【相棒18第18話「薔薇と髭との間に」】ネタバレあり感想…SNSを使えば簡単に店を潰せる?
悪い奴らが星五つのお店に目をつけ、SNSなどの印象操作によって評判をガタ落ちさせて買収する…実際にありそうな展開がヤバスぎぃ!
☆
【相棒】はテレビ朝日・東映の制作で放送されている、21世紀を代表する刑事ドラマシリーズです。
主人公は水谷豊さん演じる杉下右京警部とその相棒。現在の相棒は反町隆史さんが演じる冠城亘(かぶらぎわたる)です。たった2人の警視庁特命係が難事件を解決します。
この記事では2020年3月4日に放送された【相棒18第18話「薔薇と髭との間に」】のネタバレや感想を記述しています。未視聴の方はご注意ください。
主な出演者・スタッフ
【相棒18第18話「薔薇と髭との間に」】
20203月4日放送
出演
杉下右京=水谷豊=警視庁特命係係長。警部。
冠城亘=反町隆史=警視庁特命係。巡査。
伊丹憲一=川原和久=警視庁刑事部捜査一課。巡査部長。
芹沢慶二=山中崇史=警視庁刑事部捜査一課。巡査部長。
角田六郎=山西惇=警視庁組織犯罪対策部組織犯罪対策五課長。警視。
益子桑栄=田中隆三=警視庁刑事部鑑識課。巡査部長。
☆
ヒロコ=深沢敦
鶴橋光太郎=細田善彦
鶴橋宗一郎=夙川アトム
宮倉進=清水昭博
ほか
スタッフ
エグゼクティブプロデューサー=桑田潔
チーフプロデューサー=佐藤涼一
プロデューサー=髙野渉、西平敦郎、土田真道
脚本=児玉頼子
音楽=池頼広
監督=片山修
ほか
どんな話?
リゾート開発会社・如月リゾートが、オーベルジュ(宿泊もできるレストラン)の契約のために用意した1億円を強奪される事件が発生。契約金の運搬を担当した如月リゾートの社員・鶴橋光太郎(細田善彦)が背後から襲われ、入院を余儀なくされた。
光太郎と懇意にしているゲイバーのママ・ヒロコ(深沢敦)は、旧知の仲である右京(水谷豊)を頼って、特命係に捜査を依頼してくる。
右京と亘(反町隆史)はヒロコと共に光太郎に事情を聞くと、契約金の運搬は急遽決まったことだったとわかる。
しかし事件現場は人通りも防犯カメラもない場所で、右京は事前に練られた計画的犯行だったのではないかと推理する。
1億円運搬を指示した光太郎の上司から事情を聞いていると、そこに光太郎の兄・宗一郎(夙川アトム)が押し掛けてくる。
光太郎によると、兄弟の実家は元々、旅館を経営していたが、今は如月リゾートに運営を任せているという。調べてみると、旅館委譲の背景には、宗一郎が起こしたある事件が関係しているらしい。
そんな中、事件関係者の撲殺遺体が発見されて…!?
