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【相棒16】名作揃いの第1話~第10話を振り返る!神回は元日SP「サクラ」!

2017年10月18日から放送が始まった【相棒16】は2018年3月14日午後8時からの2時間スペシャル【第20話「容疑者六人〜アンユージュアル・サスペクツ」】が最終回。早いですね。この記事では【相棒16】前半戦の第1話から第10話までを、視聴した感想とともに振り返ります。

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第1話「検察捜査」→第2話「検察捜査〜反撃」

平井陽(中村俊介)は3人の妻を殺害した容疑で拘束されています。自分は無実で、自白は強要されたものだとして、弁護士の与謝野慶子(中村ゆり)を通じて、捜査一課と特命係を告訴しました。

特命係に敵意を抱く法務省の日下部事務次官(榎木孝明)は検察官の田臥准慈(田辺誠一)に告訴状を受理するように指示します。狙いは、特命係を違法捜査で立件すること。その状況を知った衣笠副総監(大杉漣)は敵視している警察庁の甲斐峯秋長官官房付(石坂浩二)を特命係もろとも葬ろうと画策します。

組織内で孤立無援となった特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は、包囲網をくぐり抜けて連続殺人事件の真相を暴くことができるのか??

脚本・輿水泰弘、監督・橋本一

【ポイント】

前作【相棒15】の最終回で、右京さんと冠城くんの間に不穏な空気が漂いました。

右京さん「想像が及ばないのなら、黙っていろ!」

冠城くん「あなた、何様?」

戦慄の予兆から半年。「調和か、対立か」が注目された【相棒16】は、特命係包囲網の中で2人が結束して戦うスタートとなりました。

「平成の切り裂きジャック・浅倉禄郎」や「ベラドンナの小暮ひとみ」を思い出すような連続殺人容疑者。右京さんは「あなたが無実になるのは、我慢できません!」と言い放ち、毅然と真相を明らかにしました。

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第3話「銀婚式」

大手商社の専務・瀬川巧(川野太郎)の家で、玄関に油がまかれる騒ぎが発生しました。甲斐パパからの依頼で瀬川邸に向かう特命係の2人は、その道すがらで車椅子が大破した事件現場に遭遇します。車椅子に乗っていたのは瀬川の妻・楓(菊池桃子)。楓は軽傷で済んだものの、右京さんは車椅子が細工されていた可能性を感じ、灯油の件も含めて捜査を開始します。瀬川と楓、もうすぐ結婚25年の銀婚式を迎える2人に何があったのか??

脚本・太田愛、監督・内片輝

【ポイント】

銀婚式で愛を確かめ合おうと楽しみにしている妻と、銀婚式を出世のためのアピールに利用するもくろみのゲスい旦那。ピュアな女性の心が復讐に支配されていく移ろいを、芸能界のピュア代表・菊池桃子さんが演じています。

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第4話「ケンちゃん」

冠城くんが顔見知りになったコンビニ店員の森山健次郎(西井幸人)が殺害されました。犯人は2年前に健次郎の証言で逮捕された窃盗犯か?右京さんは健次郎の遺体の手に漢字の「中」と読める文字が書かれている点に注目します。健次郎の兄・森山真一郎(内田朝陽)をはじめ、ピュアな「ケンちゃん」に嫉妬する人物が続々と現れます。健次郎は誰に、なぜ殺されたのか?

脚本・金井寛、監督・橋本一

【ポイント】

ケンちゃんがどこまでもピュアすぎるがために、周囲の人物がケンちゃんに恨みを抱いてしまう。悲しいストーリーです。「中」に見えるダイイングメッセージや難解な数式の向こうにいる真犯人にびっくりしつつ。人が抱える葛藤の深層について考えさせられます。

