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【相棒18-10「杉下右京の秘密」】ネタバレあり感想…ダークネスデーモンをやっつけろ!

【相棒】は、テレビ朝日・東映の制作で放送されている21世紀を代表するテレビドラマシリーズです。


主人公は、水谷豊さん演じる杉下右京警部とその相棒。現在の相棒は反町隆史さんが演じる冠城亘(かぶらぎわたる)です。たった2人の警視庁特命係が難事件を解決します。

 

2019年10月からは18シーズン目がスタート。冠城亘は【相棒14】での登場以来、5シーズン目となりました。

 

この記事では右京さんが冠城くんにも秘密で「パパ」になってしまう【相棒18第10話「杉下右京の秘密」】のネタバレを含めた感想などをまとめています。

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主な出演者・スタッフ

【相棒18第10話「杉下右京の秘密」】

2019年12月18日放送

出演

杉下右京=水谷豊=警視庁特命係係長。警部。

冠城亘=反町隆史=警視庁特命係。巡査。

伊丹憲一=川原和久=警視庁刑事部捜査一課。巡査部長。

芹沢慶二=山中崇史=警視庁刑事部捜査一課。巡査部長。

角田六郎=山西惇=警視庁組織犯罪対策部組織犯罪対策五課長。警視。

青木年男=浅利陽介=警視庁サイバーセキュリティ対策本部特別捜査官。

中園照生=小野了=警視庁刑事部参事官。警視正。

益子桑栄=田中隆三=警視庁刑事部鑑識課。巡査部長。

桜井里美=遊井亮子

町田良夫=渋谷謙人

高村修三=石井愃一

篠原零士=渋江譲二

桜井裕太=鳥越壮真

ほか

スタッフ

エグゼクティブプロデューサー=桑田潔

チーフプロデューサー=佐藤涼一

プロデューサー=髙野渉、西平敦郎、土田真道

脚本=根本ノンジ

音楽=池頼広

監督=片山修

ほか

どんな話?

右京(水谷豊)が何か隠しごとをしているのではないか? …と疑念を持った亘(反町隆史)は、仕事帰りに尾行。すると、右京らしき人物が、幼い子供とその母親の2人とスーパーで買い物をした後、まるで家族のようにアパートの一室で仲睦まじく過ごす姿を目撃する。翌日、亘から事情を問いただされた右京は、里美(遊井亮子)というシングルマザーの女性とその息子・裕太(鳥越壮真)との馴れ初めを語り始める。そんな中、雑木林から3億円の金塊が見つかったというニュースが流れる。角田(山西惇)は、その金塊が自分たち組対5課の追っている密輸グループのもので、運び屋のリーダーが組織を裏切って隠した物ではないかと目星を付けていた。それから数日後、都内の運河でブルーシートに包まれた男性の死体が発見される。角田が確認したところ、遺体は運び屋のリーダーだった男だと判明し…!?(引用=テレビ朝日)

その後どうなった?(完全ネタバレ注意)

右京さんが「パパ」になった目的は、里美と裕太を警護するためだった。

 

里美らはコンクリートブロックをビルから落とされる、「いつも見張ってるからな」というメッセージと特撮写真が郵便受けに入っている、外から石を投げられ窓ガラスが割れるなどの被害を受けていた。

 

この事件の犯人は、里美の相談を親身に聞いていた町田巡査だった。町田は、里美に一目惚れしてしまい、自分にもっと相談してくれるよう仕向けたくて、里美の元夫の犯行に見せかけて里美たちに迷惑行為をしていた。

 

裕太が秘密基地にしていた倉庫で見たダークネスデーモンの正体は金塊密輸グループの一味である篠原だった。

 

篠原は運び屋の目黒が裏切って金塊を持ち逃げしようとしたため、ボスの高村に指示されて目黒を倉庫で殺した。

 

篠原は殺人現場を目撃していた裕太を消そうと企て、町田が里美の家に石を投げるところを動画撮影して町田を脅迫し、裕太の情報を聞き出していた。

 

金塊強盗の元締めは、篠原が目黒を殺した倉庫の管理人である、花屋の高村だった。高村は腐葉土の袋の中に金塊を隠していた。

 

事件は解決し、右京さんは里美と裕太を優しく送り出した。

感想など(ネタバレ)

悪魔の「ダークネスデーモン」は確かにかっこいいけれど、大切な「ホーリーライトエンジェル」を守るためには、やっつけなければならない相手です。

善人の皮をかぶった悪魔

久々に「悪い警察官」が登場しました。

 

町田良夫は派出所に勤務する制服警察官です。

桜井里美と裕太の母子が何者かに何度も襲われる行為について相談を受け、厳重に警戒していました。里美たちを襲っていたのは、里美に惚れてしまった町田でした。

 

前夫を装った脅迫メールや、「いつも見張ってるからな」というメッセージとともに投函した盗撮写真。

 

これだけでも被害を受けたほうは恐怖ですが、歩行中に上からコンクリートブロックを落とすなど、殺人未遂です。

 

【相棒】では、シリーズの起源となる2000年放送の「プレシーズン1」に、悪い警察官が登場しました。交番巡査の男が、交際相手との性行為をビデオに収めて、女性を脅迫していました。女性は男のことを「善人の皮をかぶった悪魔」と表現しました。

 

その警官を殺したのが、右京さんや亀山くんの上司である警部だったという、とんでもない話でした。

 

市民が頼りにする警察官が、信頼を裏切る犯罪行為に手を染める例は、後をたちません。約20年越しに【相棒】で悪いことをする警察官が描かれてしまうのは、社会啓発のために仕方のないことなのでしょうか。

 

