけていたら、太陽は昌平の生まれ変わりだと思い込むこともなかったわけで、園子がのちに太陽をナイフで刺す行為は防げていたでしょう。

 

また、20年前の事件の真犯人である八神友彦が、自分が殺人事件の犯人である重圧を抱えたままずっと生きることもなかったでしょう。

 

太陽が気がついていたら、もっと早く友彦は逮捕され、もっと早く罪を償う機会を与えられていたはずです。

嘘をつくのは「子供のため」という「保身」

八神淳一は、息子のために昌平の胸からアーミーナイフを抜き、凶器を隠すことで息子が犯人であることを隠ぺいしました。

 

これは言語道断。八神淳一の父としての行動は間違っています。友彦にちゃんと罪を償わせるためでした。

 

淳一は「息子を守りたかった」と言い訳をしましたが、そこには息子のためと言いつつも、自分の保身もあったでしょう。万が一、本当に息子を守りたかっただけだとしても、親として失格です。その後も引き返すチャンスは充分にありました。

 

一方で、博幸と直美の嘘。嘘をつかなければ太陽は前夫の子となっていたわけで、それが不幸の道ならば、この嘘はルール違反ではあるけれども、理解はできるものなのかもしれません。

 

だとしても、嘘をつき続けることは、得策ではありません。太陽が成長し、自分で善悪の判断がつくようになった時点で、真実を伝えるべきでした。

 

子供のためについた嘘が、いつしか自分たちの保身のための嘘に変わっていたのではないでしょうか。

右京さんも子供に嘘をついたことがある

とはいえ、右京さんは、子供に嘘をつくことが絶対にダメだとは考えていないようです。

 

神戸尊が相棒だった時代の【相棒8第18話「右京、風邪をひく」】のラストでは、右京さんが少女に嘘をつきます。少女と仲良くなった老人が死んだことを少女が知ったら悲しむと考えて「老人は仕事の都合で遠くに行った」と少女に伝えたことが明かされます。

 

この場合、博幸夫婦や八神親子の嘘と違うのは、右京さんの嘘が法律に違反していないことです。

 

少女が成長する過程で、老人が亡くなったことを知れば、やはり悲しむでしょう。しかし、だからと言って嘘をついた右京さんを恨むこともなさそうです。

 

法律違反じゃなければ嘘をついてもいいというわけでは無いはずですが、ついていい嘘もあるということで、その線引きが難しいところ。

 

大人はかつて子供だったことがあるのだから、子供の気持ちになって考えることができます。

 

子供の目線に立って、善悪の正しい判断のもと、その嘘がバレても胸を張って「嘘をついた自分に悔いはない」と思える嘘が、ついてもいい嘘なのかもしれません。


思えば【相棒】は第1回の放送で、右京さんが亀山薫の辞職願を「もう部長に渡しました」と嘘をついておいて、薫が特命係の部屋を飛び出して行った後に、辞職願を破り捨てていたので、右京さんが「嘘は良くない」と言っても説得力など露ほども無い、とも言えるのですが。

声に出して読みたい右京さんのセリフ

自分たちがしてしまったことをすべて告白した吉岡夫婦に。

「死体遺棄はれっきとした犯罪です。すでに時効とはいえ、許されることではありませんよ。翼くんの死亡届を出さずその戸籍に太陽くんをいれていることもまた法に触れます。これを機に正しく届け出てくださいね」

 

中学生の息子が殺人犯だとバレないように凶器を隠したのは「息子を守りたかったからだ」と言い張る八神淳一に。

「八神さん、それが親の愛情だと思ったら大間違いですよ。友彦くんから罪を償う機会を奪ったのですから。親ならもう少し早く息子さんを楽にさせてあげるべきでした」