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第5話「手巾(ハンケチ)」

右京さんと冠城くんは、鑑識から警察学校に移動した米沢さん(六角精児)から連絡を受けて、校内で起きた《転落事故》に臨場します。転落したベテラン教官・樋口彰吾(佐戸井けん太)は意識不明の重体。樋口の娘・真紀(南沢奈央)は所轄の刑事です。真紀は自分が追っている事件の手がかりを見つけたと言って、意識が戻らない父親に冷淡な目を向けて帰ってしまいました。右京さんは樋口の転落と真紀が追う事件の2つに関連があるのではないかと推理します。

脚本・浜田秀哉、監督・内片輝

【ポイント】

娘は父の背中を見て警察官になりました。娘は父が隠していた過去を知り、父を拒絶するようになりました。しかしどうやらそれは外面であり、内面では重傷を負った父が心配でたまらない。真紀の心情はセリフではあえて語られず、ハンカチを握りしめる演技で表現されています。「父と娘がテーマの刑事ドラマ」というありふれた設定なのに、見終わる頃には涙が止まりません。

 

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第6話「ジョーカー」

早見一彦(山田純大)は捜査二課の元刑事です。妻が歩道橋から転落死した一件で、警察は自殺と断定して捜査を打ち切ったけれども、早見は殺人の可能性を主張。その後、知人に虚偽の目撃証言をさせた疑いで懲戒免職になりました。早見はその処分は不当だとして損害賠償を請求します。

元刑事が警視庁を訴えた裁判。衣笠副総監は、処分は妥当だったと印象づけるため、偽証した男の捜索を指示しました。

早見の妻は自殺か他殺か。特命係の2人は、警察の代表として裁判に出廷した大河内監察官(神保悟志)とともに捜査を開始。係争相手の早見と接触する大胆な行動に出ます。早見は、妻が誰かに脅迫を受けていたと話します。それが原因で死に追いやられたのではないかと。

脚本・浜田秀哉、監督・兼崎涼介

【ポイント】

人は弱い生き物です。どんなに正義を貫こうとしても、圧力に屈してしまうことがあります。

刑事の妻は自分が担当していた仕事で不正を発見しました。不正を正そうと顧問弁護士に相談すると、顧問弁護士は妻の父親である政治家に手を回して、不正をもみ消そうとしました。正義を貫こうとした刑事の妻は、父親に脅迫されてしまって。

とことん悪い政治家に激怒する右京さん。そして感動のラストシーンへ。

 

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第7話「倫敦からの客人」

派遣社員の中年男性が遺体で発見されました。付近にあった携帯電話から、犯人と思われる男が映った動画と、ネット内の裏社会「ダークウェブ」にアクセスした痕跡が残されていました。ダークウェブはインターネットの裏社会。大麻や拳銃が売りさばかれているサイトもあります。

右京さんたちは犯人と思われる男が映っている場所を特定して急行しました。現場にはホームレスと家出少女、2つの死体が。どちらも数年前に殺害された模様です。動画に映っていた男もアジトで殺されていました。4人の死。

ロンドンからの客人も、この事件に興味を示しました。南井十(伊武雅人)は元スコットランドヤード警部で、右京さんがロンドン研修時代に相棒だった、イギリス国籍の日本人です。

右京さんと南井の推理対決が事件の真相を導きます。

脚本・徳永富彦、監督・内片輝

【ポイント】

少年は、母の死の際に涙を流さなかった自分に疑問を持ちました。人を殺しても罪悪は感じませんでした。自分は普通じゃない、とふさぎこみます。

そんな自分を褒めてくれる人が現れました。自分は本当は優れた人間なのだと思い込みました。やがて彼は殺人鬼に成長しました。

少年が最後に流した涙の意味を考えさせられる作品です。

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第8話「ドグマ」

警視庁公安部に「中央アジア系テロ組織のメンバーが日本に潜入した」という情報が入り、緊急配備が敷かれます。

右京さんと冠城くんは偶然、中央アジアに生息するジゴクバチという外来生物を発見しました。2人は駆除作業中に女性の腐乱遺体を発見。遺体にはジゴクバチに刺された跡がありました。女性が中央アジアに出かけた際に撮影した集合写真から、もう1人がジゴクバチに刺されて死亡したという情報が。