(引用=テレビ朝日)
その後どうなった?(ネタバレ)
撲殺されたのは如月リゾートの課長。課長は女性部長とともにレストラン「みやくら」をオーベルジュにする契約交渉をしていた。2人は鶴橋旅館が如月リゾートに経営を移譲する際の担当者でもあった。
如月リゾートは反社会的組織を利用して鶴橋旅館とみやくらに不祥事を起こさせ、SNS等で悪い評判を流し、経営を傾けさせていた。
鶴橋宗一郎が出頭して課長殺しを自供するが、1億円の在処などは喋らない。宗一郎は光太郎が犯人だと思い込んでいて、弟をかばって出頭していた。
結局、如月リゾートは業務妨害などで告発されることになりそう。
1億円強奪は如月リゾートの課長が宮倉に持ち掛けたものだった。
店に息子がいるように父がアリバイ工作をしている間に息子が1億円を強奪した。その取り分をめぐって父と課長が揉めているうちに、父が課長を殺してしまった。
事件が解決し、ヒロコママは「花の里」が無くなってしまったことを残念がり、これからは「薔薇と髭と…。」を「花の里」の代わりにしたらと申し出て、右京さんと冠城くんは苦笑いするのだった。
感想など(ネタバレ)
私たちはSNSなどを使って、宿泊施設やレストランなどのクチコミ評価を簡単に閲覧することができます。しかし、匿名性が強いクチコミは、いくらでも印象操作することができてしまい、悲しい結果を導くこともあるようです。
12年ぶりのヒロコママ
今回は「薔薇と髭との間に」のタイトル通りに、ゲイバー「薔薇と髭と…。」のヒロコママがメイン級の扱いで登場する回となりました。
ヒロコママの登場は、TVシリーズでは【相棒6第13話「マリリンを探せ」】以来、約12年ぶりです。
「劇場版1」を含めて過去に7度の登場があるヒロコママは、そのほとんどがチョイ役程度だったにも関わらず、圧倒的なインパクトを残しています。
最初の登場となる【相棒1第3話「秘密の元アイドル妻」】では、まだクレジットにヒロコの名は無く「深沢敦」と役者名が出ただけでした。新宿の花園神社の付近で目撃情報を亀山薫に教えるゲイバーのママ。
次に登場した【相棒1第6話「死んだ詐欺師と女美術館長の指紋」】でヒロコの名が付き、亀山くんを「薫ちゃん」と呼ぶようになり、初期の【相棒】の名物キャラとなりました。
亀山薫と親しくて、神戸尊と甲斐享を知らないキャラクターが冠城亘の5シーズン目に復活するっていう、すごい話です。
今回の話でヒロコママはメインゲスト級の扱いでしたが、事件の被害者や加害者となったわけではありません。
親しくしている鶴橋光太郎という男が襲撃された事件について右京さんに救いを求めるという「導入」的役割は、以前と同じです。
ひょっとしたら本筋の事件の全貌がちょっと地味なぶん、強力なスパイスを付ける意図でヒロコママを召喚したのかな?
悪評を拡散されて旅館の経営が傾く
鶴橋宗一郎は、弟の鶴橋光太郎とともに熱海市内で旅館を経営していました。2人で作る折り鶴が絆の印でした。
その旅館で、男性客が「財布が盗まれた」と騒ぎ始めました。応対した仲居さんに「おまえが盗んでいないかどうか脱いで証明しろ」と詰め寄りました。
間に入った宗一郎は、その客の理不尽ぶりに怒りが込み上げて、もみ合った末に相手にケガを負わせてしまいました。
客はその話をネットなどで広め、鶴橋旅館は悪い評判で満たされてしまいます。
宗一郎は旅館から消えました。旅館は如月リゾートに経営を移譲することになりました。
それから10年以上。如月リゾートの課長を殺した犯人が弟だと勘違いした宗一郎は、警察に出頭しました。
旅館を捨てて逃げ出した過去や、旅館の経営から如月リゾートの社員に転身した光太郎の現在に、宗一郎は申し訳なくて心が張り裂けそうになっていたことでしょう。
だからといって、弟をかばうために自分が罪をかぶるというのは、間違っています。
身代わりになることで自分は贖罪を果たせるかもしれません。しかし、真実は闇に葬られてしまいます。 思いこみは、真実を曲げてしまうことがあります。
弟が殺人犯だと思ったのなら、自分の後ろめたさをセットにして考えるべきではありませんでした。嘘の真実を作るのではなく、真実を知って向き合うために。
食中毒を起こされ五つ星が二つ星に
宮倉進のレストランは何十年もかけて究極の味にたどりついたデミグラスソースが売りでした。
クチコミサイトでは五つ星が付きました。
しかし、食中毒騒ぎが起きて、宮倉はデミグラスソースを失いました。
食中毒が起きた店というイメージはいつまでもついてまわります。デミグラスソースの味も振り出しに戻りました。
客足は離れ、経営が厳しくなりました。如月リゾートから売却の話を持ちかけられました。
しかし、妻と始めて、息子とともに歩んできた「みやくら」を、手放したくありませんでした。如月リゾートの課長が持ちかけてきた「1億円強奪計画」の話に、まず息子が「やろう」と立ち上がりました。宮倉は、計画実行を決心してしまいました。
レストランをどうしても手放したくなくて、異常心理に近くなっていたことに同情します。だからといって、犯罪行為でお金を手に入れてよいわけがありません。
そのお金でお店が存続できたとしても、根っからの悪人ではない親子は、罪悪感にまみれながらデミグラスソースを仕込むことになります。
現金強奪という罪は、さらに殺人という大罪を呼んでしまいました。 もうメチャクチャです。
むしろ、特命係の2人に追い詰められたことで、人生の追い詰められた状況からは解き放たれたのかもしれません。
どうしたらよかったのかな?