警察官だって人間です。倫理に反することをやってみたい気持ちが心に生じることがあるかもしれません。

 

異常心理にとらわれ始めても、やってはいけないとわかっていることを、実行に移してしまいそうな時に踏みとどまれるかどうか。強い心の持ち方を市民に提示するのが警察官の矜恃です。

 

里美の家の窓に石を投げたところを、金塊密輸グループの篠原に見つかってしまいました。

 

さらなる悪事に手を染めることになる町田。泥沼です。

手下を「雑草」と呼ぶ花屋

金塊密輸グループは、分かりやすい悪です。彼らの目的は、金塊を密輸するたびに発生する消費税ぶんの儲けでした。

 

3億円の金塊を動かすと、その10%に当たる3000万円が手に入るというのです。

 

金に目がくらんだ人間は、多少の危険を冒してでも、悪事に手を染めてしまいます。お金は人を簡単に悪魔にします。

 

金塊密輸グループの元締めは、花屋の店主でした。きれいな花が咲き乱れるお店の隅に置かれた腐葉土の袋に、金塊が隠されていました。

 

花屋には、クリーンなイメージが湧きます。女の子が将来の夢に「お花屋さん」を挙げるのも、花の純粋な美しさが人々の心を豊かにするからでしょう。

 

子供の夢を守るべき花屋の店主が金の亡者で、部下に殺人教唆までするなんて。

 

「使えない奴」を「雑草」と吐き捨てる花屋。

 

町のおまわりさんだけでなく、花屋のおじさんまで裏では悪人だっとなると、もう誰も信じられませんね。

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子供は悪い大人を見抜く?

夫のDV行為から逃れ、小学生の息子とつつましく暮らす桜井里美にとっては、やっとつかみかけた幸せも崩されそうになっていました。

 

度重なる脅迫行為に疲弊し、それでも子供のために必死に生活していました。

 

そんな時に上からコンクリートブロックが落ちてきたら、心が壊れてしまってもおかしくありません。

 

犯人は自分が信頼して相談していた警察官です。

 

発狂ものです。

 

さらに息子は殺人現場を目撃し、金塊密輸グループのメンバーに命を狙われました。

 

めちゃくちゃです。

 

右京さんが冠城くんに「秘密」にしてまでも、裕太の父親役になっていなかったら、この親子は潰れていたかもしれません。

 

裕太は右京さんを大歓迎する一方で、ストーリーの途中で、町田巡査の呼び掛けにはそっぽを向きました。

 

子供心に感じていた町田巡査と右京さんの違いは、どこにあったのでしょうか。

右京さん激オコ「いい加減にしなさい!」

右京さんは、言い訳を並べる町田巡査に怒りをぶつけました。

 

「警察官の仕事は何なのかも分かっていない。真面目に勤めている全国の警察官の信頼まで裏切っておいて、恥を知りなさい!」

 

警察官の仕事は、国民の安全を守る仕事です。町田巡査が自分の過ちを悔い改めて、警察官を志した自分の正義を取り戻すことを願います。

 

右京さんは、金塊強盗の部下を「雑草」と表現した花屋の店主に憤りました。

 

「彼らが雑草なら、あなたはその雑草につく害虫ですよ。本来なら今すぐ駆除してやりたいくらいです」

 

右京さんの口から、人に対して害虫という言葉が出たことに驚きました。

 

確かに、花屋の主人の悪辣さに同情する余地はありません。善良に生きる人間にとっての、あまり使いたくない言葉ですが、害虫です。

 

それでも「今すぐ駆除してやりたいくらい」で駆除しないのが右京さん。人は法の下に平等という信念です。

 

害虫が害虫でなくなる時が来るのか。それは難しい希望かもしれません。

 

それでも人間は、誰もが害虫と認める奴でも、個人の意思で裁きをくだすのではなく、法律による裁きで人に罰を与えなければなりません。害虫がいなくなるために。

ホーリーライトエンジェルを守れ

「刑事さんが本当のパパになってくれたらなあ」と本音をもらす裕太に、右京さんはやさしく語りかけました。

 

「裕太くん、残念ながら、ぼくはパパにはなれません。ですから、これからは君がママを守るんですよ」

 

大切な人にいなくならないでほしいから。大切な人の笑顔を見ていたいから。

 

人は思いやりの精神で共存することで、大切な人との幸福な時間を共有することができます。

 

自分の人生において大切なことやものが脅かされないように、人は守り合いながら生きています。

 

大好きなカードゲームのカードを殺人現場に落としてしまった裕太に、右京さんは新しい「ダークネスデーモン」と「ホーリーライトエンジェル」をゲットして、プレゼントしました。

 

笑顔になる裕太を見て里美が微笑む光景は、我々がどう生きるべきなのか、ヒントを与えてくれました。

声に出して読みたい右京さんの名言

言い訳を並べる町田巡査に

「もう結構! 幼い命が何度も危険にさらされたんですよ。そんなくだらない言い訳など何の役にも立ちませんよ。警察官の仕事は何なのかも分かっていない。真面目に勤めている全国の警察官の信頼まで裏切っておいて…恥を知りなさい!」

 

密輸グループの手下を「雑草だ」という花屋の店主に

「いい加減にしなさい! 彼らが雑草なら、あなたはその雑草につく害虫ですよ。本来なら今すぐ駆除してやりたいくらいです」

 

「刑事さんがパパになってくれたらな」という小学生の裕太に

「裕太くん、残念ながら、ぼくはパパにはなれません。ですから、これからは君がママを守るんですよ。ママが大変な時は君が支えてあげてくださいね。ただ、困ったことがあったら、いつでも連絡をください。すぐに駆けつけますからね」

 

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