右京さんは連続殺人を疑いますが、公安部外事課と法務省の日下部事務次官が特命係に圧力をかけてきます。

脚本・真野勝成、監督・兼崎涼介

【ポイント】

中央アジアの架空の国「トルジスタン」では南部と北部で内戦が起きています。日本に、悪いことばかりを考えている会社がありました。この会社はまず、南部側に強力な武器を売りさばきました。次に北部側に、南部よりも弱い武器を売りさばきました。民族紛争をビジネスの場にして丸儲けしようという魂胆です。

現地の人がこの会社の真実を知ったらどう思い、どうするか。復讐は、どうしても成し遂げなければならなかったのか。

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第9話「目撃しない女」

新崎芽依(朝倉あき)はキッチンカーでタコライスを移動販売しています。冠城くんは芽依目当てで毎週水曜日にタコライスを買いに行きますが、芽依は冠城くんのことを覚えてくれません。ちょっとショックな冠城くん。

芽依が仕込みのために使わせてもらっていたスナックの店主が殺害されて、芽依は犯人らしき2人組の男に遭遇してしまいます。芽依の供述があいまいで、彼女にも疑惑を向ける伊丹刑事(川原和久)。

逃走した2人組は、被害者から奪えなかった物について芽依が知っているのではないかと考えて、警察官をかたって接触しますが、芽依は彼らを目撃しなかったかのように振舞います。

芽依はなぜ犯人を見なかったことにしているのか。右京さんは、芽依が「相貌失認」を抱えていると推理します。

脚本・山本むつみ、監督・杉山泰一

【ポイント】

子供の頃から店番で失敗ばかりしていたこと。他人の顔を覚えられないから、学校で生意気だと思われて、クラスメイトに無視の対象とされてしまったこと。誰にも知られたくない、触れられたくない秘密。

私は普通の人と変わらない。何も問題ない。料理も作れるし、キッチンカーだって運転できる。

葛藤にまみれながら強く生きる新崎芽依が、殺人事件に遭遇してしまい。その命を救おうと体を張る冠城くん。2人の距離が、急接近?

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第10話・元日スペシャル「サクラ」

クリスマスイベントで発砲事件が発生します。犯人の少年だけでなく、被害者も姿をくらましてしまいました。使われたのは制服警察官に支給される「サクラ」と呼ばれる拳銃。直後に、交番で制服警察官が自殺し、拳銃が持ち去られている事件が発覚します。「QTES689」というハンドルネームを持つ何者かがサクラ盗難の証拠映像を拡散。

特命係の2人は、半年前に失踪した上条喬樹(健太郎)ら高校生3人が事件に関与していることを突き止めます。

発砲事件の被害者・安田(梶原善)に追われる少年たち。内閣情報調査室の審議官・有馬(鶴見辰吾)や衣笠副総監、折口官房副長官(篠井英介)ら、偉い地位にいる人の様々な思惑がうごめく中、サクラを手にした喬樹が玉砕覚悟で拳銃を構えた相手は。

【ポイント】

中盤で悪い奴が喬樹に放ったセリフ。「警察は強いものの味方なんだよ。正義や公正さがあると思ってるんだったら、目を覚ましたほうがいいぞ」。ひどすぎです。ラスト近くで右京さんが喬樹に語りかけたセリフ。「ぼくは、君に正義と公正さを望み、それを努力する人間であってほしいと願っています。そして君はそうなれる。ぼくは信じています」このシーンは涙無くして見られません。

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脚本家と監督が1話ずつ違う【相棒】らしい、バラエティに富んだ前半戦でした。どの作品も、ゲスト主人公の内面がじっくり描かれています。バディものとしてのドラマから内面追求型のドラマへ。16シーズン目にして、変わり続ける【相棒】の面白さに浸りました。「どの回が良かった?」と訊かれたら「全部!」としか答えようがありません!

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