強くて悪い者が善良に生きる弱い者を陥れようとする行為は、後を絶ちません。如月リゾートは、反社会的組織と結託して、弱い者を陥れてお金儲けをしていました。
では、鶴橋兄弟や宮倉親子はどうしたら良かったのでしょうか。
今回は、右京さんが宮倉親子に語りかけたセリフがヒントになります。
「如月リゾートが仕掛けた行為は決して許されるものではありません。ですが、それだけに残念です。たった数か月のデミグラスソースでも、あなたの作った料理は本当においしかった。この先2人でその味を守っていってくれたら、どれだけ多くの人が喜んだことでしょうねえ」
宮倉親子は、選択肢が店を手放すことと他人を傷つけることの2つだったとしたら、宮倉の妻であり息子の母親である女性ならどちらを選ぶか、冷静に考えてみるべきでした。
それでも。
罪を償えば、またやり直せます。もう一度、1人でも多くの人に五つ星の笑顔を咲かせるデミグラスソースを作ってみませんか。
そのデミグラスソースを使ったビーフシチューを、熱海の鶴橋旅館で味わえるようになるなんて、最高じゃないですか!
私たちは未経験のお店を探すときにネット上のクチコミやレビューを参考にします。確かに、星がたくさんついているお店のほうが魅力を感じます。
しかし、中には特定のお店を陥れようとして低評価を書きこんでいる人もいるかもしれないことに注意を払わなければなりません。
情報は簡単に操作できてしまいます。如月リゾートのような悪意によって善意が貶められることが無いとは言えません。ネットの世界、怖すぎィ!
それでも自分の善意を信じて生きていこう…
ヒロコママは右京さんにこの事件を持ち込んでくれて大ファインプレーでした!
声に出して読みたい右京さんのセリフ
弟をかばい続ける鶴橋宗一郎に
↓
「たとえ自分の犯行でなくとも、自首をする人たちを僕は数多く知っています。その人たちは守りたい誰かのために嘘をつき、犯してもいない罪を被ろうとする。一見、美談のように聞こえますが、それが正しいことだとは思いません。ひとつの嘘が大きな真実を闇に葬ってしまうこともあるからです」
罪を告白した宮倉親子に対して
↓
「如月リゾートが仕掛けた行為は決して許されるものではありません。ですが、それだけに残念です。たった数か月のデミグラスソースでも、あなたの作った料理は本当においしかった。この先2人でその味を守っていってくれたら、どれだけ多くの人が喜んだことでしょうねえ。残念です」
視聴は動画配信サービスなら初回無料あり
【相棒】はテレビの再放送や、ネットの動画配信サービス、DVD、Blu-rayなどで視聴できます。
視聴したい回が決まっている場合は【TELASA】や【U-NEXT】などの動画配信サービスが便利です。初回無料サービス期間があるので、お金をかけずに【相棒】を楽しめます。
テレビ朝日が運営する動画配信サービス【TELASA】は初回30日間無料でテレビシリーズの【プレシーズン】から【相棒18】まで全話を視聴することができます。
《関連記事》当サイトのオススメ回は…